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2017年04月26日

上手に叱る温かさ

 26日付の朝日新聞の「小さないのち」の連載に目が止まった。兵庫県内の県立高校の男子生徒の自殺に対する男性教諭の苦悩と対処を描いた記事だった。
 生徒は前年にテストで友人のカンニングに協力したとして無期限の謹慎処分(実際は7日間)を受けていた。そして、今度は喫煙が発覚し、校長や教頭、そして生徒指導部長だった男性教諭から叱責され、再び無期限の謹慎処分を受けた。その夜、生徒は自宅を出て命を絶った。
 男性教諭は「上手に叱る温かさがなかった」と悔やみ、生徒指導の改善を職員会議で提案した。謹慎処分の「無期限」を「当分の間」としたり、生徒への聞き取りは1時間以内、行き過ぎた指導にならないように複数の教員であたったりと配慮するようになった。「子どもは失敗しながら成長する。やり直す機会を与えることが大切」と語っていた。
 子どもは親を選べないと同時に、教師も選べない。どんな親の下で成長するのか、学校でどんな教師に出会うのかで、子どもの将来は左右される。教育の基本は家庭にあるが、近年はその家庭の教育力の劣化が指摘されるところであり、ネグレクト(育児放棄)も珍しくない。不幸な家庭環境が問題行動や不登校につながっているケースも少なくない。
 もしも、子どもが親からも教師からも愛情を感じず、「頼れる大人がいない」と悩み、その挙句、問題行動や不登校に至っているとすれば、どんなに不幸なことだろうか。
 記事では「子どもへの理解や手法を間違うと追い詰めてしまう」と学者の指摘を紹介し、問題行動そのものを追及するのではなく、背景にある子どもの悩みを解決することを説いている。これは教育のテクニック論に過ぎないが、親や教師、そして地域の大人が子どもに愛情と関心を持ち、「ちゃんと見守っているよ」という心の温かさを伝えることが、子どもの成長に欠かせない。

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2017年04月24日

既存政党への不満

 23日の彦根市長選は保守系や民進系の国会議員、県議、市議のほか、連合滋賀の支援を受ける現職の大久保貴氏が新人の2人に大差を付けて危なげない勝利を飾った。
 今後、新体育センターや金亀公園、図書館、ごみ焼却場の整備など大型公共事業が目白押しとなることから、対立候補の2人は財政危機を訴えた。2人の得票は計1万9476票で大久保氏の1万5311票を上回り、市民が市財政に不安を抱き、注視していることがうかがえる。
 大久保氏の勝因は知名度と組織力によるが、戦後2番目に低い投票率(39・16%)も組織票を持つ大久保氏に有利に働いたとみられる。その点、同級生ネットワークを中心とする選挙戦を展開した田原氏が8630票も獲得したことは既存の政治家への不満が、市民の間に潜在していることをうかがわせている。
 有権者の6割が棄権した今回の市長選。市民が市政に関心を持っていないのか、魅力的な候補がいないのか、誰がやっても同じと思っているのか。いずれにせよ市民が政治に無関心なのは、政治家に責任なしとは言えまい。
 さて、23日はフランス大統領選の投票があった。主要5候補のうち、EUの結束強化を呼びかける中道派・マクロン氏と、EU離脱や移民排斥を訴える極右・ルペン氏の上位2人が、5月7日の決戦投票で一騎打ちを迎えることになった。
 マクロン氏は元銀行員で、既成政党とは無縁の独立派無所属、ルペン氏は「国民戦線」の党首で、2人ともフランス国政の本流からは程遠い存在。2人による決選投票は事前の世論調査で予想されていたこととは言え、中道右派「共和党」と与党「社会党」(オランド大統領が所属)の2大政党があっけなく敗れたことは衝撃だ。日本で例えると、自民党と民進党が敗れて、第三極の党首同士が国政トップをかけて争う構図だ。
 地元メディアは世論調査の結果から決選投票ではマクロン氏の圧倒的勝利を予想しているが、イギリスの国民投票でのEU離脱決定、アメリカのトランプ大統領誕生では世論調査の結果が外れた。ただ、移民排斥などを訴える極右の党首が決選投票に進むこと自体、自由や博愛、平等を掲げる人道主義国家フランスの地殻変動を印象付ける。
 公然と移民排斥が語られるこの変動がEU各国に波及している事実は、世界のグローバル化によって人、モノ、情報が国境を飛び越え、国際情勢に既存の政治が対応しきしれていない現実を示しているのではないか。

