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流行語に見る政治

 新語・流行語大賞(ユーキャン主催)に「爆買い」と「トリプルスリー」が選ばれた。「爆買い」は中国人観光客らの旺盛の購買行動を指す言葉として広く知られているが、「トリプルスリー」は初めて聞いた人も少なくなかったようだ。プロ野球で打率3割、30本塁打、30盗塁の達成を意味し、これが流行語なのかは賛否が分かれるところだろう。
 トップ10には「アベ政治を許さない」との政治的メッセージが入ったが、内閣支持率が不支持率を上回っている現状を見ても、これが流行語というのは違和感を覚える。この先、流行語にしたいのか、それとも流行語として記録に残したいのか。
 過去の流行語大賞を振り返ると政治がらみは少なくない。第1回の昭和59年は「鈴虫発言」が選ばれている。前年、ロッキード事件で田中角栄元首相に有罪判決が下され、同年の総選挙では政治倫理問題が問われた。その際、中曽根康弘首相が「倫理、リンリとまるで鈴虫が鳴いているようだ」と語ったことに由来する。
 近年で目立つのは小泉純一郎元首相の語録。平成13年に圧倒的な国民の支持を背景に首相に就任し、「米百俵」「聖域なき改革」「骨太の方針」といったフレーズが流行となった。17年の郵政民営化の是非を問う総選挙では「刺客」「くのいち候補」が登場し、自民の圧勝は「小泉劇場」と呼ばれた。
 19年の「消えた年金問題」などで自民党が国民の支持を失い、21年に民主党へ「政権交代」となった。民主党は「事業仕分け」を公開実施して官僚を責め立てて改革をアピールし、みんなの党の渡辺喜美代表が「脱官僚」を訴えたのもこの頃だった。民主党政権は鳩山由紀夫氏、菅直人氏の両首相が国民の支持を失い、23年に登場したのが野田佳彦氏。地味でも実直な政治を目指すことを訴え、華やかな金魚と対比して「どじょう内閣」と呼ばれた。
 結局、民主党にも国民が愛想を尽かし、24年には「第3極」として橋下徹氏率いる「維新」が注目された。その後、自民党の安倍政権が誕生してからは「アベノミクス」「特定秘密保護法」「集団的自衛権」などが流行語に取り上げられている。
 流行語でその時々の政治の動きを追うのも、国民の関心がうかがえて面白い。

2015年12月04日 16:29 |


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