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敵失の衆院選

 選択を誤った—。民進党から希望の党へ合流しながら、小池旋風どころか逆風にさらされ、結局は落選した前職はそう思っていることだろう。24日の民進党参院総会で前原誠司代表の辞任を求める声が出たのは当然だ。民進党の衆院議員は希望、立憲民主、無所属に分裂し、参院の民進党を含めると「4分裂」した。その後始末の行方は見えない。
 民進党前職の80人のうち、44人が希望の党から立候補したが、当選したのは25人。当選率は57%だった。一方、希望の党から排除されるなどして無所属での立候補を余儀なくされた21人は18人が当選し、当選率は86%。そしてリベラル派の立憲民主党を結成した戦った15人は100%の当選率で、全員が再び国会に戻ることとなった。
 鳴り物入りで登場した希望の党が失速した原因は「改革保守」の看板を掲げながら、安保法制に反対した民進党出身者の多くを受け入れ、自民党に代わる保守勢力を求めていた有権者の不審を招いたことによる。選挙期間中、希望候補者が有権者に「お詫びと説明」を余儀なくされている様子に、まともに戦える状態でないまま選挙に突入したことを実感した。
 一方、「筋を通した」などと褒め称えられる立憲民主党だが、希望に「排除」された弱者に対する有権者の「判官びいき」の向きもある。とりあえず野党第1党となったが、リベラルであるがゆえに国民の広範な支持を受けて政権選択の一翼を担えるような政党に成長できる可能性は低いと考える。安全保障政策を含め今の日本が立たされている国際環境を考えると、より現実的な選択が求められるからだ。
 民進党組織は参院や地方に残っている。この後始末をどうするのか。どうせゴタゴタしているのだから、この際、それぞれの政治信条に従って、改革保守とリベラルにはっきりと二分したほうが、未来ある野党につながるのではないだろうか。
 さて、今回の選挙で滋賀県民はどの政党を支持したのだろうか。小選挙区は候補者が限られるため、自民党が全勝したが、比例代表の得票率を分析すると、自民党の圧勝とは言えなさそう。
 比例代表の得票率は自民35・6%、立憲民主17・5%、希望17・0%、維新11・2%、公明8・6%、共産8・3%、社民1・3%、幸福実現0・5%という具合で、自公の与党で4割強の得票を集めた。一方、改革保守の希望と維新は合わせると約3割、リベラルの立憲民主、共産、社民は3割弱。つまり、与党と、改革保守野党と、リベラル野党それぞれの支持率をざっくり区切ると4対3対3。有権者の思いはいろいろだ。
 4選を果たした自民党の上野賢一郎氏が「野党の皆さんの混乱の状況を見て、消極的に票を投じてくれた方も多いと思う」と感じたように、離合集散ばかりの危なっかしい野党よりも自公政権による安定を、有権者は選んだ。
 「敵失」により自公が議席の3分の2を占めることとなった国政運営。憲法改正を悲願とする安倍首相には大きなチャンスだ。70年間、神聖視して手を付けることがなかった憲法を今の時代に合ったものにするため、政治主導で国民的議論を巻き起こすことを期待したい。

2017年10月25日 15:39 |


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