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EU残留か、離脱か

 イギリスは欧州連合(EU)から離脱してしまうのだろうか。EUからの離脱の是非を問う国民投票が23日に迫る中、最新の世論調査では離脱への支持が伸びている。もし、本当に離脱となれば、ロンドン発の金融市場の混乱をはじめ、景気の後退、そしてEU崩壊の火種になりかねないと、イギリスを取り巻く国々は危機感を募らせている。リーマン・ショックのような金融危機が発生しないとも限らない。
 残留か、離脱か、その争点は経済政策と移民問題が主だ。キャメロン首相ら残留派は離脱によるリスクを強調し、離脱派はEU圏域を通じて流入する移民が英国民の仕事を奪っていると訴え、テロ危機と合わせて離脱を呼びかけている。
 各新聞社の世論調査によると離脱派がややリードしている情勢で、このまま国民投票を迎えればEUからの離脱が現実味を帯びることとなる。
 EUはそれぞれ主権を持つ民主主義国家の集まりで、欧州市民の平和と繁栄、自由の保障などを目指している。2度の大戦を含め、隣国同士が争ってきた戦争の歴史に終止符を打ち、平和と共存を図るための仕組みでもある。
 6カ国で設立した国際機関「欧州経済共同体」(EEC)を前身に、現在は28カ国が加盟。人口は5億人を超える。一国の政府と同じように直接選挙で選ばれる議会、EU加盟国の大統領や首相で構成する理事会があり、政策執行部門として委員会がある。もちろん法律も存在する。
 加盟国の連携の下、平和と繁栄を追求するその理念は崇高ではあるが、加盟国が増えすぎたためか、ひずみが生まれている。経済力や社会保障制度の格差が歴然と存在するまま、グローバル化を進めた結果、連合内でも「勝ち組」「負け組」の国が生まれた。EU加盟の恩恵が実感できない国の国民から離脱を求める声が出てくるのは当然かもしれない。
 英国の離脱派の主張は分かり易く言えば「主権を取り戻そう」であろう。グローバル化は今の世の「流れ」でもあるが、それが自国の主権と独立を守るうえで果たして「正解」なのか。TPPを交渉する日本としてもよく考えたい。

2016年06月17日 16:53 |


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