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国民の武装認める憲法

 屋外コンサート会場で58人が死亡、約500人が重軽傷を負ったアメリカ史上最悪のラスベガス銃乱射事件。容疑者の64歳の男は会場から約400㍍離れたホテルの32階の客室から自動小銃で観客を無差別に銃撃した。
 たった1人の男の狂気によってこれだけ多くの犠牲者が生まれるのは、殺傷能力の高い銃が広く流通しているアメリカの銃社会という特殊事情によることは論を待たない。
 銃乱射事件が起こるたびに、銃規制の声は挙がるものの、同国最大のロビー団体である全米ライフル協会の圧力もあり政治は効果的な対策を打てないでいる。何よりアメリカでは銃の所持は国民の権利とされているから、銃規制を支持する国民が決して多数派を占めているわけではないそうだ。
 アメリカがイギリスからの独立戦争に勝利して間もなくして誕生した合衆国憲法。1791年に追加された条項「合衆国憲法修正第2条」には「規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない」と記されている。つまり、憲法が国民の武装を認めているわけだ。
 しかし、その国民が戦場で使われるような殺傷能力の高い武器を所有できることで、今回のような大惨事を繰り返してきた。保守派は憲法に依拠して銃規制に反対しているが、独立戦争が終わって間もない時代の民兵を想定した条項を、現代に適用させようというのは違和感を覚える。
 米国には約3億丁もの銃が出回っているという。銃刀法で銃の所持を厳格に規制する日本では考えられないことだが、国民1人1人が銃を手に持ち戦争で独立を勝ち取ったアメリカでは、日本に比べると個人の自由や自律へを尊重する。自分の身を守るのは、政府や警察でなく、自分なのだ。そういう思考が米国に広く根付いているとすれば、米国での銃規制の厳格化は期待できない。

2017年10月06日 15:43 |


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