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ゴルビーの指摘

 30年前、東西冷戦のさなか、米国と覇権を争うあまり国力を衰退させたソ連が行ったのが「ペレストロイカ」と呼ばれる政治改革だった。共産党独裁によって硬直化した政治を「再(ペレ)構築(ストロイカ)」しようとの取り組みで、改革と並行して「グラスノスチ」(情報公開)も進められた。これらは結果的に連邦所属国の民主化を進めたが、同時に連邦制の崩壊を引き起こすこととなった。
 改革を主導したのが1985年に共産党書記長に就任したゴルバチョフ氏だった。日本をはじめとする民主主義国では共産圏の民主化を促したとして評価され、ノーベル平和賞を受賞したが、現在のロシア国内ではソ連崩壊と国力衰退を招いたとして、評価は低い。
 そのゴルバチョフ氏が毎日新聞のインタビューに応じ、その内容が16日の紙面で紹介されている。米露対立、テロ拡散といった国際情勢の不安要素について、旧ソ連で改革の原点を生み出した氏ならではの視点で指摘している。
 現在の米露対立について「東西冷戦期の最も悪い時代を想起させる」「『熱い戦争』が現実に起きる危険性もある」と警鐘を鳴らし、両国が立場を超えて「大きな対話」をするよう訴えている。
 ウクライナ紛争については、西側諸国がロシアの利益を無視してウクライナをEUとNATOへ引っ張り込もうとしたのが原因とした。シリア内戦をはじめとする紛争については、武装勢力への武器供与を禁止することなどを盛り込んだ「反テロ協定」を国連で取り上げることを求めた。ソ連のアフガニスタン侵攻の際に、西側諸国が抵抗勢力に武器供与や訓練を行った結果、現在のテロ組織を生み出したことを指摘したうえでの提案だ。
 ロシアの現状はプーチン大統領個人による権力システムが出現しているとし、「社会を深く、長く分断し、悲劇をもたらす可能性がある」と語った。
 以上、インタビューの詳細は17日以降も同紙で「ペレストロイカから30年」をテーマに連載される。
 冷戦期の米ソ対決から、ソ連崩壊によるアメリカ一強時代、そしてプーチン大統領の台頭、アフガン戦争を機に世界に広がったテロリズム。それらを見守ってきたソ連最後の最高権力者ゴルバチョフ氏の意見に耳を傾けたい。

2015年12月16日 16:23 |


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