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手詰まりの日韓関係

 竹島の領土問題と並ぶ、日韓の懸案事項、慰安婦問題は2015年12月の日韓合意により「最終的かつ不可逆的に解決する」はずだった。
 合意に基づき、日本政府は昨年8月、元慰安婦支援財団に10億円を拠出した。そして元慰安婦への現金支給が着実に進んできた。
 一方、ソウルの日本大使館前に設置されている少女像(慰安婦像)については、大使館の安寧・威厳の維持の観点から韓国政府が「適切に解決する」との約束だった。しかし、移転・撤去されないばかりか、昨年末には新たに釜山の日本大使館前にも設置された。合意を取り付けた朴槿恵大統領が事実上の失脚状態となっている韓国政府は、設置を求める市民運動や規制するサイドの自治体をコントロールできないでいる。
 日韓合意をないがしろにする約束反故に、安倍首相が直ちに駐韓大使と釜山総領事の一時帰国や、金融危機時に通貨を融通し合う通貨スワップ協定の協議中断を発表したのは、真正面から抗議を示す姿勢として当然の措置だった。
 なぜ、韓国側が合意を守らないのか、多くの日本国民が思うところであろう。朴大統領の不人気と今回の失脚が直接的な原因だが、根本的には日本政府が戦争や慰安婦について謝罪していないと韓国国民の多くが考えていることによる。
 例えば、安倍首相が昨年10月の衆院予算委員会で、元慰安婦支援財団が求める謝罪の手紙について「毛頭考えていない」と答弁したことに、韓国メディアが大いに反発した。日本を戦争や慰安婦問題について「反省」も「謝罪」もしない「やっかいな隣国」などと表現するメディアもある。そのような声に押される格好で政府が手をこまねいているのが実情だ。うっかり少女像に手を付ければ、先の釜山市の地元区長のように売国奴扱いを受けかねない。
 振り返ると、朴大統領も就任直後から歴史に固執し、「加害者と被害者という立場は1000年経っても変わらない」などと演説していた。永遠に被害者だと言い募る韓国を相手に、日本が落としどころを見つけられる未来は来るのだろうか。
 さて、今後、韓国では大統領選がある。「反日」が是である以上、誰が大統領になるにせよ、日韓合意の破棄は避けられない。それもまた韓国の選ぶ道であろう。日韓の未来志向の関係の構築は再び振り出しに戻ることになるが、韓国側が何らかのアクションを起こさない限り、日本は振り上げた拳を降ろすことができない。大統領選に向けて韓国の与野党ともに日本に譲歩するような姿勢は見せられず、双方、いよいよ手詰まり。

2017年01月20日 16:46 |


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