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キッズウイークと働き方改革

 政府は新たな大型連休「キッズウイーク」の創設を計画している。学校休業期間の一部を別の期間に移すというアイデアで、例えば夏休み最後の1週間を秋の行楽シーズンに振り分ける。振り分けについては、小中学校は市町村単位で、高校は都道府県単位で定めることになりそうだ。来年4月の導入を目指している。
 大型連休というと、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始ぐらいだが、この時期は宿泊費も交通費も高騰し、おまけに高速道路は渋滞する。このシーズンの観光やレジャーに、ついつい及び腰になるのが世の大人たちの共通認識だろう。
 キッズウイークによって大型連休が地域ごとに分散されれば、家族で旅行しやすくなり、個人消費の向上、観光産業の振興につながると、政府はそろばんを弾いている。
 大型連休を分散させるこのアイデアは、おそらくフランスやドイツなどを参考にしたものだろう。これらの国でも旅行シーズンが集中しないように、大型連休を地域ごとに分散させている。課題なのは大型連休を分散させたところで、親が休みを取れるのかという点だろう。フランス人やドイツ人は「旅行のために仕事をしている」と言って過言ではなく、有給休暇の取得率はほぼ100%だ。
 一方の日本は人手不足や職場風土から有給休暇の取得率は50%程度で、他の先進国に比べて低い。ゆえにキッズウイークのアイデアは間違っていないが、政府の狙いどおりに観光需要を喚起するには、日本企業の労働環境と日本人の労働意識の変革を待たなければならない。
 プレミアムフライデーにしろ、キッズウイークにしろ、行き着くところは働き方改革だ。政治家やお役所の音頭に、日本の企業と労働者が対応できるのか、という点に尽きる。特に雇用の4割を占める非正規従業員にとっては休暇の増加は収入減に直結するし、中小零細企業は常に人材不足にあえいでいる。
 「ワーク・ライフ・バランス」なる言葉は定着しつつあるものの、欧米人からすれば、まだまだ日本人は仕事漬け。「子どもがキッズウイークに入るので、1週間休みますね」—。そんな話が職場で気軽にできる環境が遠くない将来に実現することを期待したい。

2017年06月26日 19:01 |


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