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きょうようときょういく

 スギ薬局は元気なお年寄りに店舗での商品陳列の仕事を任せる制度を設計し、一部店舗で試行している。65歳以上の健康な人を対象に、勤務日や時間を自由に決めてもらい、好きな時に好きなだけ働いてもらう。作業スピードは問わず、作業量に応じて報酬を支払う仕組みで、今後、実施店舗を拡大してゆくという。以上は、9日の中日新聞が伝えていた。
 日本人の平均寿命は83・7歳で世界有数の長寿国だ。医療の進歩や食生活の充実で健康寿命も延び、日本老年学会などは今年1月、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上へと引き上げて、就労やボランティアなど社会参加を促すべき、と提言している。このような提言が出される背景には、少子化によって減少する若い労働力を補完するために、元気な高齢者に社会を支える側に立ち続けて欲しいとの願いが込められている。
 スギ薬局の取り組みは高齢者の仲間作り、生きがい作りにつながると同時に、人手不足の解消にも寄与する働き方として注目したい。
 平均寿命から考えても、定年退職後に訪れる20年間ものセカンドライフをどのようにして有意義に健康に過ごせば良いのだろうか。そのヒントとして「きょうよう」と「きょういく」という言葉を聞く。これは「教養」と「教育」ではなく、「今日用」「今日行」のことで、「今日すべき用事」があり、「今日行くべき所」が必要という意味だ。朝起きて、することがなく、行く所もない、というのでは頭も体も劣化してしまう。有り余る時間、自由な時間があるからこそ、セカンドライフの設計が欠かせない。
 東大高齢社会総合研究機構特任教授の秋山弘子さんはセカンドライフを4つの要素で考えるようにアドバイスしている。「働く」「学ぶ」「遊ぶ」「休む」だ。働くことで生きがいを見つけ、学ぶことで人生を豊かに。そして旅行やレジャーで遊ぶ。それでいて体の衰えに合わせてしっかりと休む。60代なら週4日働き、学びと遊びで各1日、そして1日を休む。
 少子高齢化と人口減少に突入している日本社会を支えるのは現役世代だけでなく、生きがいを持った元気な高齢者だ。

2017年06月09日 16:37 |


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