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2017年04月21日

民進党の遠心力

 民進党の細野豪志氏が13日、憲法改正をめぐる執行部との考え方の違いを理由に党代表代行を辞任したが、静岡県知事選の立候補に向けた「環境整備」とも目されていた。結局は、民進党が支援する現職知事が立候補することを明らかにし、細野氏擁立論は消えた。
 現職がもし立候補を見送っていたなら、細野氏は知事選へ前のめりだったことだろう。国政で影響力を発揮できない野党の一議員よりも、知事という一国一城の主を務めたほうが政治家冥利に尽きるからだ。
 このところの民進党は求心力よりも遠心力が目立つ。野田内閣で防衛副大臣を務めた長島昭久衆院議員も共産党との共闘に嫌気をさして離党した。東京では都議選候補が相次いで離党し、小池百合子知事率いる「都民ファーストの会」へと鞍替えしている。
 NHKの世論調査によると、民進党の支持率は昨年までは10%台を記録する月もあったが、2017年は1月8・7%、2月6・4%、3月7・6%、4月6・7%と、低空飛行を続けている。
 野党第一党である民進党は昨年3月に民主党と維新の党が合併して誕生したが、目新しさはない。唯一挙げるとすれば、土井たか子さん以来、30年ぶりの野党第一党の女性党首として蓮舫氏が就任したくらい。しかし、安倍内閣を追いつめる千載一遇のチャンスである学校法人「森友学園」への国有地売却問題では、共産党に遅れを取った。憲法改正でも脱原発でも、旧民主党時代を彷彿させるような足並みの乱れ。7月の都議選で大敗すれば、解党的危機を迎えかねない。
 4月の安倍内閣の支持率は53%で、自民党支持率は38・1%だ。小選挙区制度が目指している政権交代可能な2大政党制は実現する気配はない。閣僚に失言が相次ぐのも、安倍首相の人気にあぐらをかいているからに他ならない。
 自民党に対抗しうる野党の成長。これは自民党支持者でさえ望んでいることなのだが。

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2017年04月19日

緊迫する米朝

 米国と北朝鮮との間で緊張が高まっている。米国のティラーソン国務長官は過去の北朝鮮政策を「失敗」と指摘して、対話ではなく武力行使を含む「選択肢」を準備していることを公言。来日中のペンス副大統領も核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に対して「平和は力によってのみ初めて達成される」と牽制している。
 しかし、今のところ米国がシリアのように北朝鮮を攻撃する気配はない。北朝鮮に向かっているとみられた空母打撃群もシンガポールを出港後、南下してインドネシア海域を航行している。何より、もし米国が北朝鮮に攻撃を加えるなら、その反撃に備えて、在韓、在日の米国民を避難させることになる。米国民の避難が完了しないうちに、米国が先制攻撃を加えることはない。
 米国の力の誇示は北朝鮮の庇護者である中国に、北朝鮮に対して政治的、経済的な圧力を掛けるべきとのメッセージなのだろう。中国が徹底した経済制裁に踏み切れば、北朝鮮の窒息は免れないのだから。
 だが、中国が北朝鮮に影響力を行使できず、核・ミサイル開発を止められないのであれば、米国は自国を射程距離に収める核兵器の開発を武力で阻止することになるだろう。もちろん、北朝鮮は米国が軍事行動を起こせば「全面的な戦争になる」と警告し、「核兵器を使った先制攻撃で応じる」と牽制している。
 世界一の経済規模と軍事力を誇る米国に対し、北朝鮮には貿易や資本取引、武器の禁輸など数々の経済制裁が科され、GDPは茨城県程度という見方もある。現実的には米国と全面戦争なんてできない。
 ゆえに北朝鮮は核兵器こそが唯一の自衛手段と考え、開発に没頭する。イラクもシリアも核兵器を持たないからこそ米国の攻撃を受けたと考えているのだから。
 問題なのは北朝鮮が孤立し、対話のルートがまったくないことだ。軍事力ではなく対話による解決が理想だが、偶発的な衝突が発生した際の双方の危機管理の仕組みもない。
 北朝鮮問題という迷路は半世紀以上が経過してもなお出口が見つけられないばかりか、より複雑になっている。核開発も戦争も、その両方を回避する秘策をトランプ大統領が持っていることを願いたい。

