滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2016年01月29日

弊社創業者 押谷盛利を偲んで

 平成27年12月21日92歳にて死去いたしました滋賀夕刊新聞社創業者・押谷盛利との「お別れの会」を1月30日午前10時から午後3時まで、北ビワコホテルグラツィエ「ソプラ」(長浜市港町)にて執り行わせて頂くことになりました。
 故人は生前、社葬などのセレモニーを行わないよう申しておりましたが、読者をはじめお世話になった方々と共に故人とお別れする場を設けたいと考え、「お別れの会」を執り行います。
 式典は行いませんが、献花台を設け、皆様とのお別れの機会にしたいと思います。また、故人の歩みや執筆風景、過去のコラム「時評」を振り返る各種展示を予定しております。皆様にはお誘い併せの上、都合の良い時間にお立ち寄りいただきたく思います。
 なお、ご来場の際は平服にてお越しくださいますようお願い申し上げます。合わせて、誠に勝手ながらご香典は固くご辞退申し上げます。
また、供花のお問い合わせは長浜斎場ソニアホール℡0749(65)4000まで。

| | トラックバック ( 0 )

甘い蜜に誘われて

 業者が公的機関との事業や交渉を有利に進めるため、政治家に現金を渡して口利きを求める—。いわゆる「政治とカネ」問題のお手本のような疑惑は、甘利明経済再生担当大臣を閣僚の座から引きずり下ろすこととなった。
 疑惑は▽甘利氏が千葉県内の建設会社側から2回にわたって計100万円を直接受け取った(甘利氏は政治資金として適正な処理を指示したと主張)▽甘利氏の秘書が受け取った500万円のうち、300万円を収支報告書に記載せずに自ら使った▽秘書が建設会社側からキャバクラなどで多数の接待を受けた—というもの。
 建設会社側は県道工事をめぐる補償金のトラブルを都市再生機構(UR)と抱えており、甘利氏側に口利き依頼のため総額1200万円の現金授与や飲食接待を行ったと主張している。
 建設会社側が証拠となる写真や録音データを週刊文春に持ち込んだことで疑惑が明るみになったが、これは甘利氏への「脅し」であったのであろう。口利きをしなければ現金授与の実態をマスコミにばらすぞ、と。ひょっとして表に出ていないだけで、さらなる脅しが甘利氏側にあったのかもしれない。
 建設会社側の甘い蜜に誘われて仲良くなったと思いきや、いつの間にかクモの巣に絡め取られ、生殺与奪権を握られてしまった、という形だろう。そしてその結末は、甘利氏のひのき舞台でもあるTPP署名の直前というタイミングで、週刊文春が報じることとなった。
 寄付金を収支報告書に正確に記入しなければ政治資金規正法違反、政治家がその影響力を行使して公共事業に口利きした見返りに金品を受け取ればあっせん利得処罰法違反となる。
 政治家が口利きできるのは公的機関である。建設会社とトラブルになっていたURは、賃貸住宅の運営や市街地の整備を行う独立行政法人で、国の「子会社」だ。もちろん国土交通省役人の天下り先である。URとのトラブルであるから、建設会社側は政治家による口利きが効果的であると、甘利氏を利用したのは疑いようもない。
 政治家はこのような業者がいることを念頭に、国民に疑惑をもたれぬように、脇を固めて清廉潔白でいる必要がある。さらに、秘書が政治家の名代として活動する以上、秘書の不正は政治家の責任である。秘書がクビになって終わる話ではない。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月27日

