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メンデルの法則

 植物学者でもあったオーストリアの修道師がエンドウ豆の交配実験から導き出した遺伝の法則を、修道師の名前をとって「メンデルの遺伝の法則」と呼ぶ。
 メンデルは実験で、黄色と緑色のエンドウ豆を交配させたところ、すべて黄色のエンドウ豆が出来た。しかし、次の世代は3対1の割合で黄色と緑色のエンドウ豆が出来た。この実験からメンデルは遺伝特徴を顕在化させる優性遺伝子、潜在化してしまう劣性遺伝子があることを仮定した。
 一般に優性遺伝子を英語の大文字、劣性遺伝子を小文字で表す。対となる染色体を「AA」と「aa」と仮定して交配させた場合、子は「Aa」「aA」のとなり、いずれも優性遺伝子「A」の特徴が顕在化する。さらに、子の世代同士を掛け合わせると孫世代は「AA」「Aa」「aA」「aa」の4パターンが出現し、4分の1の割合で「a」という親世代の特徴が顕在化するわけだ。
 遺伝学会で長年、懸案となっていたのは「優性遺伝子」「劣性遺伝子」との表現だ。これはメンデルの遺伝学の訳語として使ってきたが、優性遺伝子が劣性遺伝子に比べて優れているとか、またその逆に劣性遺伝子が優性遺伝子に劣っているわけではない。単に遺伝特徴が顕在化するか、潜在化するかの違いだ。
 しかし、その語感から誤解する人が少なくなく、例えば「劣性遺伝病」などと診断されれば、マイナスイメージを感じてしまう。
 この問題については、今春で退任した長浜バイオ大の三輪正直前学長が3月の最終講義の際にも、言い直す必要があると提言していたところだが、日本遺伝学会は先日、優性を「顕性」、劣性を「潜性」と言い換えることを明らかにし、新たな用語集を出版することになった。この実態に則した言い換えに、遺伝学界の長年のもやもやも晴れるだろうし、誤解を解くことにつながる。
 ちなみに人間の血液型もメンデルの法則に従って遺伝する。A型の遺伝子型は「AA」と「AO」、B型は「BB」と「BO」、O型は「OO」、AB型は「AB」のみ。以上から「A」「B」が「顕性」(優性)、「O」が「潜性」(劣性)であることが分かる。両親のどちらかがAB型ならO型の子が生まれることはない。また、両親がともにA型ならB型やAB型の子は生まれないし、両親がO型なら子も必ずO型となる。これらの法則に合わない場合は…、血液検査のミスなどが考えられる。

2017年09月08日 16:08 |


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