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市長選 一騎打ちに

 長浜市議の中川勇氏が来年2月の市長選挙に立候補することを表明した。当初は現職・藤井勇治氏以外に立候補の表明がなく無風のまま3選を迎えるとも予想されたが、中川氏の表明により、約40年ぶりとなる無投票が回避される見通しだ。
 近年の歴代市長を振り返ると、松宮資男氏が1983年から2期8年を務めて以降は、川島信也氏(91年〜)、清水久行氏(95年〜)川島氏(99年〜)、宮腰健氏(2003年〜)、川島氏(06年〜)という具合で1期ごとに市長が入れ替わってきた。そのたびに市を2分する選挙戦が展開された。市政運営も4年ごとにリセットされ、前職に可愛がられた市幹部が閑職に追いやられる「報復人事」も無い訳ではなかった。
 そして10年に初当選した藤井氏は14年に再選し、約20年ぶりに市政が継続した。市町合併した自治体では地域間の対立をあおるような首長選が展開されることもあるが、長浜市の場合は滋賀2区を選挙区とする衆院議員でもあった藤井氏が幅広い支持を得て当選している。
 藤井氏はこの2期8年、全方位外交により全市的な後援組織を築いた。国会議員秘書としての経験を生かして国とのパイプも強い。そんな藤井氏を相手に立候補するのは、現市政に何らかの不満を抱いていたとしても物怖じするのが普通であろう。
 しかし、現市政に対して市民の間に不満の声があるのならば、無投票ではなく、選挙戦により市民に問うのが、民主主義の姿であろう。14年の市長選は地元で対立候補を擁立できなかったことから、日本維新の会(当時)が埼玉県から現職町議を呼び寄せた変則的な選挙となり、対立陣営の盛り上がりはイマイチだった。どこかの市長が指摘したように「軍艦と田舟」の戦いに終始し、藤井氏の圧勝に終わった。当の対立候補は選挙が終われば、長浜を去った。
 そして今回、「無投票はありえない」と、対立候補の擁立に向けた準備が進み、支援者の声を受けて中川氏が立候補を決意した。中川氏は「トップ(市長)の立ち位置が住民側にない」と、住民のコンセンサスを得ないまま市の施策が進んでいると指摘しているものの、藤井市政への批判は抽象的で、なぜ刷新が必要なのかは記者会見を通しては見えにくかった。立候補の決意が「数日前」のため、具体的な公約はこれからという。
 いずれにせよ市民にとっては藤井市政の2期8年を振り返り、今後4年間の長浜市の舵取りを誰に任せるのか、熟考する貴重な機会としたい。

2017年12月27日 15:56 |


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