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開票作業での不正

 昨秋の衆院選の開票作業で甲賀市選挙管理委員会が無効票となる白票を水増ししていたことが明らかになった。当選者と次点候補には約1万5000票の開きがあり、当落に影響ないものの、公職選挙法違反は当然ながら民主主義の根幹にかかわる重大事であり、徹底した原因究明と対策が求められる。
 同市の説明によると、開票作業中、投票総数に対して開票数が数百票足りないことが明らかになったことから、職員らが未開封の投票箱を捜し回ったが見つからず、選挙管理委員会事務局長を兼務している総務部長と、同部次長、総務課長の3人が未使用の投票用紙を白票として集計し、埋め合わせした。その後、未集計の投票用紙の入った投票箱が見つかったが、発覚を免れるため、総務課長が自宅に持ち帰り、焼却処分した。
 2月1日、市に内部通報があり、不正が明らかになった。岩永裕貴市長は「民主主義の根幹をゆるがす行為であり、決して許されるものではない」と断罪している。驚くべきは職員を管理・監督し、模範となるべき総務部長という事務方トップ自らが不正に手を染めていた点である。
 選挙の開票作業は、各候補の陣営や投票した有権者がその結果をいち早く知りたいと思うがゆえ、スピードが求められるが、衆院4区の甲賀市の開票作業は投票数と開票数が合わないことで遅れ、集計が終わったのは4区内6市町の最後だった。「早く集計を」というプレッシャーが白票の水増しに至ったと推察される。
 同じような白票の水増しは過去にも発覚している。高松市では2013年の参院選で、開票数が投票数に満たないことから、選管事務局長らが白票の数を実際より329票水増しして帳尻を合わせた。また、仙台市では2014年の衆院選で投票数の集計ミスを隠蔽するため白票を水増ししていた。
 選挙の開票作業については、不正がないかを監視する立会人が公職選挙法に基づいて配置されているが、市職員がグルになれば不正を行えることを印象づけた。票の過少にかかわらず「投票数と開票数が合わないときは、白票で穴埋めする」という暗黙の不正が、実は開票場でまかり通っているのでは、と疑いたくなる事案である。

2018年02月07日 16:50 |


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