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2017年02月27日

お米のシュークリーム

 ながはまアグリベンチャースクールの第6回講義を取材した際、出席者に振る舞われたのは薄力粉の代わりにお米を使ったシュークリームだった。カスタードクリームもシュー皮も主原料は「米ゲル」と呼ばれる加工米で、見た目や味からはお米を使っていると気づかない。
 米ゲルは白米や玄米に水を加えて高速でかき混ぜてゼリー状にしたもので、水の加える量によってゆるめのゼリー状から高弾性のゴム状まで、食感も硬さも自由自在。洋菓子や麺、パン、クリーム、アイスなど多方面に応用できるのが魅力だ。また、小麦で作るパンや菓子に比べると、バターなどの油脂が不要なことから、低カロリー食品の開発にも期待できる。
 従来は米を使ったパンや菓子、麺を作る場合は、いったん米を製粉する必要があったが、それに比べると手間もコストも低減されるそうだ。
 この米ゲルは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発した。主食の米飯の消費が減少し、輸入穀物を主原料とするパンや麺類が増加したことで、日本の食料自給率が低下していることから、輸入穀物に代わる原料をお米で担おうと開発された。今後、流通・商品化が増えれば、米の新規需要開拓を図れる。
 日本の食料自給率(カロリーベース)は昭和40年度に73%あったのが、近年は40%前後で推移している。さらに、我々の食生活に欠かせない小麦の自給率はたった15%で、多くを輸入に頼っている。
 今後のさらなる技術革新と農業支援政策により輸入小麦に対抗しうる価格で米ゲルが流通すれば、日本の農業と食卓に大きな変革を起こす。お米のシュークリームが当たり前の時代になることを、期待したい。

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2017年02月22日

世界の兵器取引、冷戦後最大に

 スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所」が20日に公表した世界の兵器取引の報告書によると、2012〜16年の取引量が前回調査(07〜11年)に比べ、8・4%増加し、1989年の冷戦終結以来、最大規模となった。
 兵器取引は輸出国と輸入国に顕著な傾向が見られる。最大の輸出国はアメリカで世界シェアの33%を占め、次いでロシアの23%。3位は中国の6・2%。以下、フランス6・0%、ドイツ5・6%、イギリス4・6%。スペイン2・8%、イタリア2・7%、ウクライナ2・6%、イスラエル2・3%と続く。米露の2大国が世界シェアの過半数を占めている実態がうかがえると同時に、中国は前回4位からフランスを抜いて3位に浮上しており、兵器輸出を加速させていることが分かる。
 一方、輸入国のトップ10はインドの13%が1位で、以下、サウジアラビア8・2%、アラブ首長国連邦4・6%、中国4・5%、アルジェリア3・7%、トルコ3・3%、オーストラリア3・3%、イラク3・2%、パキスタン3・2%、ベトナム3・0%。これ以降も東アジアや東南アジア、中東の国々が続いている。
 兵器輸入の多い国は紛争中、もしくは紛争に到らなくとも近隣国との火種を抱えている。トップのインドは隣接する中国やパキスタンと領土問題を抱える。また、兵器輸入トップ20を世界地図に落とし込めば、東南アジアと中東に兵器が集中していることが一目瞭然となる。
 特に東南アジアではベトナムが前回比202%増で、台湾、シンガポール、インドネシアも輸入国トップ20に入っている。中国による南シナ海での領有権拡大を背景に各国が兵器輸入を強化し、防衛力を高めていることが分かる。
 中東はイラクやシリアでのテロ組織「IS」(いわゆるイスラム国)の暗躍をはじめ、イエメンでの内戦などを背景に各国の輸入量が増え、世界全体の輸入に占める中東のシェアは前回の17%から29%へと膨らんでいる。特にサウジアラビアの兵器輸入は前回比212%増と突出しており、敵対するイランやシリアとの紛争を招きかねない。そして中東に出回る兵器の多くがアメリカ製だ。
 ストックホルム国際平和研究所の分析からは、世界が確実に不安定化していることがうかがえる。特に東アジア、東南アジアに兵器が集中し始めていることを知っておきたい。