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2017年04月17日

曳山まつりと観光

 全13基が出場した長浜曳山まつり。本日の15日は晴れたり雨が降ったりと不安定な天候となったが、御旅所に全基が勢揃いした夜、雨はすっかり上がり、提灯の明かりに照らされた幻想的な舞台で、子ども役者が艶っぽい演技を披露した。
 曳山まつりのユネスコ登録、そして土曜日ということで、市街地は観光客でごった返していた。これだけの観光客で賑わうのは近年には例が無いのではないか。初めて曳山まつりを見に来たという長浜市民にも何人か出会った。
 14日夜に行われた「役者夕渡り」。長浜八幡宮から役者がそれぞれの地元へ練り歩くその行事に、横浜と京都からのお客さんを案内した。2人が驚いていたのは役者との距離の近さだった。横浜や京都などの大都市でこれらの行事を開催しようものなら、見物客で溢れ返り、規制のロープが張られて、遠くから役者を眺めることになりそうだと。
 岐阜県高山市では14、15日に高山祭が開かれ、2日間で21万人の人出で賑わったが、あの小さなカラクリ人形よりも、長浜の子ども役者の演技の方が比較にならないほどの観光ポテンシャルを秘めていると、地元贔屓ながら小生は思っている。ゆえに、曳山まつりの魅力を国内外に積極的に発信してもらいたいと常々思ってはいるものの、観光客にとっては今の規模で賑わうことが理想なのかもしれない。確かに長浜八幡宮での奉納でも、商店街の通りでの公演でも、目の前で子ども歌舞伎の迫力を楽しめる。
 さて、山本幸三・地方創生担当大臣が16日、大津市で行われた県主催の地方創生セミナーで、文化財の観光活用を念頭に「一番のがんは文化学芸員。観光マインドがまったく無く、一掃しないとだめだ」などと発言し、すぐさま撤回・陳謝するはめになった。
 有形、無形の文化財は、外国人観光客を取り込もうとする国や自治体にとっては、絶好の材料となる。しかし、観光のための文化財の活用と、文化財保護のバランスを、どのように取るのかは非常に難しい。これは長浜曳山まつりにも当てはまる課題で、曳山まつりの伝統を守りながら、市の観光振興にどの程度、協力してゆくべきなのか。ユネスコ無形文化遺産登録で国内外への発信力が高まった今、まつりをどのように保存・伝承し、観光振興に生かすのか、胸襟を開いて議論する場が欲しいところだ。

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2017年04月12日

イースターよりも

 テレビCMで盛んに流れるきゃりーぱみゅぱみゅさんの音楽「良すた」。小売大手イオンが今年から始めた「イースター」のキャンペーンの楽曲で、「イースター」と、春に相応しい「良いスタート」を掛け合わせているそうだ。
 イースターはイエス・キリストの復活を祝う、キリスト教徒にとってクリスマスと並ぶ大切な日だ。春の到来を祝って家族や友人が集まってパーティーをする日でもあり、生命の象徴である卵を使った料理やゲームを楽しんだり、多産のウサギを象った菓子を食べたりする。
 ちなみにイースターの日は、春分後の最初の満月の日から数えて最初の日曜日となる。このため、毎年変動し、今年の場合は春分後の最初の満月の日は4月11日だったので、イースターはこの16日となる。
 東京ディズニーランドでは以前からイースターにちなんだイベントを行ってきたが、今年はイオンが「イースターパーティーをしてみませんか」と盛んに宣伝していることから、庶民にも広がる可能性がある。秋のハロウィンの市場規模がバレンタインデーを上回る大成功を収めていることから、今度はイースターを流行らせようという商魂のたくましさ。
 ただ、長浜市民としては湖北最大のまつりである、長浜曳山まつりを盛大に祝いたい。今年はユネスコの無形文化遺産登録後初めての開催であり、全13基が出場する。本日も土曜日とあってまつりを見物するには絶好のタイミングではないだろうか。
 多くのまつり関係者が指摘するように、曳山まつりを見たことがない市民が少なくない。曜日に関係なく本日が15日に固定されていることや、市街地の交通渋滞への懸念から、開催を知っていても見る機会がないというのが実情だ。
 だったら、今年こそは出かけたい。小さな子ども役者が曳山の舞台で雄々しく、艶やかに、そして時にコミカルに演技を披露する様子は、歌舞伎のあらすじを知らなくても楽しめるし、子ども役者の堂々の演技に思わず手を叩かずにはいられない。
 連夜、若衆による裸参りが行われている。あす13日の夕刻以降は「十三日番」と呼ばれる歌舞伎の披露がある。4つの出番山がそれぞれの地元に曳山を引き出し、その舞台で衣装、化粧を施した子ども役者が初めの公演に臨む。
 仕事終わりに市街地に繰り出せば、間近で迫力の演技を目の当たりにできる。本日のように人出は多くないので、写真も撮りやすい。今年の子ども歌舞伎を一番乗りで楽しめる絶好の機会だ。

