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受動喫煙防止対策

 目下、東京五輪を機にした政府の受動喫煙防止の対策強化が注目されている。ポイントは、国内すべての飲食店が全面禁煙となるか、喫煙室を設けるかの選択を迫られる点だろう。
 たばこは大麻のように法律で禁じられているわけではないので、愛煙家が健康へのリスクと天秤にかけながら煙をくゆらすのは個人の自由意思による。問題は非喫煙者が煙に悩まされる受動喫煙であり、不特定多数が集う屋内では受動喫煙を防ぐため禁煙・分煙を徹底するのが理想だが、規制は海外に比べて遅れている。特に先進国のほとんどで飲食店や公共スペースなど屋内での禁煙を禁止しているのに対し、日本は健康増進法の努力規定として茶を濁す程度だ。
 長浜市内の飲食店でも昼食時に込み合うような店や、フランス料理店、イタリア料理店などでは完全禁煙が増えているが、居酒屋やバーで完全禁煙を実施しているところは限られるのではないか。「お酒が入るとタバコを吸いたくなる」とは喫煙者の主張だ。
 さて、日本の喫煙率は成人男性で29・7%。ピーク時の昭和41年の83・7%と比較すると、大幅に減少していることがうかがえる。年代別では40歳代が38・2%で最も高く。60歳以上が22・0%と最も低い。一方、成人女性の喫煙率は9・7%で、こちらも40歳代が14・8%と最も高く、最低は60歳以上の5・7%だった。
 喫煙率が低下しているとはいえ、成人男性の3割が喫煙者という点を考えると、居酒屋やバーが「売上減少に繋がる」と受動喫煙対策の強化に戦々恐々とするのは当然だろう。しかし、それはどの先進国も通ってきた道であり、パブ大国のイギリスでさえ10年前に成し遂げた。関連法案が成立すれば否でも応でも飲食店は改革を迫られる。
 たばこの煙に悩まされない「スモーク・フリー」の権利は世界の流れだ。飲食店も喫煙者も「お酒とたばこはセット」との思考から脱却することが求められている。ただ、対策強化に前のめりの厚生労働省に対し、自民党内部では「厳しすぎる」と骨抜きにしそうな議論も出ている。

2017年01月30日 16:06 |


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