政務活動費の横領

 政務活動費を騙し取ったとして詐欺罪などに問われた元兵庫県議・野々村竜太郎被告の初公判が26日神戸地裁で開かれ、被告は「記憶にない」「覚えていません」との回答に終始して傍聴者を呆れさせた。
 被告は、実際には行っていない日帰り出張344回を申請して切符代を計上するなどの手口で、虚偽の収支報告書を県議会に提出し、3年間で政務活動費913万2050円を騙し取ったとされる。
 疑惑発覚当初の「号泣会見」のインパクトから、メディアの格好の「ネタ」となり、海外でも報道される始末となった。そして好奇の目を集めた初公判で、被告は検察側から追及されると「記憶障害」を理由に「覚えていない」を繰り返した。一方で、収支報告書はミスであり虚偽ではないとの認識を示したのだから、都合の良い「記憶障害」だった。ひょっとして被告は「覚えていない」を貫き通せば、裁判をうまく乗り切れると思っているのかもしれないが、それこそ「号泣会見」から何も進歩していない。被告に一票を投じた兵庫県民はやり切れない気持ちだろう。
 さて、政務活動費は地方議員の調査研究活動、政策立案活動を支えるため、報酬とは別に支払われる。滋賀県議会の場合は会派所属議員が月額30万円、無所属議員が20万円となっている。以前は領収書など支出証拠書類の提出について取り決めはなかったが、平成18年に1件1万円以上、同21年に全額で支出証拠書類の提出を義務付けるようになった。
 政務活動費と同じ性質を持つのが、国会議員の文書通信交通滞在費だ。月額100万円、年間1200万円が税金から支出されているが、領収証を添付した使途報告書の提出や公開が義務付けられていない。ゆえに「第二の給与」とも呼ばれ、目的外使用してもばれないし、こちらは第3者がチェックすることさえできない。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月25日

食品ロスなくせ

 愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業者「ダイコー」がメーカーの廃棄食品を横流ししていた問題は、食品業界が規格化された食品を消費者に提供する裏側で、大量の食品廃棄物が発生していることを再認識する機会となった。
 日本の年間の食品廃棄量は、食料消費全体の2割にあたる約1800万㌧と言われている。このうち、売れ残りや期限切れ、食べ残しなど、本来食べられたはずのいわゆる「食品ロス」は500万〜800万㌧とされ、日本人1人当たりに換算すると、おにぎり約1〜2個分が毎日捨てられている計算となる。これは日本の米の年間収穫量(平成24年で約850万㌧)に匹敵し、世界の食料援助量(平成23年で約390万㌧)を大きく上回る。
 世界で飢餓に苦しむ国があるというのにこれほどの食品を廃棄するのは実にもったいない話であり、自然や生命に対する冒涜とも言える。新鮮さと安全性の追求、食品ロスの低減、この両立を国策として強力に推し進める必要があるのではないか。
 例えばフランス。この国は外食の際の食べ残しを持ち帰ることは「恥」とされているが、政府は今年1月から、食品廃棄物の削減を目的に1日150食以上を提供するレストランに持ち帰り用の「ドギーバッグ」の使用を義務付けた。政府の本気度がうかがえる取り組みだ。
 そのような実効性のある取り組みを日本政府にも期待するとして、私たちは日々の食生活を見直したい。家庭における食品ロスは年間200万〜400万㌧。また、家庭から出される生ごみの中には手つかずの食品が2割を占め、そのうちの4分の1は賞味期限前にもかかわらず捨てられている。
 食品ロスを防ぐポイントは「買い過ぎない」と「食べ切る」だろう。特にスーパーなどの特売日に、値段が安いからといって食材を買い過ぎると結局、無駄になることもある。料理の量も「腹八分目」を目安に作りたい。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月22日

今年の漢字は?