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2017年02月20日

飯塚市長選

 19日投開票の米原市長選は現職の平尾道雄氏が幅広い支持を集めて3選を果たした。平尾氏のこの4年間の大仕事は米原駅前への新庁舎建設に加え、「宿場町構想」の実現であろう。
 新幹線米原駅の開業から半世紀以上が経過しても、駅東側の発展は見られなかった。旧米原町時代からの課題だった賑わいの創出を、平尾市政がどう実現するのかその手腕に期待すると同時に、自治体の手掛ける駅前再開発事業というのは過大投資による失敗例が全国で報告されているので、身の丈に応じた開発に留めるよう釘を刺しておきたい。
 さて、19日に告示された市長選もあった。福岡県飯塚市長選だ。平日の日中に賭けマージャンをしていた前市長の引責辞職に伴うもので、3人が立候補している。賭けマージャンが選挙の原因となっただけに、3候補それぞれが過去の賭けマージャン歴を問われている。
 元市議の小幡俊之氏(59)は「学生時代にラーメンを賭けたことはあった。社会人になってからはマージャンもパチンコもしていない」、共産推薦の弁護士・小宮学氏(61)は「食事代を賭けてマージャンをやった」、前市長と一緒に賭けマージャンをしていた前教育長・片峯誠氏(60)=自民、民進、公明推薦=も「食事代を賭けてやったことはあった」という具合に新聞社の取材に答えている。3候補全員が賭けマージャンの経験ありとして正直に答えているのが面白い。
 この飯塚市はかつて炭鉱の街として栄えたが、閉山が相次いだことから、炭鉱に代わる財源を目当てに同市が1957年に開設したのが公営ギャンブルのオートレース場だった。今では飯塚の代名詞であり、福岡県のみならず九州からオートレースファンが飯塚市を訪れる。
 そのオートレース場も今や赤字続きで、2年前からは民間委託による再建に乗り出している。3候補にはどうせ賭けるのならマージャンでなくオートレースであって欲しい。有権者はそう願っているのかもしれない。

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2017年02月17日

外交問題どこ吹く風

 目下、20カ国・地域(G20)外相会合のため日韓の外相がドイツ・ボンを訪れているが、手詰まりの日韓外交に進展があるのか注目される。
 慰安婦問題は2015年12月の日韓合意により「最終的かつ不可逆的に解決する」はずだったが、ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦像が撤去されないばかりか、釜山の総領事館前に新たに設置された。日韓合意をないがしろにする約束反故に、安倍首相が直ちに駐韓大使と釜山総領事の一時帰国や、金融危機時に通貨を融通し合う「通貨スワップ協定」の協議中断を発表した。
 だが、今後、どうやって日韓外交の正常化を目指すのだろうか。日本側が振り上げた拳を降ろすには韓国側に何らかの動きが必要だが、目下、朴槿恵大統領が事実上の失脚状態となっている韓国政府には事態を打開できる力はない。次期大統領に期待できるかというと、大統領選の有力候補は合意破棄を掲げる左派というから、日韓の未来志向の関係構築は視界不良のままだ。
 冷え切った日韓外交なんてどこ吹く風。観光交流は絶好調だ。昨年日本を訪れた韓国人は前年比27・2%増の509万人に上った。これは韓国人の10人に1人が訪れている計算で史上最多。一方、昨年の訪韓日本人は前年比23・4%増の229万人でこちらは4年ぶりに増加した。ピーク時(2012年)の341万人に比べると3分の2の水準にとどまっているが、改善の兆しが見える。
 互いに観光客が増加しているのは、15年の日韓合意による両国関係の改善が弾みとなったからだ。国のメンツをかけたにらみ合いと落とし所の模索は両国の政治家に任せ、一般国民は観光などを通して異文化にふれ頭を柔らかくしたい。隣国同士がいがみ合っても得るものはないのだから。

