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ダフ屋行為に規制を

 一昔前はコンサートやスポーツイベントの会場付近では「チケット買うよ」「チケットあるよ」などと、多くのダフ屋に声をかけられたものだ。今やダフ屋はめっきり減ったが、インターネット上ではダフ屋行為が横行し、人気公演のチケットは定価で手に入れることが難しくなっている。
 人気公演のチケットは即日完売し、その直後から転売サイトに出品される。ステージに近い席は定価の何倍もの価格設定で売りに出されている。滋賀で例を挙げると、大阪や京都から日帰りで見に行ける大津市のびわ湖大花火大会では有料観覧席のチケットが定価の2倍、3倍の値段で転売されている。
 昨年、何回かコンサートに出かけたが、チケット販売が始まってから日を置かずに完売したため、転売サイトに頼るしかなかった。入手したチケットは、いずれも暴利をむさぼるような転売目的の価格設定ではなく、「台風が近づいているので行けそうにない」「一緒に行く人に用事が入ったのでチケットが1枚余った」などの理由で、定価前後で入手できた。
 昨日、チケット転売サイト「チケットキャンプ」を運営する「フンザ」の元社長が詐欺容疑で逮捕された。転売会社とグルになって、チケット販売会社から規約で禁じられた転売目的を隠したうえで、他人名義でチケットを購入した—というのが直接の逮捕容疑だ。チケットキャンプは登録会員が386万人にのぼる業界最大手のサイトで、大口の転売業者の利用手数料を減免するなどしてチケット取り扱い数を増やし、ダフ屋行為を推奨していた。チケットキャンプは現在、取引中止となっており、5月末でサイトを閉鎖する。
 チケットキャンプを利用していた転売業者は今、「チケット流通センター」や「チケットストリート」など別サイトへと移っている。転売サイトがダフ屋行為の温床になっているのは疑いようはなく、厳しい取り締まりを期待したいところ。
 ただ、ネット上のダフ屋行為を直接取り締まる法律はなく、自治体の迷惑行為防止条例の規制も公共の場でのダフ屋行為に限定される。悪質業者による転売と、個人間の取引をどのように線引きし、区別するのかは難しそうだが、営利目的の転売を取り締まる仕組みが欲しい。
 グレーな手法で暴利をむさぼる転売業者が暗躍する一方で、公演に行きたいファンが正規の手法でチケットを手に入れられないという異常事態。2020年東京五輪を控える日本としては、早急に解決策を構築すべきだろう。

2018年01月12日 16:35 |


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