 滋賀夕刊新聞の「新春お年玉企画」に合わせ、「今年の漢字」を募ったところ、最も多く寄せられたのは「健」だった。「健康でなければ何も始まらない。病気だと外出も、美味しい物も食べられない。人との関わりもできない。元気が一番の宝」(64歳女性)、「昨年初孫が誕生。健康な1年にして孫の成長を見ていたい」(58歳女性)など、自身や家族の健康を願うメッセージが目立った。
 次いで多かったのは「笑」で「笑顔を絶やさずいい年に」(59歳女性)、「子育て真っ最中なので怒りたい時もあります。でも笑顔で毎日過ごしたい」(36歳女性)など。新たな挑戦への決意も。63歳女性は「昨年、会社を退社したので、これからいろんな新しいことに挑戦して、今までしたことのないことをし、行ったことのない土地に旅したい」と「挑」の字を、52歳女性は「新居への引越し、新しい仕事と変化に富んだ1年になる。新たな気持ちで楽しい1年にしたい」と「新」。
 32歳男性は「今年は結婚して新しい家庭ができる。仕事も2人の人生も、飛躍の1年に」と「躍」、61歳女性は「今年は我が家に初孫が生まれる。無事に元気な子が産まれますように」と「命」。一方、37歳女性は「妊活をがんばって大切な命を授かりたい。世界中のみんなが命を大切にして欲しいという思いも込めて」と、こちらも「命」の字を記した。
 3歳と0歳の男の子はお母さんの代筆だろうか、「幼稚園で友達をいっぱい作る」「沢山ご飯を食べて大きくなるゾ!」と、それぞれ「友」「食」の漢字。「気が利く優しい男になって妻に振り向いてもらいたい」と意味深なメッセージを寄せた45歳男性は「優」。干支に掛けたのだろう、52歳女性は「今年は心のストレスを少なくするため、我慢せず、相手と向き合うためにしっかりと物申す」と「申」。「金」と記した28歳女性は「投資や副業をやって、お金と仲良くなる年にしたい」と欲望をストレートに綴る一方で、「ゴールドのようにキラリと輝く価値のある女性になりたい」。
 読者の皆さんは今年の願いをどんな漢字に託しますか?

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月20日

脱「スマホ依存」を

 いつでもどこでもインターネットに接続でき、メッセージ交換やゲームを楽しめるスマートフォンは、子どもにとって夢のような玩具だが、スマホにうつつを抜かすあまり、心身の成長期にこそ熱中すべき学業や運動から脱線しているとすれば、由々しき社会問題であろう。
 子どもをスマホ・ネット漬けにさせないために、どのような取り組みが必要だろうか。2年前、「午後9時以降は子どものスマホを預かる」とのルールを打ち出して注目を集めたのは愛知県刈谷市だった。保護者の多くがこのルールを歓迎し、スマホを取り上げられる側の子ども達も3割が賛同した。
 もっと強力なメッセージを送ろうとしているのは兵庫県。井戸敏三知事は18日の定例会見で、子ども達が深夜までスマホやネットで遊んでいるのを「野放しにするのはいかがか」と、青少年愛護条例を改正し、スマホ・ネット利用のルール作りを学校や保護者に求める方針を明らかにした。スマホ利用ルールを条例に盛り込むのは全国初の試みとなる。
 県内では東近江市で昨夏、教育委員会、PTA連絡協議会、青少年育成市民会議などが連名で、小学生は夜9時、中学生は夜10時以降にスマホ、ケータイ、パソコン、ゲームなどを使わないよう呼びかけ、保護者には約束の時間になったらスマホを預かるなどの家庭ルールを決めるように求めた。
 では、長浜市の取り組みはどうなっているのだろうか。市教委では、スマホを利用する子ども達自身に考えてもらおうと、昨年12月、市内13中学校の生徒代表による「中学生会議」を発足させた。第1回会議ではスマホやネットの功罪について話し合った。今後、学校や家庭に議論を広げることで、何らかの「長浜ルール」が出来ることを期待したい。ちなみに長浜市内の中学3年生のスマホ・ケータイ所有率は79・4%、小学6年生は54・5%(全国学力・学習状況調査より)。
 子どものスマホ依存を防ぐには、まずは家庭が手本を示す必要がある。小さなモニターを見つめてうつむく大人の姿を、子どもは見ている。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月18日