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2017年02月15日

変化する歴史

 「聖徳太子」ではなくて「厩戸王」、鎖国ではなくて「対外政策」—。文部科学省が14日発表した次期学習指導要領の改定案では、これまで学んできた歴史が変化していることがうかがえ興味深い。
 「聖徳太子」は没後100年以上経ってから使われた呼称であるため歴史学で一般的な「厩戸王」に改める。江戸幕府の対外政策である「鎖国」は、江戸後期にオランダ語の訳語として登場したが、実際は長崎や対馬などを窓口として交易しており、「鎖国」という表現が相応しくないとしている。
 これまで学んできた歴史が後に変化するのは珍しいことではない。これまでも新たな史料の発見や、新しい研究結果の発表で、定説がひっくり返ってきた。また、考古学研究者が旧石器時代の石器を捏造したことで教科書から記述が消えた例もあった。
 源頼朝が鎌倉幕府を開いたのは1192年と教わり、「いい国つくろう」との語呂合わせて覚えたが、最近の研究では1192年は頼朝が征夷大将軍になった年であり、守護や地頭を置いて権力基盤を築いた1185年を鎌倉幕府の誕生とする説が登場している。このため、鎌倉幕府の開設年を求めるようなテスト問題は、今はないそうだ。
 また、中大兄皇子と中臣鎌足らが645年に当時権勢を誇っていた蘇我氏親子を滅ぼしたのを「大化の改新」と学んだ記憶があるが、蘇我氏打倒のクーデター自体は「乙巳の変」と呼ばれ、蘇我氏打倒後の政治改革が「大化の改新」を意味する。誤って学んだ大人も少なくないのでないか。ちなみに、年号の覚え方は改革を喜んで「蒸し米で祝おう」、蘇我氏を無残に討ち取ったことから「虫殺し」、強引な改革だったことから「無理仕事」などさまざま。
 私たちが学ぶ歴史は後世の研究によって変化してきたが、時の権力が歴史を都合よく改編した側面もある。石田三成が徳川家康に敵対した悪人として長年扱われたのが好例だろうし、近年では日本、中国、韓国が近代史についてそれぞれの歴史観を持ち出している。後世の教科書が近代史をどう扱うのか。私たちの知る歴史が史実とは限らない。

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2017年02月13日

継続したい子ども議会

 長浜市内の小学生が日ごろ感じる疑問を市幹部にぶつける「子ども議会」。子どもたちに議会や行政の仕組みを知ってもらうため、全国の自治体で行われているが、合併後の長浜市では初めての開催だった。
 小学生25人が考えた質問はどれも子どもらしい素直で率直な疑問に溢れていた。なぜ、シャープペンシルを使ってはだめなのか、なぜ、社会の授業で歴史ばかりを教えるのか。小学生に限らず大人でも疑問に思ったことがあるような質問を、市や市教委の幹部に質すのは興味深かった。
 また、学校前の信号について、児童が安全に渡れるように青信号を長くして欲しいとの要望には、教育長が「信号機は歩行者のためだけにあるのではない」と、社会の一員として時には我慢や工夫をすることの大切さを説いていた。
 このほか、市民が集ったり有名人のライブを開いたりできる大きな市民ホールや、高齢者が楽しく体を鍛えられる温水プールの整備を求める声が出ていた。市側はそれぞれ必要性を認めたうえで、ホール建設は「お金と時間がかかり、建ててからも電気代やメンテナンス費もたくさんかかる」、温水プールは「民間の力で造られるように全力を挙げてお手伝いしたい」と子どもたちに分かりやすく説明していた。
 64席ある傍聴席は、子ども議員の家族や市議、関係者で埋まった。新しい市庁舎で開かれた「一般質問」が満席となったのは初めてのことではないだろうか。一方で、年4回開かれる本物の一般質問はというと、傍聴席の人影は数えるほどだ。他の議会では、少しでも多くの住民に見に来てもらうため、傍聴を依頼するダイレクトメールを発送したり、土曜や日曜に議会を開催したりと工夫を重ねている。子ども議会の開催を契機に、長浜市議会にも傍聴者を増やすアイデアが欲しいところ。
 さて、長浜東ロータリークラブが企画したこの子ども議会。子どもたちの率直な思いや疑問を大人が受け止める場として、そして行政や政治が学校や生活に密接に関わっていることを子どもたちが肌で感じるきっかけとして、とても有意義だった。来年度以降も継続して開催されることを期待したい。

