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与党利する野党分裂

 衆院選は中盤を迎える。滋賀2区(長浜、米原、彦根市など)は自民党の上野賢一郎候補がリードし、民進党から希望の党へ鞍替えした田島一成候補が遅れを取っている感がある。後に続くのは「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」事務局長で無所属の対月慈照候補。そして、幸福実現党の荒川雅司候補は独自の戦い。
 大手メディアの序盤情勢の分析では、定数465議席のうち、自民党は単独で過半数を上回り、自公で300議席をうかがう勢いだ。一方、改革保守として期待を集めた希望は伸び悩み、60議席前後に留まる。以下、立憲民主、維新、共産、社民などと続く。
 現状では「自民一強」が維持される見込みだが、この原因は台風の目と見られた希望の党の失速だろう。改革保守の看板を掲げながら、リベラル政党の民進党の前職が顔を並べ、「看板に偽り有り」と国民に見抜かれてしまった。また、「打倒安倍政権」のために小異を捨て大同につく信念で民進党全体を受け入れるのならまだしも、重鎮やリベラル色の濃い面々を中途半端に排除して、立憲民主党の結成を招き、政権批判票の分散を招いた。野党の混乱で、自民党は何もせずに漁夫の利を得ることとなる。自民党候補が「政界が混乱しているとよく言われる。しかし、混乱しているのは野党だけ」と指摘する通りだろう。
 こんなことになるのなら、希望の党に合流せずに民進党で戦ったほうが良かったとの恨み節も聞こえてきそうだが後の祭り。党の政策や自説を愚直に訴え、有権者を振り向かせるしかない。
 選挙のたびに繰り返される野党の離合集散にそれぞれ大義はあるのだろうが、保身と打算、そして、ご都合主義の議員もいることは論を待たない。
 今回、引退を決めた亀井静香氏もその一人かもしれない。衆院議員13期のベテランで、村山内閣(自社さ)で運輸大臣、橋本内閣(自)で建設大臣を務めた重鎮だが、郵政民営化を巡って当時の小泉首相と対立して自民党を離党。国民新党を結成して代表に就任し、民主党政権下の鳩山内閣では内閣府特命担当大臣(金融担当)となった。その後、消費税増税を巡って国民新党の代表を解任され、「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」を結成するも、1週間を待たずに「日本未来の党」に合流。未来の党の解体後は「みどりの党」に参加。そこも間もなくして解散となった。ついに所属する政党がなくなり、3年前の衆院選では無所属で立候補し、何とか13回目の当選を果たした。そして、「一緒にやっていく相棒が見つからない」と引退を表明した。その彼が今年7月、週刊誌のインタビューにこう答えていた。「有権者がアホだから、アホな政治家しか出てこない」と。噛み締めたい言葉ではある。

2017年10月13日 15:54 |


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