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人生の辛苦とハス

 布勢町の休耕田で花を付けたハス。今は試験栽培の段階だが、NPO法人つどいの川村美津子理事長によると、すでに3㌶での苗の植えつけが終わっており、順調に生育すれば、来年にも花をつけることとなりそうだ。
 NPO法人ではハスを香水の原料や食材として活用しようと、市内の酒造メーカーやホテル、料亭などに協力を求め、商品化を模索している。ゆくゆくは地域住民が栽培や収穫に携わり、地域起こしにつなげたい考えだ。
 いずれ山裾の棚田一面にハスの大輪が咲き乱れる様子を想像すると、このプロジェクトの成功を願わずにはいられない。
 さて、ハスは仏教と縁が深い神聖な植物として知られる。寺院の池によく植えられているし、お釈迦様の台座ともなっている。ハスは泥水の中で成長し、そして美しい花を咲かせる。仏教ではこの泥水を人生の辛苦、または汚れた世間と解釈するそうだ。様々な困難や苦しみ、悩みなどに直面し、それらを経験して開花する。つまり、不浄である泥の中から茎を伸ばし、美しい花を咲かせるハスの生態は、仏教の教えに合致するわけだ。
 仏教に縁の深い植物はハスだけではない。例えば平家物語に登場する「沙羅双樹」は釈迦が入滅したときに四方にあったとされる。沙羅はインド原産のフタバガキ科の植物で、日本では育たないことから「ナツツバキ」で代用されている。そのナツツバキは一日花。朝、美しく清楚な花を咲かせ、夕方に落ちてしまうことから、仏教の無常観のシンボルでもある。
 また、4月8日のお釈迦様の誕生日には仏像に甘茶を掛ける風習がある。「甘茶」だからと言って、砂糖が入っている訳ではない。「アマチャ」というアジサイ科の植物を煎じた飲み物で、お釈迦様の生誕時に産湯に甘露を注いだという故事に由来する。

2017年07月07日 17:04 |


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