食品偽装とモラル

 愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業者「ダイコー」が食品メーカーの廃棄した食品を岐阜県羽島市の製麺業「みのりフーズ」に横流しし消費者に販売された問題は、食品の安全を揺るがす悪質な事件として当該企業の違反が厳しく問われなければならない。
 カレー店「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(愛知県一宮市)は「異物混入の疑いがある」として冷凍ビーフカツの廃棄処分をダイコーに委託した。ダイコーは全量を堆肥化するとしていたが、こっそりとみのりフーズに売却し、最終的に3県の34店で2万7000枚が店頭で売られたり、弁当の材料に使われたりした。みのりフーズは、別のダンボールに食品を詰め替え、自社の屋号を印字したラベルを貼るなどの偽装工作を行っていた。
 ダイコーは壱番屋以外にも複数のメーカーから食品の廃棄処理を請け負っているが、警察の捜査の結果、みのりフーズから大量の冷凍食品が発見されており、ダイコーが日常的に廃棄食品をみのりフーズに横流ししていた可能性が高い。
 過去の食品偽装事件で印象に残っているのは、北海道のミートホープ社が「牛肉100%」とうたった挽肉の中に、豚や鶏、パンの切れ端などを混入させて水増しを図り、色味を出すため血液を混ぜたりしていた事件だ。このほか、腐りかけの肉を混ぜたり、産地を偽装したりとやりたい放題だった。「半額セールで喜んで買う消費者にも問題がある」との社長の開き直りは、食品業界への不信感を高めさせた。
 北海道土産で知られる「白い恋人」や三重県名物「赤福餅」は消費期限の偽装、老舗料亭「船場吉兆」は産地偽装や食べ残しの再提供などが問題となった。農薬のメタミドホスなどが残留した事故米を工業用として購入した「三笠フーズ」が食用に転売した事件では、農林水産省のずさんな管理も問題となった。
 消費者は食品メーカーやスーパーを信頼して食品を購入するしかないが、モラルのない悪徳企業が暗躍するのが現実であり、監督官庁による徹底した取り締まりと厳しい罰則が求められる。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月15日

小手先の改革だ

 衆議院の定数が現行の475から465へと10減少する見通しとなった。「一票の格差」を是正するためで、「アダムズ方式」なる計算法で都道府県の人口比を反映させた結果、東京が3増し、埼玉、千葉、神奈川、愛知が1増となる一方、地方の13県で定数が1減となる。滋賀も4から3へと減ることとなる。比例代表は4減。
 「一票の格差」と定数の削減について考えたい。
 「一票の格差」は小選挙区ごとに有権者数が異なることから、当選に必要な得票数に格差が生じる問題。「法の下の平等」に反するとして、最高裁は現行の定数を違憲状態にあると指摘している。
 このため、小選挙区の定数を見直すことになったが、人口が集中する東京圏の定数が増え、地方が減少する結果となった。これでは政治の東京一極集中が加速し、地方の声がさらに届かなくなる恐れがある。果たして人口比だけで議員数を決めることは、バランスが良いといえるのだろうか。例えば、日本の国土の22%を占める北海道の定数は12で全体の4%でしかない。また、日本の安全保障上欠かせないシーレーンの拠点となる沖縄県は定数が1減って3となる。
 議員定数削減は消費増税と並行した改革の一環だが、減少すれば減少するほど国民の声が政治に届きにくくなる。他国と比較すると、日本の議員数の少なさは明らかだ。人口100万人あたりの議員数はアメリカ1・4人、日本3・8人、ドイツ7・4人、カナダ9・3人、フランス9・3人、イギリス10・6人、イタリア10・7人であり、G7の中でワースト2の少なさだ。
 国会議員1人には議員歳費、文書通信交通滞在費、秘書給与など少なくとも年間6000万円の経費が必要で、今回10人減らせば年間6億円の税金が節約できる計算となるが、消費増税に伴う「身を切る改革」とは程遠い。
 議員定数を減らすのであれば、同時に議員の質を高めることが欠かせない。衆参二院制を一院制にして立法府をスリム化し、議員の政策秘書を増やすなど思い切った改革が求められる。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月13日

