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五輪機に南北融和?

 韓国の大統領は、国民を餓えさせて自身はブクブクと太っている北朝鮮の若き将軍様に秋波を送って、平昌冬季五輪を南北融和のきっかけにしようと夢想しているようだ。
 韓国の平昌五輪を2月に控え、韓国と北朝鮮は突如として高官級協議を再開し、北朝鮮側が五輪参加を表明。開会式で両国が統一旗を掲げて合同入場することで合意した。
 北朝鮮の3代にわたる世襲と独裁はその時々に飢饉や国際的な経済制裁により危機を迎えてきたが、結果として北朝鮮の独裁体制を支えてきたのが韓国の融和政策だった。
 金正恩が最近、繰り返しミサイルを発射して周辺国を挑発しているのは、国際的な経済制裁に窮しているからに他ならない。ならば、その包囲網を維持するのが妥当のはずなのだが。16日にカナダで開かれた20カ国による外相会合で韓国外相は「国際社会による制裁が効き始めているからこそ、韓国は北朝鮮に人道支援を行いたい」などと融和政策を申し出た。平昌五輪を控えたこのタイミングなのだから、北朝鮮のミサイル発射や核実験による五輪妨害のリスクを避けるため、五輪の「身代金」を払おうとしているのではないかと、邪推してしまう。
 金正恩の目的は国際包囲網に韓国をもってくさびを打つことに他ならない。しかし、今の韓国大統領は北朝鮮の五輪参加が南北融和の糸口にしたいようだ。北朝鮮の参加が融和を誘い、スポーツを通じた国際平和を目指す五輪精神に則るものだとして。
 過去を振り返れば、五輪が平和を作り出すというのは幻想に過ぎない。1916年のベルリン大会、40年の東京大会、44年のロンドン大会は大戦で中止となった。36年のベルリン大会はナチス政権のプロパガンダに利用された。72年のミュンヘン五輪は分裂していた東西ドイツが確執を見せつけ、東西ドイツの融和・統合まで20年近くかかった。また、五輪に参加していたイスラエルの選手やコーチ、審判員ら11人がパレスチナ過激派「黒い9月」によって殺害されるテロ事件が発生。イスラエルによるパレスチナ占領政策をテロという衝撃で世界に訴え、イスラエルとパレスチナの憎悪の対立が悪化した。
 冷戦下の80年モスクワ大会はソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する形で日本やアメリカなど50カ国近くがボイコット。これに対する報復として、84年のロサンゼルス大会ではソ連などの東側14カ国がボイコットした。
 88年のソウル大会は、北朝鮮が共同開催を提案し、金日成が国際社会に自身をアピールしようとしたが、思い通りにならないと悟るとボイコット。五輪開催を妨害するために前年に大韓航空機を爆破させ、乗客115人を殺害した。
 3代目の将軍もまた自身の独裁体制の維持という目的の前では、五輪にも国際平和にも関心がないことは言うまでもない。

2018年01月24日 15:48 |


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