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子連れ議会

 熊本市議会の緒方夕佳市議が生後7カ月の長男を抱いて本会議に出席しようとしたところ、議員以外が議場に入ることは許されないとして、議長らに説得され断念。この様子はテレビをはじめ多くのメディアが報じることとなり、緒方市議の行動に賛否が出ている。
 緒方市議は育児と仕事を両立している女性が直面している課題を提起するため、以前から子連れでの出席を計画。議会事務局に相談していたが、ベビーシッターを雇うように言われたという。この日の子連れ出席は、議長や議会事務局に事前に連絡することなく、唐突だった。
 市議会の規則には子どもの同伴を禁じる項目はないが、議員以外は傍聴人とみなされ、「傍聴人は会議中いかなる事由があっても議場に入ることはできない」と定められている。結局、子どもは友人が預かり、議会は40分遅れで開会した。
 この緒方市議の行動については、職場に乳児を連れてゆくことを「非常識」として、批判する声が同性からも出ているが、一方で、ワーキングママが直面する課題を世に問うパフォーマンスだったとして容認する声もある。
 現実的選択は育児中の議員が議会に出席する場合は親族や友人、保育施設、ベビーシッターなどに子どもを預けることになろう。議員に限ったことではなく、自営業でもない限り、誰かしらに保育を頼むことになる。
 小生は週末のイベント取材などの場合、子連れで出かけることもあるが、さすがに議会の傍聴や記者会見に子連れで行こうなんて発想はない。とても仕事にはならないと考えているからだ。子連れで仕事ができる職場はきっと素敵だが、ケースバイケースだろう。
 世界に目を転じると、欧米では国会に幼児を連れて出席する女性議員がいる。議長から警告を受けたり、赤ちゃんが騒いだりと物議を醸すこともあるが、追い出されることはないようだ。例えばEUの欧州議会では、イタリア選出の女性議員リチア・ロンズーリさんは2010年に娘を出産し、生後6週間から子連れで議会への出席を続けている。「子どもを連れてくる場所ではない」「不謹慎だ」との批判にさらされながらも、欧州議会は彼女と子どもを追い出すことはしなかった。今では仕事と育児を両立させるリチアさんの姿はワーキングママのたくましさの象徴ともなっている。
 日本の議会も子連れ出席ぐらい認めれば良いのではないか。それはそれで子育てに寛容な国や自治体として注目されるであろう。育児に縁遠いオジサン議員に何らかの影響を与えるかもしれないし、子育て施策のヒントが見つかるかもしれない。もし、議会運営に支障を来たすのであれば、そこで対策を考えれば良いのだから。

2017年11月24日 16:45 |


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