21世紀の渇え殺し

 城攻めを得意とした羽柴秀吉の戦績のうち、「鳥取の渇え殺し」は、徹底した兵糧攻めで凄惨な被害を生み出したことで知られる。あらかじめ、周辺の農家から米を買い占めたうえ、鳥取城を包囲して補給路を遮断。包囲から1カ月で城内は飢餓状態に陥り、人肉を口にする生き地獄と化したとされる。
 これは16世紀の出来事だが、21世紀になった今、内戦が続くシリアで兵糧攻めによる餓死者が出ている。NGO「国境なき医師団」の8日のレポートによると、ダマスカス郊外の町マダヤが昨年7月に政府軍に包囲されて以来、10月に食糧配給が1回行われただけで完全な封鎖状態となり、約2万人の市民が命の危機に直面している。医師団が支援する医療施設では12月1日以降、23人の患者が餓死している。亡くなった23人のうち1歳未満が6人だった。脱出を試みる市民は銃撃や地雷によって死傷し、医療従事者は「出入りのかなわない屋根のない牢獄」と表現している。
 国際的批判の高まりを受ける形でシリア政府が物資の搬入に同意。11日、支援物資を乗せた国連などのトラックが到着した。ニュースでは頬のこけた乳児、あばら骨が浮き出た幼児の映像が流れていたが、この支援物資が子ども達の命を救うことになるのかは未知数だ。というのも、シリア政府は「これまでもマダヤに支援物資を届けたが、反政府武装勢力に奪われた」などと訴えているからだ。
 また、このような包囲網による飢餓の惨状はマダヤだけでなく、シリア国内各地で政府軍と反政府武装勢力によって引き起こされている。
 アサド独裁政権の打倒を目指して始まった反政府運動は、泥沼の内戦の結果、国民の生活を破壊し、多数の難民を生んだ。ISという凶悪な過激派組織も暗躍し、混迷の出口は見えない。
 「渇え殺し」で餓死者が続出する事態が現代で起こっているとはにわかには信じがたいが、これらを防げない国連の機能不全が問われる。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月08日

子どもの夢見る職業

 11日に「成人の日」を迎えるのにあたり、新成人の有志に抱負や将来の夢、感謝の言葉などのメッセージを募り、きょう8日の滋賀夕刊で紹介している。今年の成人式の対象者は平成7年4月2日から平成8年4月1日の生まれで、長浜市内では1259人。平成20年の成人式の1573人に比べ約2割減少し、少子化が顕著にうかがえる。
 彼ら、彼女らのメッセージを見ていると、成人式を前に「大人」や「将来」について考え、教師や看護師といった具体的な目標を掲げている新成人もいた。20歳というと、すでに社会人としてのスタートを切っていたり、大学生として就職先を意識していたりすることだろう。では、子どもの頃、大人になったらどんな仕事に就きたいと夢見ていたのだろうか。
 第一生命保険が毎年、保育園・幼稚園児、小学生を対象に「大人になったらなりたいもの」アンケートを実施している。新成人が小学3年生の頃(平成16年)は男子の1位が野球選手、2位がサッカー選手、3位が学者・博士となっていた。現在はサッカー人気に押されている野球選手だが、当時はイチローをはじめとする日本人メジャーリーガーの活躍が子ども達を興奮させていた。学者・博士は、平成12年から3年連続で日本人がノーベル賞(化学賞、物理学賞)を受賞したことで、子ども達の間で憧れが強まっていたとみられる。
 女子は1位が食べ物屋さん、2位が保育園・幼稚園の先生、3位が看護師。これは今年のアンケート調査の結果とまったく同じ傾向。変化を見つけるとすれば、当時は「お花屋さん」「美容師さん」がベスト10に入っていたが、現在は「デザイナー」「お店屋さん」が代わってランクインしている。
 では、現在の子ども達のなりたい職業は何だろうか。男の子の1位は6年連続のサッカー選手、2位は野球選手となっている。3位には警察官・刑事が入り、過去10年で最高位に。「相棒」など近年の刑事ドラマが影響していると思われる。4位には2年連続で順位を上げた電車・バス・車の運転士。こちらは北陸新幹線の開業などが影響しているのだろう。
 女の子の1位は19年連続の食べ物屋さん。NHKの連続テレビ小説「まれ」でおなじみの「パティシエ」「ケーキ屋さん」が根強い人気を下支えしている。2位は保育園・幼稚園の先生、3位は看護師でいずれも上位の定番。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月06日

