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2人の英雄

 アフリカ南部に位置するジンバブエのムガベ大統領が軍のクーデターによって自宅軟禁状態に置かれている。背景には93歳のムガベ大統領の後継者をめぐる問題があるとされる。後継者は大統領のグレース夫人と側近のムナンガグワ氏の2人が有力候補となっていたが、ムナンガグワ氏が先週、副大統領を解任されたことで、同氏に近い国軍がクーデターを主導したとされる。
 目下、国軍が大統領に辞任を求めているが、40年近くにわたって独裁政権を維持してきたムガベ大統領が応じる気配はないそうだ。
 ジンバブエは第1次大戦後にイギリスの植民地「南ローデシア」となり、第2次大戦後は白人至上主義の「ローデシア共和国」として独立した。ムガベ大統領は白人政権による人種差別政策に対抗する黒人闘争を主導し、1980年の総選挙で大勝。ジンバブエ共和国の初代首相を経て大統領に就任後は、権力の集中、政敵の弾圧で独裁政権を築いた。
 経済政策については白人農場の強制収用など経済の根幹を支えてきた白人を排除する過激な政策を打ち出したことで大混乱に陥った。100兆ジンバブエドル札を発行するほどのハイパーインフレに見舞われた金融政策の失敗は有名。「暴君」「独裁者」として、その国際的評価は著しく低いが、「孔子平和賞」に選ばれるなど一部の国には評価されている。
 時期を同じくして、南アフリカ共和国でアパルトヘイトと戦った人物にネルソン・マンデラ氏がいる。反逆罪で27年間もの獄中生活を余儀なくされたが、総選挙で大統領に就任した後は、アパルトヘイト政策の下で対立することとなった民族や宗教の融和・協調に心を砕いた。人種差別との決別、国民の融和を進めるため、青、赤、黄、緑、白、黒の原色に彩られた新国旗を制定したのが象徴的だった。マンデラ氏は権力にしがみつくことなく、たった5年で大統領を引退し、4年前に亡くなった際にはその追悼式に各国の大統領や皇族が参列。日本からも皇太子が出席された。もちろんノーベル平和賞など国際的にも評価されている。
 白人政権による差別政策と戦った黒人の英雄がなぜにこうも違う道を歩むことになったのだろうか。

2017年11月17日 16:29 |


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