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旅行会社の倒産

 ゴールデンウイークを2カ月後に控え、旅行計画などを本格的に練りだす頃に差し掛かっているが、旅行者をおどろかせるようなニュースが週末、駆け巡った。
 格安の海外ツアーを取り扱っている東京都の旅行会社「てるみくらぶ」が突然、営業を停止したというニュース。旅行当日になって「発券済みの航空券は利用できるかどうか現時点で確認できておりません」「滞在先のホテルにてトラブルが生じないことを確認できておりません」との突然のメールが届き、ツアーに申し込んでいた旅行者は飛行機に乗れなかったり、予約していたホテルに宿泊できなかったりと、散々な目に遭っているようだ。
 この旅行会社は格安で知られていたそうだが、最近は「現金一括入金セール」の旅行プランを宣伝するなど、自転車操業とも受け取れるツアーを企画していた。経営陣は資金ショートが予測できていたにもかかわらず、ぎりぎりまでツアー客を募ったあげく、旅行者や予約客を放ったらかして、きょう27日、破産してしまった。
 帝国データバンクによると、同社は名古屋や大阪などに営業所を構え、ハワイ、グアム、韓国などに現地法人を設立。積極的な広告展開と低価格路線で顧客を取り込み、年間売り上げは約195億円(昨年9月期)に達していたが、人件費や広告宣伝費、円安で利益率が低下し、資金繰りが悪化していた。負債は約151億円で、うち、一般旅行者に対する債務は約3万6000人に対して約100億円にのぼる。
 旅行業者の倒産としてはリーマン・ショック後最大となる規模だそうだが、旅行会社の倒産は珍しいことではない。ただ、事前に倒産手続きを行うことで予約客に迷惑をかけず、旅金の返金を進めるのが一般的だ。
 さて、海外旅行を扱う旅行会社のホームページには格安プランが並ぶ。東アジア、東南アジアの場合、2泊3日、3泊4日で2万円、3万円というプランは当たり前で、国内旅行よりも安い。いったいどこで利益を生み出しているのか不思議なくらいだ。
 日本人の出国者数はここ20年、1600万〜1700万人前後を推移。日本人の7人に1人が年1回、海外を訪れている計算となる。海外旅行が特別でなくなった今、多くの旅行会社が価格を競わざるをえない状態となっているが、安売り競争の激化で疲弊した挙句、企業倫理を喪失した今回のニュースを見ると、消費者自身も価格以外の視点や判断基準を持ちたいところ。これは何も旅行だけの話ではないが。

2017年03月27日 16:41 |


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