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お米のシュークリーム

 ながはまアグリベンチャースクールの第6回講義を取材した際、出席者に振る舞われたのは薄力粉の代わりにお米を使ったシュークリームだった。カスタードクリームもシュー皮も主原料は「米ゲル」と呼ばれる加工米で、見た目や味からはお米を使っていると気づかない。
 米ゲルは白米や玄米に水を加えて高速でかき混ぜてゼリー状にしたもので、水の加える量によってゆるめのゼリー状から高弾性のゴム状まで、食感も硬さも自由自在。洋菓子や麺、パン、クリーム、アイスなど多方面に応用できるのが魅力だ。また、小麦で作るパンや菓子に比べると、バターなどの油脂が不要なことから、低カロリー食品の開発にも期待できる。
 従来は米を使ったパンや菓子、麺を作る場合は、いったん米を製粉する必要があったが、それに比べると手間もコストも低減されるそうだ。
 この米ゲルは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発した。主食の米飯の消費が減少し、輸入穀物を主原料とするパンや麺類が増加したことで、日本の食料自給率が低下していることから、輸入穀物に代わる原料をお米で担おうと開発された。今後、流通・商品化が増えれば、米の新規需要開拓を図れる。
 日本の食料自給率(カロリーベース)は昭和40年度に73%あったのが、近年は40%前後で推移している。さらに、我々の食生活に欠かせない小麦の自給率はたった15%で、多くを輸入に頼っている。
 今後のさらなる技術革新と農業支援政策により輸入小麦に対抗しうる価格で米ゲルが流通すれば、日本の農業と食卓に大きな変革を起こす。お米のシュークリームが当たり前の時代になることを、期待したい。

2017年02月27日 15:47 |


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