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曳山まつりと観光

 全13基が出場した長浜曳山まつり。本日の15日は晴れたり雨が降ったりと不安定な天候となったが、御旅所に全基が勢揃いした夜、雨はすっかり上がり、提灯の明かりに照らされた幻想的な舞台で、子ども役者が艶っぽい演技を披露した。
 曳山まつりのユネスコ登録、そして土曜日ということで、市街地は観光客でごった返していた。これだけの観光客で賑わうのは近年には例が無いのではないか。初めて曳山まつりを見に来たという長浜市民にも何人か出会った。
 14日夜に行われた「役者夕渡り」。長浜八幡宮から役者がそれぞれの地元へ練り歩くその行事に、横浜と京都からのお客さんを案内した。2人が驚いていたのは役者との距離の近さだった。横浜や京都などの大都市でこれらの行事を開催しようものなら、見物客で溢れ返り、規制のロープが張られて、遠くから役者を眺めることになりそうだと。
 岐阜県高山市では14、15日に高山祭が開かれ、2日間で21万人の人出で賑わったが、あの小さなカラクリ人形よりも、長浜の子ども役者の演技の方が比較にならないほどの観光ポテンシャルを秘めていると、地元贔屓ながら小生は思っている。ゆえに、曳山まつりの魅力を国内外に積極的に発信してもらいたいと常々思ってはいるものの、観光客にとっては今の規模で賑わうことが理想なのかもしれない。確かに長浜八幡宮での奉納でも、商店街の通りでの公演でも、目の前で子ども歌舞伎の迫力を楽しめる。
 さて、山本幸三・地方創生担当大臣が16日、大津市で行われた県主催の地方創生セミナーで、文化財の観光活用を念頭に「一番のがんは文化学芸員。観光マインドがまったく無く、一掃しないとだめだ」などと発言し、すぐさま撤回・陳謝するはめになった。
 有形、無形の文化財は、外国人観光客を取り込もうとする国や自治体にとっては、絶好の材料となる。しかし、観光のための文化財の活用と、文化財保護のバランスを、どのように取るのかは非常に難しい。これは長浜曳山まつりにも当てはまる課題で、曳山まつりの伝統を守りながら、市の観光振興にどの程度、協力してゆくべきなのか。ユネスコ無形文化遺産登録で国内外への発信力が高まった今、まつりをどのように保存・伝承し、観光振興に生かすのか、胸襟を開いて議論する場が欲しいところだ。

2017年04月17日 16:05 |


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