滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



ライバルがいてこそ

 彦根市出身の桐生祥秀選手(21)=東洋大4年=が9日に福井県営陸上競技場で行われた日本学生対校選手権100㍍決勝で9秒98の日本新記録を叩き出し、日本人初となる9秒台を達成した。
 桐生選手は洛南高3年の2013年に10秒01を記録し、話題を集めた。その後、米国で9秒87をマークしたものの、追い風参考記録のため、公認記録での9秒台には届いていなかった。
 4年半近く9秒台への壁を破れず足踏み状態が続き、その間、ライバルが次々と台頭した。今年7月の日本陸上競技選手権では、サニブラウン・ハキーム選手、多田修平選手、ケンブリッジ飛鳥選手に次ぐ4位となり、世界陸上選手権では100㍍の代表落ちという辛酸を舐めることとなった。
 日本人初となる9秒台への期待を一身に背負い続けてきた桐生選手の精神的プレッシャーは凡人の想像を絶することだろう。大会で10秒0台の好タイムであっても9秒台を期待する観衆からため息が漏れることもあったそうだ。
 そんな重圧を跳ね除けての偉業達成は、桐生選手の肉体と精神の強靭さに加え、ケンブリッジ選手やサニブラウン選手らライバルの存在も欠かせなかったのではないだろうか。
 9秒台をマークした歴代選手は桐生選手で126人。その多くがアメリカやジャマイカなど北中米に集中し、歴代1位は誰もが知るウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)の9秒58。アジア勢はたったの4人だ。
 今後、桐生選手がコンスタントに9秒台をマークできるかが注目されるが、同時にライバルが奮起し、日本の短距離界が盛り上ることを期待したい。3年後に迫った東京五輪。陸上男子100㍍決勝のスタートラインに桐生選手だけでなく複数の日本人が立っていることも夢ではない。

2017年09月11日 15:18 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会