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身の丈にあった市政を

 長浜市長選(25日投開票)は中盤に差し掛かった。2期8年の実績を掲げる現職・藤井勇治氏と、市政刷新を訴える元市議・中川勇氏が舌戦を展開している。
 選挙戦ではいくつかの市政課題が浮き彫りになっている。ひとつは市民の健康と命を守る砦である市立病院事業であろう。小児科をはじめとする複数の診療科が医師不足にあえぎ、それが赤字経営を招く事態ともなっている。地方の自治体病院が抱える共通の悩みであり、市は最優先課題として医師確保に取り組まなければならない。一朝一夕に解決するものではないが、長浜赤十字病院との連携を含め、どのように再建するのか両候補の訴えに耳を傾けたい。
 また、市民の関心のある課題に、駅前再開発ビル「えきまちテラス長浜」と、それを運営する第3セクター「えきまち長浜」の業績不振がある。ビル整備には約30億円の税金が投入され、第3セクターには最大株主の長浜市が2億円を貸し付けている。また、駅舎とビルを結ぶ「ペデストリアンデッキ」なる橋が姿を現しつつあるが、約7億円という巨費とその圧迫感に市民から好意的な意見を聞くことはない。
 えきまちテラスは、単なる商業ビルという位置づけではなく、駅周辺の賑わいを創出する市街地活性化事業の核施設だ。ゆえに多額の税金が投入されている。今後も駅前でのマンション建設、商店街での再開発が予定されているが、いずれも中心市街地活性化事業として税金が活用される以上、施設整備後の効果的な運用が求められる。「仏作って魂入れず」では納税者は納得しない。
 1市8町合併後の長浜では人口が年間800〜900人程度減少している。山間部では高齢化率が50%を超える集落もあり、この広大な面積の長浜市で高齢者世帯の生活をどのように末永く支えてゆくのか、自治体としての知恵と工夫が求められる。
 人口減少は長浜市に限ったことではない。未婚・晩婚化、少子化の流れは続く。地方都市の長浜にあって、人口が増加に転じる、もしくは人口を維持できるなどという甘い夢は捨てるべきだろう。「人口減少は避けられない」という視点で市政運営に臨まなければならないし、もちろん有権者の意識も人口と消費が増えた右肩上がりの時代から決別する必要がある。
 市町合併効果を生かした効率的な市政運営は当然のことながら、税金を投入して新規事業を行うのであれば、その費用対効果をよく吟味すべきであろうし、開発にしても身の程をわきまえるべきだろう。大風呂敷を広げたような夢物語はあってもいいが、その夢を実現できるポテンシャルを、長浜市が持っているのか、自問したいところだ。地味であっても、身の丈に合った市政運営が求められている。

2018年02月21日 16:27 |


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