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2017年04月10日

世界の壁

 アメリカのトランプ大統領が7日、シリアのアサド政権が化学兵器による攻撃を行った対抗措置として、アサド政権の空軍基地を巡航ミサイルで破壊した。オバマ前大統領が化学兵器使用を「越えてはならない一線」とアサド政権に警告しながら、武力行使に踏み切らなかったのとは対照的だ。
 今回の攻撃についてトランプ大統領は議会や同盟国に説明しないまま、単独で判断した。国連安保理が拒否権を持つ常任理事国の都合で機能不全に陥っている現実を見ると、効果的な解決策を見い出せずに内戦を長引かせる安保理よりも、トランプ大統領の独断の方がよほど人道的かもしれない。もちろん、アサド政権の後ろ盾となっているロシアやイランは猛反発している。
 それにしても不幸なのはシリア国民である。政府軍、反政府軍のミサイルが降り注ぎ、過激派ISが暗躍する。新聞の国際面はシリアの悲惨なニュースで溢れている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、シリアから国外に逃れた難民が3月末で500万人を超えた。これは総人口の4分の1にあたる。うち、296万人がトルコ、101万人がレバノン、65万人がヨルダンへと、いずれも隣国で難民の登録を受けている。
 しかし、周辺国でも難民の受け入れは限界に達し、トルコでは難民の流入を防ぐべくシリア国境に全長910㌔の壁を建設している。戦火を逃れた先に立ちはだかるその壁を見た難民の絶望は語るまでもない。
 イスラエルに話題のホテルがある。「世界最悪の眺め」というのが売り文句だ。パレスチナ自治区のベツレヘムにあるそのホテルからは、イスラエル政府がユダヤ人入植地とパレスチナ人居住エリアを隔てるために建設した分離壁を眺められる。分離壁の建設名目は無差別テロの防止だが、壁そのものがパレスチナ人の生活も分断していることから世界中の批判を浴びている。
 アメリカも不法移民防止のためにメキシコ国境に壁の建設を計画している。欧州ではアフリカや中東からの難民抑制のために国境管理を強化している。
 ただ、内戦で住む場所を失ったり、仕事がなくて困窮したりして、自国を捨てざるを得ない難民や移民を前にして壁を築くことは、対処療法でしかない。結局のところは世界の貧困や内戦の解決が求められる。しかし、世界の安定をリードすべき国連の常任理事国、つまりアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国の指導者の顔ぶれを見ると、多くが独裁的、排他的。国連が指導力を発揮できず、難民、移民を減らせない原因だ。