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2017年02月10日

貯金半減 借金増加、県新年度予算案

 滋賀県が9日に発表した2017年度当初予算案。税収が伸び悩む中で、社会保障費や、老朽化する公共施設、インフラの修繕・維持、滋賀国体に向けた施設整備などの出費がかさみ、財政の自由度が低くなっていることが分かる。
 自治体の財政運営の健全性を分析するうえで、一つの指標となるのが基礎的財政収支。一般的に「プライマリーバランス」と呼ばれる数値で、借金に頼らない歳入で、借金返済以外の歳出を賄えているかどうかを示すもので、これがプラスなら黒字経営、マイナスなら赤字経営というわけだ。
 今回の予算案ではかろうじて2億円の黒字を維持しているが、貯金にあたる「基金」のうち、比較的自由に使える「財政調整基金」と「県債管理基金」から計100億円を取り崩している。両基金を活用して初めて黒字を維持できたわけだが、両基金の残高は94億円へ半減する。他の基金も含めた残高は過去最低の計325億円となり、危機感を持つべき財政状況だ。
 一方、借金である県債は前年度より52億円多い791億円を新たに発行した。県債残高は11年度に1兆円を超えてからも右肩上がりが続き、17年度末には1兆0980億円にのぼる見込みだ。県民1人当たり約78万円の借金となる。
 ただし、1兆円強の県債残高のうち4504億円は「臨時財政対策債」と呼ばれる。国が地方に配る地方交付税の財源が不足していることから、地方自治体が国に代わって借金しているもので、将来的に国が面倒を見ることになっている。借金には変わりはないが。
 県税収入は0・5%減の1550億円と微減したが、社会保障費は増加し、財政圧迫の要因となっている。例えば主な社会保障関係費(後期高齢者医療費対策、介護保険給付、児童手当・子ども手当、国民健康保険)の総計は07年が270億円だったのに対し、17年には445億円へと増加している。高齢化社会の進展で今後も社会保障費の増加は避けられず、自治体が担うべき事業の取捨選択はより厳選されるべきだろう。我々現役世代が何でも自治体任せにして借金を膨らませれば、子や孫がそのツケを払うことになる。

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2017年02月08日

自国第一主義の広がり

 「この選挙戦はグローバル主義者と愛国主義者の戦いだ。我々の主権を取り戻そう」—。トランプ米大統領ばりの主張を掲げるのはフランスの政党「国民戦線」党首マリーヌ・ルペン氏。今春に行われる仏大統領選の有力候補となっている。
 この国民戦線は、反ファシズムを掲げる人民戦線に対抗して旗揚げされた極右政党で、フランス経済の低迷を背景に移民排斥など過激な訴えで徐々に支持者を増やしてきた。今の党首となってからは移民排斥の訴えを緩和させて、極右路線を転換。福祉国家モデルを掲げるなどして左派も取り込み、さらなる支持者を集めている。
 とはいえ、国民戦線が先日発表した公約は国境管理や自国通貨の復活、EU離脱の国民投票、移民流入の制限、フランス人雇用の優先、自由貿易協定の拒否など、トランプ大統領ばりの反グローバル、反自由主義の政策が並んでいる。
 4月に行われる第1回投票に関する世論調査によるとルペン氏は支持率1位となっている。決選投票では他候補に敗れるとの見方が大勢だが、イギリスのEU離脱を決めた国民投票、アメリカでのトランプ大統領誕生と、露骨な自国第一主義がそれぞれの国民の支持を集めている潮流を考えると、非常に不気味ではないだろうか。
 ルペン氏勝利となるようであれば、フランスのEU離脱も現実味を帯びる。それは過去の大戦の反省から、二度と戦争を生まないと誓って結成されたEUの瓦解へと繋がるかもしれない。
 自国第一主義への憧れは、人の自由な行き来や移民の受け入れが外国人に仕事を奪われ、テロリスト流入をさせているという国民の声、さらには国境を越えた経済活動により人件費の安い国に仕事を奪われているという労働者の声が反映されている。そしてそれら社会的不安や不満の解消策として、ルペン氏の愛国主義的主張が共感を集めているわけだ。
 日本はアメリカに追随してグローバル化や自由主義を信奉し、経済活動で恩恵を受けてきた一方で、移民、難民の受け入れを厳しく規制してきた。島国という利点から不法移民もほとんどいない(不法滞在はいるが)。他国が海外の紛争地で平和維持活動に取り組んでも、自衛隊の海外派遣は限定的だ。そして国民は食料品も、電化製品も、自動車も外国産より日本産を好む。「日本こそ自国第一主義ではないか」とも指摘でき、自国第一主義者が目指す姿は日本なのかもしれない。

