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有権者の冷徹な鉄槌

 小池百合子知事による都政刷新に期待するというよりも、傲慢な自民党に有権者が冷徹な鉄槌を下したとみるべきだろう。
 東京都議選(定数127)は、小池知事率いる地域政党「都民ファーストの会」が55議席と躍進し、第一党へと躍り出た。連携する公明党(23議席)と合わせて過半数を奪取し、小池都政は盤石となった。自民党は改選前の57議席から23議席へと激減し、歴史的惨敗を喫した。
 都民ファーストの躍進と自民の大敗は、森友学園、加計学園問題に関する疑惑や国民の疑問に政権が真正面から応えようとしない「傲慢さ」に、有権者が拒否反応を示したことが主因だろう。加えて、手堅い集票能力を持つ公明が連携先を自民から都民ファーストへ切り替えたことも一因だ。
 傲慢な自民にお灸を据えたいと思ったところに有力な選択肢として都民ファーストが登場し、批判票の受け皿となった。言わば自民党の自滅だ。敗れた自民候補からは国政への恨み節が相次ぎ、安倍首相は今朝「選挙戦は厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」と語った。
 国政では野党第一党の民進党は18人いた現職が選挙前に次々と離党して7人にまで減り、都議選ではさらに5人となった。一時は議席ゼロとの予想もささやかれただけに、党執行部は胸を撫で下ろしているかもしれないが、首都でのこの惨状に、民進が国民から野党として期待されていないことがより鮮明になった。
 さて、東京都議選が「統一地方選挙」から外れてこの時期に行われるのは、過去に議会解散があったからだ。1965年、議長選をめぐって都議の間で賄賂が飛び交っていることが明るみになり、「黒い霧事件」として有権者の批判が高まった。結果、都議会解散のリコール運動により追いつめられた自民が都議会の解散を余儀なくされた。その直後の都議選では自民は前回の69議席から38議席へと惨敗し、都議会刷新を訴えた社会が45議席で第一党に躍り出た。
 記憶に新しいのは国民の間で政権交代への気運が高まっていた2009年の都議選。この時も自民は38議席と惨敗し、民主が54議席と躍進。2カ月後の衆院選で民主政権が誕生した。そして2013年の都議選では有権者が民主に愛想を尽かした結果、自民が59議席と大躍進。第2次安倍政権誕生の予兆となった。
 このように過去の都議選を振り返ると有権者はその時々で冷徹に投票行動という「風」を起こしてきた。今回、小池知事の吹かした風に乗った都民ファーストの当選者は、初心者の集まりでもある。都民の期待に応えなければ、4年後、有権者に鉄槌を打たれるだろう。
 また、国政では自民批判の受け皿となりうる政党が不在なのが、自民の傲慢を助長する原因ともなっている。国民の期待に応える野党の新設、再編が不可欠ではないだろうか。

2017年07月03日 16:45 |


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