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2017年04月07日

観光政策への思い

 長浜市が3月に策定した市観光ビジョンは、観光政策による地域経済の活性化を目指している。
 観光地としては無名だった長浜は黒壁によるガラス事業の展開と、京阪神からの新快速電車の長浜駅までの乗り入れ、そして市民挙げて数々のイベントを企画することによって、黒壁周辺だけで年間200万人の観光客が訪れるようになった。
 しかし、黒壁自身が赤字に苦しむように観光客の購買意欲は決して高くなく、黒壁周辺の商店街でも空き店舗が目立っている。
 さて、ビジョンでは17の戦略を立てているが、その中で是非とも進めてもらいたいのは、イベントの再整理。この30年で次々と新しいイベントが開催され、合併も経たことによってイベント数は「県内随一」だそうだ。
 では、何のためにイベントを行うのか。観光客や市民を呼び込むためなのか。それとも地元産業の振興のためなのか、消費の喚起なのか。それぞれのイベントが誕生した背景には企画者の意図があったことは当然だが、漫然と続けてきた結果はどうだろうか。観光ビジョンでも「イベントを行うこと自体が目的化し、イベント過多による疲労感が蔓延している」「観光客の増加や消費喚起に結びついていないイベントが増えている」と問題点を指摘している。
 目的や効果を検証し、イベントの統廃合を進めるべきだろう。もちろん、数値では一律には測れない文化振興やコミュニティーへの寄与は忘れてはならないが、特に補助金として税金が投入されているイベントはしっかり検証する必要がある。
 加えて、観光需要が変わりつつあることを見逃してはならない。現代の観光は「モノ消費」から「コト消費」にシフトしている。黒壁のガラス製品は売れないが、体験教室は人気だ。湖北地域の持つ豊かな自然や農地、文化財を生かすことも考えたい。古民家に泊まって農業を体験したり、山や川、湖でアクティビティを楽しんだりと、体験型の観光にもっと前のめりになるべきだ。
 そして観光地としての魅力の発信手段としてSNSの活用が欠かせない。そのSNSでの主役は、写真映えだ。写真映えのするコンテンツを観光客に提示することで、人が人を呼ぶ効果を生み出す。昨年は余呉湖を写した写真が南米ボリビアの絶景スポット「ウユニ塩湖」にそっくりだとして、「日本のウユニ」などと紹介され、SNS上で瞬く間に広まり、写真愛好家の関心を集めた。景色ではなくとも、例えば、夏目漱石「坊っちゃん」の舞台である松山市では「マドンナ」のコスプレをした娘さんが松山城内で観光客をもてなし、記念写真にも快く応じてくれるとして評判だ。
 イベント再整理、体験型観光の推進、SNS活用—。この当たりが観光振興の鍵になるのでは、と勝手に思っている。

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2017年04月03日

理髪店での出来事

 先日、車の点検で岐阜県を訪れた際、点検中の待ち時間に散髪に繰り出した。代車でうろうろしていたところコーヒーサロンを併設した「青い鳥」という理髪店を見つけた。お洒落な若者が利用するような美容室ではなく、地元の年配の男性常連客が集いそうな家庭的な雰囲気の店。
 女性の理容師さんが出てきたので「珍しいな」と思いながら、椅子に腰掛ける。その理容師さん、ニコニコと笑顔で準備しているが、黙ったままで、何か違和感を覚えた。「きょうはどのようにされますか」などといった言葉がないまま。
 こんな風にカットして欲しいと話しかけても、通じていない様子。ひょっとして日本に研修に来たばかりの外国の方なのかと思って、片言の英語でも話しかけたが、通じない。
 結局、自分の髪を指でつまみながら、「この部分はこれくらいで」などと身ぶり手ぶりでお願いした。どれくらい伝わったのか不安だったが、今さら店を出られる雰囲気でもなかった。
 その後、店の奥から男性理容師が現れたことで、なぜ、話が通じなかったのか、すべてを理解した。女性が男性に説明しているようすから、2人は聴覚障害者。先ほど英語で話しかけていた自身の思量の浅さに、絶望的なほどの恥ずかしさが押し寄せた。
 ハサミを手に持ったのは男性理容師だった。黙々と、テキパキと髪をさばく。客と会話ができないことへの配慮だろうか、正面の鏡にテレビが映り込むように配置されていた。聞こえるのはテレビの音声とハサミの音、そして職人の息遣い。何とも心地良い空間だった。
 その後、常連と思われる男性客が入ってきたので、どのようにカットを注文するのかと興味深く見ていたところ、スマートフォンで写真を見せていた。なるほどスマートな注文。
 さて、小生の髪型はというと、うまく伝えられなかったので希望とは少し異なったが、自身の浅薄を恥じる勉強の機会となった。今度訪れることがあるならば、スマホで希望を伝えたい。

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