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2017年02月06日

小池人気を証明

 小池百合子東京都知事の人気をまざまざと、そして鮮烈に見せ付けた選挙だった。小池知事と自民党都連の「代理戦争」とされる東京都千代田区長選は、小池知事が応援する現職の石川雅己氏(75)が都連の推薦する新人・与謝野信氏(41)らを破って5選を果たした。
 一般的な選挙なら「後期高齢者」でもある石川氏に多選批判が集まり、41歳という若さで元官房長官・与謝野馨氏の甥である与謝野氏に追い風が吹くべきだった。しかし、結果は石川氏1万6371票、与謝野氏4758票と驚くほどの大差だった。
 メディア各社の出口調査によると、小池知事の改革を支持する有権者の7〜8割が石川氏に投票し、自民党支持者の6〜7割が石川氏に投票した。有権者は石川氏を積極的に支持したわけでなく、「東京大改革」を掲げる小池知事への期待を込め、それ以上に「ブラックボックス」と呼ばれる都政を牛耳ってきた自民党都連に対する嫌悪が投票行動となって現れたとみるべきだろう。
 夏の都議選の前哨戦と位置づけられた千代田区長選で小池知事が勝利を収めたことで、小池新党の立ち上げがさらに注目されることとなる。
 小池知事の次なる目標は地域政党「都民ファーストの会」の都議選での躍進だ。定数127人のうち、60人の擁立を検討しており、自民党都連を第一党から引きずりおろす算段を立てる。
 国政では安倍総裁率いる自民党が「一強」となっているが、その足元は盤石とはいえない。国民は支持政党の選択肢が無いがゆえに消去法的に自民党を支持している。保守系改革派の人気のあるリーダーが政党を旗揚げすれば、大阪で維新が誕生したように自民党に対峙しうる政治勢力が国民の人気を集める。
 目下、小池知事は自民党本部に「進退伺」を出している状態で、自民党籍のままだ。当の自民党は対応を棚上げしている。本音は小池知事を切り捨てたいところだろうが、都議選で「都民ファーストの会」が躍進した場合、そして2020年の東京五輪成功を考えると、小池知事と全面対決しても得るものは多くないと分析しているのだろうか。
 「都民ファーストの会」は地域政党としてまずは都議選で足場を固めることになるが、その後はどうするのか。維新のように国政に打って出るのか。東京と大阪の保守系改革勢力がタッグを組めば、次期総選挙は嵐が吹くことになる。

