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新党は旗幟鮮明に

 風雲急を告げる解散・総選挙。関東では小池百合子東京都知事の影響下にある新党が台風の目となり、他党から続々と政治家が集まっている。
 衝撃的だったのは自民党の福田峰之内閣府副大臣の合流。現職の副大臣が離党するなんて「前代未聞」のことだ。とはいえ、この福田氏は神奈川8区を選挙区とし、2005年の初当選以来、いずもれ民進党の江田憲司氏に敗れ続け、これまでの当選3回は比例区での復活だった。ゆえに、新党合流は新党への共感というより、自らの選挙事情ということだ。
 また、「日本のこころ」の中山恭子代表(参院比例)も新党の参加への意向を示しているという。このほか、民進党の松原仁元国家公安委員長も離党し、新党への参加を表明した。
 支持率が低迷し続ける民進党からの合流組は、沈みかけた船から逃げ出したと見ることができるし、自民党からの合流は選挙区の事情だろう。7月の都議選の結果を見ると、自民党の現職議員が震え上がるのも理解できる。だが、いずれも国会議員としての身分を維持するための防衛策であり、有権者はその行動に疑問符をつけているかもしれない。
 そもそもこの新党は自民や民進、共産党などと、どこが違って、どのような政策と理念を掲げるのか、まだ不明だ。自民党に対する姿勢や距離感をどう取るのか、旗幟が鮮明でないまま、政治家が続々と集っている。「政治は数」とは言うものの、右から左まで希望者を拒むことなく受け入れるのであれば、単なる選挙互助会と有権者に見透かされる。
 2012年の衆院選。小沢一郎氏に口説かれた元滋賀県知事の嘉田由紀子氏が党首となって「日本未来の党」を結成した。「国民の生活が第一」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」「みどりの風」など小さな左派系の政党が合流したが、結成当初から選挙互助会などと揶揄され、現有61議席を9議席へと激減させる大惨敗を喫した。嘉田氏は小沢氏によって排除されて、日本未来の党は約1カ月で姿を消した。
 選挙のたびに野党が離合集散し、「第3極」なる政党の興亡が繰り返され、結果として野党の衰退、自民党の一強につながった。新党が自民一強の国政に新鮮な空気を送り込むことを期待せずにはいられないが、自民党でもない、民進党でもない、第3の受け皿としてどこまで機能するのか。まずは旗幟を鮮明にすべきだろう。

2017年09月25日 16:32 |


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