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外とう・えり巻、児童禁止。時代錯誤の傍聴規則

 7日の長浜市議会一般質問は、藤井勇治市長が3選を目指して立候補を表明するとあって、メディア関係者や市長支援者らで傍聴席が賑わったが、そこで議会事務局の職員が傍聴者に注意する光景に出くわした。「マフラーは禁止」「帽子は脱いで」「写真は撮らないで」というので、小生もマフラーを外すように指摘された。
 確かに室内でマフラーを外さないのはマナー違反かもしれないが、わざわざ指摘される程のことかと不思議に思った。ただ、職員は「長浜市議会傍聴規則」なるものに従って注意しただけだった。
 規則によると、傍聴人が守らなければならない事項として「帽子、外とう、えり巻の類を着用しないこと」とある。「外とう」とは防寒着を指し、辞書には「オーバー、マント、二重回し」などと記されているが、その古臭い表現から規則の作られた時代が香る。えり巻はマフラーのことであろうが、ストールやスカーフもこれに含まれるのかは知らない。なぜ、これらを禁じているのかは不明で、かつては滋賀県議会の傍聴規則にもこの一文があったが、議会改革の取り組みの中で「不必要な制限」などとして、削除された。
 このほか、市議会傍聴規則には「談論し、放歌し、高笑し、その他騒ぎ立てないこと」とも記されている。「放歌」とは「あたりかまわず大声で歌うこと」と辞書にある。大昔の議会の賑やかさがうかがえる一文でもある。
 また、市議会では本会議だけでなく委員会もインターネットで生中継するなど「開かれた議会」を目指しているが、傍聴規則では「写真」や「映画」の撮影、「録音」を原則として禁止している。この場合の「映画」とは動画のことを指すようだ。インターネットの生中継と録画中継により、いつ、どこでも議会を傍聴できるというのに、なぜ録音を禁じているのか理解に苦しむ。
 小生が最も時代錯誤な規則と感じたのは「児童及び乳幼児は、傍聴席に入ることができない」という一文。小学生が見学したり、乳幼児を連れた保護者が傍聴したりするのを原則として禁じ、傍聴するにはわざわざ議長の許可を得なければならない。先進的な地方議会が親子席を設けたり、ベビーベッドを備えたりしているのと比べても、時代遅れの規則ではないだろうか。少なくとも子育て支援策に熱心な長浜市の取り組みに逆行していると言えるだろう。
 ただ、長浜市議会に限らず多くの地方議会が何十年も前に国の指導に習って作った傍聴規則を、何ら疑問を持たないまま今も使っている。
 ちなみに、「議会改革度調査ランキング2016」(早稲田大学マニフェスト研究所議会改革調査部会)では長浜市議会は全国22位にランキングされている。こんな規則を残しているのに。

2017年12月08日 16:15 |


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