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受動喫煙対策の行方

 厚生労働省が目指す飲食店での受動喫煙対策は、自民党によって後退しそうな気配だ。
 厚生労働省は東京五輪をめどに、飲食店などでの喫煙を原則禁止とする健康増進法改正を目指している。改正案では小中高校、医療機関は敷地内のすべてを禁煙とし、大学、官公庁などは屋内禁煙。飲食店、ホテル、駅などは禁煙とし、喫煙室の設置を認める。一方で、床面積30平方㍍以下の小規模のバーやスナックなどは、妊婦や未成年者の利用が想定しにくいとして規制の対象外としている。
 一方、最近明らかになった自民党案は、飲食店の場合、一定面積以下であれば業態に関係なく、「喫煙」や「分煙」を表示すれば、喫煙を認めるもの。「一定面積」がどれほどの面積を指すのかは明らかになっていないが、厚生労働省案の「30平方㍍」を上回ることが想定され、受動喫煙対策が後退することを意味している。
 「世界最低レベル」と酷評される日本の受動喫煙対策は、東京五輪を機に世界標準に近づくと期待されたが、厚生労働省案と自民党案の溝をどう埋めるのか、安倍政権の覚悟が問われている。
 そんな中、小池百合子東京都知事が公共施設や飲食店の屋内を原則禁煙とする条例を検討していることを明らかにした。7月の都議選に向け、小池都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」の公約に盛り込む方針だ。
 過去には舛添要一都知事が東京五輪を見据えた禁煙条例の制定を訴えたが、自民党都議連の猛反発を受けて霧散したことがある。もし、今度の都議選で禁煙条例の制定の是非が争われるのならば、これほど分かり易い争点はなく、国内の受動喫煙対策に大きな影響を及ぼすことになる。
 自民党案がまとまったこのタイミングで禁煙条例の制定を持ち出す点に、小池都知事のしたたかな選挙戦略がうかがえるが、望まない受動喫煙を防ぐために条例や法律でどこまで規制すべきなのか、有権者に問う良い機会となるのではないだろうか。

2017年05月12日 17:06 |


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