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サウジの経済改革

 サウジアラビアのサルマン国王が12日、1500人を伴って来日した。
 サウジアラビアはアラビア半島の大部分を占め、面積は日本の6倍近い。国土のほとんどが砂漠に覆われているが、世界有数の石油産出国であり、輸出量は世界一。オペックの盟主でもある。
 石油権益を独占する王族が国を独裁的に統治し、そのオイルマネーで国民に教育や医療を無償で提供し、電力や水道など公共料金を安くふるまってきた。ようは石油で得られる利益が、現状の国家運営を支えているわけだ。
 しかし、石油価格の低迷が国家財政を左右するうえ、万一、石油が枯渇するとなれば、財政破綻は火を見るより明らか。
 実際にアメリカがシェールガスを量産し、オペック非加盟国であるロシアが資源外交を積極的に展開するなどして、石油価格は安定した状態ではない。以前ならオペックの盟主であるサウジアラビアが減産することで相場を引き締める役割を担ってきたが、現状は減産すれば米露にシェアを奪われることとなり、石油に頼った国家運営が厳しさを増している。
 目下、副国王でサルマン国王の息子ムハンマド副皇太子が脱石油依存の経済改革を模索し、今回の来日でも国王に付き添い、脱石油に向けて、経済や技術面で日本に協力を求めるとみられている。
 さて、副皇太子の改革は脱石油だけにとどまるのだろうか。人権団体などが注目するのは、女性の地位向上だ。
 サウジアラビアはイスラム教を厳格に守る国として知られるが、女性の人権は厳しく制限されている。たとえば、女性は自動車の運転が禁じられているため、自身が車で外出する際には運転手を雇う必要があるし、そもそも、近親者の付き添いなしでの外出が禁止されている。おまけに、外出する際にはヒジャーブを身に着け、顔や体を隠す必要がある。
 副皇太子は脱石油の経済改革の中で、女性の労働参加率の向上を掲げている。保守派聖職者の抵抗を懸念すると、副皇太子という立場で女性の地位向上に踏み切るのは難しいと見られるが、女性の労働参加と地位向上は切り離せない。

2017年03月13日 16:33 |


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