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財政再建いつ?

 アベノミクスの効果か、それとも世界経済の好調に支えられてか、国内の大企業は増収・増益が続き、日経平均株価は四半世紀ぶりとなる高値。人手不足で大学の新卒予定者は売り手市場の恩恵に浴している—というのが、テレビや新聞で伝わってくるニュースだ。しかし、景気が良くなっているはずなのに、国の財政は相変わらず借金に頼った赤字運営だ。
 現在、国の借金は1000兆円余り。不足する税収を賄うため延々と借金を続けた結果だが、どこかの段階で借金に頼らない財政運営へと転換しない限り、いつか破綻してしまう。
 そこで、2010年に政府が掲げた目標は20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化だった。基礎的財政収支はその年の税収によってその国の施策を賄えているかという指標となる。黒字なら税収に余力があり、赤字なら税収が足りずに借金に頼っていることになる。
 これ以上、借金を膨らませてはならないと設定したのが20年度の基礎的財政収支の黒字化という目標だった。にもかかわらず、政府は昨年、25年度に先送りする見通しを示した。そして、今般、さらに2年先送りの27年度に黒字化するという試算を出してきた。何のための目標設定なのか、財政規律のタガを緩ませたとしか思えない。
 1月26日に経済財政諮問会議で示された内閣府資料によると、順調な経済成長を見込んだケースでも、20年度の基礎的財政収支は10・8兆円の赤字。これには昨年の衆院選を機に政府が消費税の使途の一部を借金抑制から子育て支援へと見直した影響も出ている。そして、27年度でようやく0・8兆円の黒字となると試算しているが、これはあくまで経済成長率(名目GDP)がバブル期に遡るような3%超のケースであり、現実はもっと厳しいと想定すべきだろう。
 いずれにせよ、基礎的財政収支の黒字化を27年度へと先送りするということは、それまでの間、国の借金が増え続けることを意味するが、国にどれほどの危機感があるのだろうか。ゆでガエルよろしく、借金というぬるま湯にまだドップリ浸かっているというわけだ。
 来年10月には消費税率が10%へ引き上げられるが、財政再建にはさらなる引き上げが避けられないとの見方が有力だ。ただ、いくら国民から税金を吸い上げようと、国の財布に穴が空いていては無意味で、歳出の絞り込みが欠かせない。にもかかわらず、18年度予算案の一般会計は97・7兆円と6年連続で過去最高を更新した。高齢化の進展で医療や年金などの社会保障費が膨らむとはいえ、幼児教育・保育の無償化などタガの緩んだ財政規律では「財政再建の旗は降ろさない」との首相の掛け声も空々しい。

2018年01月31日 16:52 |


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