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2017年02月03日

高齢者は要注意です

 連日のように警察や市役所から特殊詐欺への注意を呼びかけるメールが届く。1日は湖南市、栗東市内で警察官をかたる詐欺電話が頻発しているとの内容。「逮捕した犯人が持っていたリストにあなたの名前が載っている」などと電話があり、事件捜査を口実に預金残高を聞き出した後、自宅へ通帳やカード、現金を取りに来る手口だ。2日には同様の詐欺電話が守山署管内(守山市、野洲市)にも広がった。詐欺グループは県内を移動しながら犯行に及んでいる可能性が高く、警戒が必要だ。
 そんな中、大津市内の84歳の女性が警察官を名乗る男らに現金約2000万円をだまし取られる詐欺事件が明らかになった。警察官を名乗る男が偽札事件の捜査を名目に銀行で預金を引き出させ、現金を直接受け取るという手口で、女性は1000万円を2回にわたって男に手渡してしまった。
 警察や金融機関、自治体などが注意を呼びかけ、新聞やテレビも犯行の手口を発信しているのに、被害は7年連続で増加している。
 警察庁が2日発表したところによると、振り込め詐欺や還付金詐欺など2016年の特殊詐欺の被害額は406億円で、前年に比べ75億7000万円減少したものの、4年連続で400億円を超えている。件数は前年比327件増の1万4151件にのぼった。だまされたことに気づいていない、被害を言い出せなくて泣き寝入りしているケースを含めると、被害はさらに膨らむと推測される。
 特殊詐欺のうち「オレオレ詐欺」は5737件(前年比1・6%減)で4年ぶりに減少したが、詐欺全体の4割を占めている。「医療費の払い戻しがある」などとかたる「還付金詐欺」は3682件(同55%増)と急増している。
 さて、1万4151件の被害のうち1万1041件、つまり全体の8割を高齢者が占めていた。還付金詐欺が急増している点を考えると、犯行グループが高齢者をターゲットとしていることが改めてうかがえる。
 高齢者をターゲットとする背景には、近所付き合いや人間関係が希薄になり、高齢者が孤立を深めている実態があるのでないか。孤立しているからこそ、見ず知らずの人物からの電話の話を、第3者に相談することなく、信じてしまう。
 詐欺被害防止のため、家族や親族、ご近所が高齢者を常々気にかけ、おしゃべりして孤立を防ぐ。高齢者も困ったことがあれば相談できる相手を見つける。それぞれが自衛の心構えで、詐欺グループを撃退したい。

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2017年02月01日

米国の民主主義

 「お前はクビだ!」。テレビ司会者時代の決め台詞を彷彿とさせるように、トランプ米大統領は自身が発した大統領令に異を唱えた司法省トップを解任した。独断専行の大統領令を次々発するトランプ大統領に世界が振り回されているが、広がる困惑や反発の声はどこ吹く風。きょうも「アメリカン・ドリームが帰ってくる」などと、せっせとツイッターで発信している。
 トランプ大統領は1月20日の就任以来、メキシコ国境に不法入国を防ぐための壁建設にゴーサインを出すなど次々と大統領令を発している。そして27日にはシリア、イエメン、スーダン、ソマリア、イラク、イラン、リビアの7カ国の国民を90日から120日間、入国禁止とする大統領令に署名した。ホワイトハウスは入国審査制度の厳格化のための準備期間として「入国禁止ではない」と強弁しているが、国内外で反発が広がっている。
 この入国禁止の大統領令を決める際、トランプ大統領は関係閣僚にも伝えず一部側近とだけ協議していたというから、内部からも抗議の声が噴出。司法省長官でさえ「大統領令を擁護しない」と批判したが、トランプ大統領は即座に長官をクビにした。
 自由と人権が保障され、そして移民の国であるはずのアメリカはどう変わっていくのか。国際社会は大きく困惑しているが、この大統領を生んだのは米国民だ。
 ロイター通信が全米50州で入国禁止の大統領令の是非に関して世論調査を実施したところ、賛成が49%で、反対の41%を上回っていることが明らかになった。トランプ大統領、そして支持者からすれば、選挙戦で訴えていた不法移民排斥やイスラム教徒入国禁止などの公約を守ったに過ぎない。
 「実際のところ、民主主義は最悪の政治と言うことができる。これまで試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治体制を除けば、だが」—。これはイギリスの元首相ウィンストン・チャーチルの言葉で、独裁や全体主義、共産主義、社会主義よりも民主主義が優れているとの逆説的指摘だった。
 我こそが民主主義のお手本とばかり胸を張り、他国に介入しては民主主義を押し付けてきた米国だが、今の政治と米国民の姿を見ると、チャーチルの名言が揺らいでいるように思う。

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