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既存政党への不満

 23日の彦根市長選は保守系や民進系の国会議員、県議、市議のほか、連合滋賀の支援を受ける現職の大久保貴氏が新人の2人に大差を付けて危なげない勝利を飾った。
 今後、新体育センターや金亀公園、図書館、ごみ焼却場の整備など大型公共事業が目白押しとなることから、対立候補の2人は財政危機を訴えた。2人の得票は計1万9476票で大久保氏の1万5311票を上回り、市民が市財政に不安を抱き、注視していることがうかがえる。
 大久保氏の勝因は知名度と組織力によるが、戦後2番目に低い投票率(39・16%)も組織票を持つ大久保氏に有利に働いたとみられる。その点、同級生ネットワークを中心とする選挙戦を展開した田原氏が8630票も獲得したことは既存の政治家への不満が、市民の間に潜在していることをうかがわせている。
 有権者の6割が棄権した今回の市長選。市民が市政に関心を持っていないのか、魅力的な候補がいないのか、誰がやっても同じと思っているのか。いずれにせよ市民が政治に無関心なのは、政治家に責任なしとは言えまい。
 さて、23日はフランス大統領選の投票があった。主要5候補のうち、EUの結束強化を呼びかける中道派・マクロン氏と、EU離脱や移民排斥を訴える極右・ルペン氏の上位2人が、5月7日の決戦投票で一騎打ちを迎えることになった。
 マクロン氏は元銀行員で、既成政党とは無縁の独立派無所属、ルペン氏は「国民戦線」の党首で、2人ともフランス国政の本流からは程遠い存在。2人による決選投票は事前の世論調査で予想されていたこととは言え、中道右派「共和党」と与党「社会党」(オランド大統領が所属)の2大政党があっけなく敗れたことは衝撃だ。日本で例えると、自民党と民進党が敗れて、第三極の党首同士が国政トップをかけて争う構図だ。
 地元メディアは世論調査の結果から決選投票ではマクロン氏の圧倒的勝利を予想しているが、イギリスの国民投票でのEU離脱決定、アメリカのトランプ大統領誕生では世論調査の結果が外れた。ただ、移民排斥などを訴える極右の党首が決選投票に進むこと自体、自由や博愛、平等を掲げる人道主義国家フランスの地殻変動を印象付ける。
 公然と移民排斥が語られるこの変動がEU各国に波及している事実は、世界のグローバル化によって人、モノ、情報が国境を飛び越え、国際情勢に既存の政治が対応しきしれていない現実を示しているのではないか。

2017年04月24日 15:35 |


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