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破格の86%オフ

 「日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史教科書でうそを教えないようお願いいたします」「安倍首相がんばれ」「安保法制、国会通過、良かったです」—。これは大阪府の森友学園が運営する幼稚園の運動会で、園児が宣誓した言葉だ。おおよそ幼稚園児が発するとは思えない言葉の数々に、異様さを覚えた方も多いのではないだろうか。
 この学園では教育勅語の素読を取り入れるなど愛国心を育むことを教育理念としている。私立学校法人は自由や多様性を保障されているから、これら教育方針には問題ない。仏教系の学校はお経を唱えるし、キリスト教系は聖書を学んだりもする。
 ただ、まだ理解していないであろう園児に、「安倍首相がんばれ」「安保法制、国会通過、良かったです」などと宣誓させるのは異様でしかなく、特定政党を支持するなどの政治的活動を禁じる教育基本法に抵触する恐れもある。
 さて、この森友学園については、9億5600万円と査定された国有地を国が学園に1億3400万円で売却していたことが明らかになった。86%オフという破格の値引きの根拠は、地中に埋められたごみの撤去費用約8億円だ。しかし、現場では8億円をかけてごみを撤去する気配はない。麻生太郎財務相は「法律上の手続きをきちっと済ませてやっているので何ら問題ない」と話しているが、誰がどう考えても問題だらけである。
 なぜ売却先を一般公募せずに森友学園との随意契約としたのか、なぜごみの撤去費用を8億円もの破格で見積もったのか、なぜ財布の紐が固いはずの財務省が国有地をわざわざ破格で投げ売りするのか、なぜ昨年に豊中市議が行った情報開示請求に対し近畿財務局が売却価格を不開示にしたのか、なぜ交渉文書がすべて破棄されているのか。
 この異例の売却劇は、前例踏襲を大切にする役人だけの意思で行えるとは到底思えない、何らかの政治介入があったのではないか、と考える国民が多いことだろう。
 森友学園の名誉校長には安倍首相夫人が就いていた。安倍首相は「私や妻は全く関わっていない」と関与を否定している。
 国民の財産である国有地が不透明な手続きで、しかも破格で、首相を支持する学校法人の手に渡った。決して不問にしてはならない。

2017年03月01日 16:01 |


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