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「時評」連載56年

 「時評」は昭和34年の滋賀夕刊の創刊当初から押谷盛利氏が欠かさず執筆してきた。計算すると56年にもなる。硬軟織り交ぜながら様々なジャンルに独自の視点で批評を加えてきたが、その根底には人間讃歌があったように、今、思い返される。読者の皆さんはどのようなコラムが印象に残っているだろうか。
 小生が滋賀夕刊に入社した際には氏はすでに70歳を超えていたが、その執筆姿勢は年齢を感じさせなかった。執筆の裏舞台を少し紹介すると、原稿は万年筆による手書きで、頭の中ですべての文章を組み立ててから一気に書き上げる。
 万年筆で流れるように書く、ひどく崩した文字を一つ一つ拾い上げてキーボードで打ち込む作業は、氏の文字を知る特定の社員しかできない仕事だった。締め切り時間が過ぎてから提出される原稿、どう崩したのか読めない文字。印刷時間が迫る中、編集担当者がてんてこ舞いとなるのは、滋賀夕刊では日常だったが、今日はどんな話題が紙面を飾るのだろうかと楽しみでもあった。
 そういう作業がなくなることを寂しく思うが、それ以上に読者に氏のコラムをお届けできなくなったことが残念でならない。2年前に卒寿を迎え、自然の摂理からは逃れようもない。その衰えが原稿として表に出る以上、「筆を置く」というのが氏の決断だった。
 今後は読者の皆さんとは短歌や俳句など別のカタチで再会することとなるかもしれない。

2015年12月02日 16:17 |


過去の時評


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