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県財政は「健康」か?

 滋賀県が8日発表した2018年度当初予算案。一般会計の総額は前年度比0・5%増の5369億円だった。県は予算案に毎年テーマとなるタイトルをつけている。過去5年分を紹介すると、14年度は「住み心地日本一の滋賀へ」、15年度は「豊かさ実感・滋賀の実現に向け」、16年度は「新しい豊かさの創造へ〜挑む予算2016」、17年度は「新しい豊かさの創造〜琵琶湖新時代に向けて」、そして18年度が「健康しが予算〜新しい豊さの創造に向けて」となっている。14年度の「住み心地日本一」は県の目指すところが分かりやすいタイトルだが、ここ3年の「新しい豊かさの創造」というフレーズは、抽象的でピンと来ない。
 さて、18年度は「健康しが」と銘打った。滋賀県民の平均寿命と健康寿命が日本一になったとの昨年の厚生労働省などの発表を受けての発想で、「人」「自然」「社会」の健康を目指す。例えば、「滋賀の健康を支える食の魅力を洗い出し、それを生かしたメニューを開発し、発信することで、滋賀県産食材の消費拡大を図るとともに新たな食のブランドとして発信する」というのも、健康を意識した新規事業だ。
 では、県財政の健康面はいかほどだろうか。歳入の3割を占める県税収入は前年度比90億円増の1640億円を計上し、ここ10年でもっと高い水準となった。プライマリーバランス(基礎的財政収支)も68億円の黒字となる見込みだ。
 しかし、歳入5369億円のうち741億円を県債、つまり借金で賄い、県債残高は過去最悪の1兆0981億円にのぼる見込みだ。うち4555億円は国に代わって県が借金している「臨時財政対策債」と呼ばれる種類の借金で、県は「実質的な県債残高は6426億円で前年度より6億円減少する」と説明しているが、借金には変わりはない。
 一方の基金、つまり貯金は104億円を取り崩す予定で、残高はたったの298億円。しかも、使途を限定せずに比較的自由に使える「財政調整基金」と借入金の返済に備えるための「県債管理基金」は計87億円しかない。それ以外の基金は使用目的が限定されていることから、財源不足の解消に流用することができない。
 県は今回の予算案策定にあたり、109億円の財源不足に陥った。その穴埋めを新たな借金と貯金の切り崩しで埋めたわけで、とても「健康」とは言い難い。県は2024年の滋賀国体に向けて、彦根総合運動場の整備に総額200億円、新しい県立体育館整備に94億円を投じるが、これら巨額投資が財政をさらに圧迫することは言うまでもない。

2018年02月09日 16:57 |


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