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五輪開催地の囲い込み

 東京がトルコのイスタンブール、スペインのマドリードと競った2020年五輪の招致。振り返ると、立候補時の五輪経費は総額7340億円で、カネをかけない「コンパクト五輪」がうたわれていた。しかし、その後、国立競技場の建設費が当初の1300億円から一時3000億円にまで膨らむなど、五輪経費はうなぎ登り。五輪見直しを訴えた都知事選では小池百合子氏が「1兆、2兆、3兆とお豆腐屋さんじゃない」と、その丼勘定ぶりを批判していたのが印象に残っている。結局、組織委員会が精査したところ、総費用は1兆6000億〜1兆8000億円にのぼる見込み(昨年12月時点)で、立候補時の倍となった。
 毎回、国を挙げての招致合戦が繰り広げられる五輪だが、最近は巨額の財政負担への不安から招致を断念する都市が相次いでいる。2024年の五輪招致ではドイツのハンブルクが住民投票で賛同を得られずに脱落したし、イタリアのローマ、ハンガリーのブタペストも撤退した。残すはパリとロサンゼルスだけ。
 招致合戦からの撤退に危機感を抱いているのは国際オリンピック委員会(IOC)だ。過去にはダークマネーが飛び交うほどの熾烈な招致運動があったが、このままでは立候補する都市の確保も難しい。このため7月11日に行われたIOC臨時総会では、この9月の定期総会で24年大会の開催地に加え、28年の開催地も一緒に決めることを全会一致で承認した。パリとロサンゼルスの2都市を24年と28年の開催地として確保したいとの思いがにじみ出ている。ようは囲い込みである。
 経費の肥大化にストップを掛けるのが「コンパクト五輪」を掲げた東京の役割だった。しかし、それは叶わなかった。その東京の姿に、世界の主要都市が五輪に対する財政不安を感じ、次々と撤退する事態となっている。コンパクト五輪への転換を実現できなかった東京の責任は小さくない。

2017年07月28日 16:01 |


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