滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



情報技術の進歩

 買い物客が自分で清算する「セルフレジ」は、スーパーですっかり定着している。かごに入った商品を手に取ってバーコードを読み取り機にかざし、現金やカードで会計を済ませる。子連れの家族が楽しみながら利用する姿も珍しくない。スーパーの買い物で、客が最もストレスに感じるのがレジの待ち時間だそうだ。清算をいかにスムーズに済ませるのかが、店側の課題となる中、セルフレジは待ち時間の解消に大きく貢献している。
 コンビニエンスストア各社でも無人レジの導入を試験的に進め、将来は全店舗で無人化を目指している。人手不足が深刻な中、業務の効率化につなげる狙いだ。こちらはバーコードを読み取るスーパーのセルフレジと異なり、商品にICタグを取り付ける。買い物かごに商品を入れたまま瞬時に会計できるのが特徴で、目下、ICタグの開発が急がれている。
 情報技術の進歩がセルフレジの導入を後押ししているが、自動化は小売店だけの話ではない。長浜市が整備を計画している新しい中央図書館では、セルフ貸出・返却が実現する見込みだ。従来のバーコードでの図書管理に加え、図書にICタグを取り付けることで、貸出・返却業務の自動化を図れるそうだ。現状では1冊ずつバーコードを読み取る必要があるが、ICタグなら10冊程度を一度に処理できる。セキュリティーゲートを設けることで、無断持ち出しも防止できる。
 特に効率的なのは蔵書点検。いわゆる「棚卸し」だ。現状は書架から1冊ずつ取り出してバーコードを読み取る必要があり、この作業のために年間、全館で延べ30日が必要となる。しかし、ICタグの場合は、ハンディリーダーを書架の棚にかざすだけで瞬時に読み取ることができ、労力は10分の1程度という。これら業務の効率化・省力化により、図書館職員は利用者の調べ物のお手伝いやフロアサービスの充実、企画や特集に傾注できることとなる。
 技術の進歩で、単純作業はどんどん自動化されている。遠くない将来にはAI(人工知能)の進化により、少なくない職場で人間の仕事がAIに取って替わられるという見方もある。すでに日経新聞は企業の決算記事などをAIに執筆させている。技術革新による自動化・省力化は今後も加速し、ますます便利な世の中になるだろう。だが、人が人に接し、心を通わす、人間にしかできないサービスの必要性は、かえって高まると信じていたい。

2017年07月21日 16:55 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会