野党共闘の行方

 民主、共産、維新、社民の野党4党が安全保障関連法の廃止に向けて共闘姿勢を強めている。5日には学生団体「「SEALDs(シールズ)」などで組織する「市民連合」との共同街頭演説会を東京で行い、自民党一強体制の打破を訴えた。
 それぞれ独自の政策を持つ4党が安保関連法廃止の一点だけでどれほど共闘できるのかは懐疑的ではあるが、今夏の参院選で支持率の高い安倍総裁率いる自民党に対抗するには野党候補の一本化が欠かせないという認識は理解できる。
 これら共闘は昨秋、共産党の志位和夫委員長が安保関連法廃止で結束する「国民連合政府」の樹立を呼びかけたことに起因する。志位委員長は連合政府の樹立に向け、党綱領にある「日米安保条約の廃棄」を一時停止することを明言しているほか、4日の国会開会式ではこれまで天皇陛下のご臨席を理由に出席を拒否していた共産党議員が69年ぶりに出席した。これら共産党の方針転換には、参院選での他党との共闘に向け、現実路線へと軌道を修正したという見方もできるのではないか。
 さて、野党4党が安保関連法廃止の一点で共闘するとしても、地方の現場でそれが実現するのかは未知数だろう。民主と社民は各種選挙で共闘の経験があるが、共産と民主の連携が現場レベルで成功するのかは不明で、さらに「1+1=2」とは限らない。それぞれの政党支持者が他党候補のためにどれほど本気になれるのか。全国で32ある1人区のうち民主、共産の共闘の見通しがついたのは今のところ熊本のみというのが、その難しさを証明している。
 野党が自民党一強に対抗するために共闘を模索するのは現実的な対処であろう。しかし、その共闘の鍵を安保関連法廃止としている点が、果たして有権者から支持を受けるのだろうか。いつの国政選挙でも有権者が政治に期待しているのは、景気回復や社会保障の充実といった生活に密着した課題への取り組みだ。安保関連法廃止だけを連呼していても、それに反応する有権者は限られる。

| | トラックバック ( 0 )

2016年01月04日

地方、弱者の声を政治に

 正月三が日は季節外れの暖かさで、公園ではシートを広げてピクニック気分を楽しむ家族も見られた。そんなおかしな天候での幕開けとなった平成28年の新年早々、朝刊に目を通していると、気になるニュースが2つあったので紹介したい。
 一つは、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について、防衛省が直近2年間に発注した移設事業936億円のうち730億円分が、同省・自衛隊の天下り先の業者が受注していたとする朝日新聞の調査報道だ。同紙は「移設事業で生じる利益を、国の天下り先業者が得る構図」と指摘している。移転の是非は別にして、防衛省(旧防衛庁)は平成18年の入札談合事件を機に長らく天下りの「自粛」を実践してきたはずだった。
 もう一つは東日本大震災で大津波に襲われた東北地方で進む1兆円規模の防潮堤整備が、地元の声を聞くことなく進んでいるとの産経新聞の記事。計画では岩手、宮城、福島の3県の沿岸1700㌔のうち400㌔に防潮堤を築き、中には高さが10㍍以上になるものも。国や自治体はその必要性を地元住民と議論することなく拙速に事業を進め、耕作放棄された無人島にも造ろうとしていた(現在は見直し)。
 新年早々、以上の2つのニュースに触れ、来年4月の消費税増税が無駄に思えて悲しくなる。国民から吸い上げた税金を国はきっと効率的に活用してくれないのだろう、と。
 今、経済効率を優先した市場原理主義によって、富める者はさらに富み、貧する者はさらに貧する日本となっている。「過去最高益」「ボーナス増額」などと春を謳歌するのは大企業が中心で、地方では貧困が身近で深刻な問題となっている。
 例えば、長浜市教育委員会が生活保護や市民税非課税などといった経済困窮家庭を対象にしている就学援助。その数は小学生745人、中学生435人の計1180人、全体の11・1%にのぼる。子ども9人に1人が学用品費や給食費、修学旅行費などの公的支援を受けている計算だ。そして、この数値は過去最多となっている。
 政治家が大企業だけに目を向け、官僚が東京視点で制度や政策を作る限り、地方は疲弊する。人口減少がいよいよ加速する今こそ、地方や弱者に目を向ける政治が求められる。そして今夏に行われる参院選で、切実な地方の声を政党や候補に伝えるのが我々、有権者の責任だろう。

| | トラックバック ( 0 )


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
 
長浜市
長浜市議会
長浜観光協会