滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2015年12月28日

一年を振り返って

 きょう28日での納刊にあたり、この1年間のニュースを振り返りたい。
 新年早々に市民を驚かせたのは官製談合防止法違反容疑で長浜市職員が逮捕された事件。全面開業して間もない新庁舎に警察の家宅捜索が入った。職員の不祥事はこの後も続いた。
 火災が印象に残った年だった。3月には湖岸の料亭旅館「浜湖月」から出火し、本館が全焼した。けが人がなかったのが幸いで、来春にも新しい施設が完成する見込み。昨年から長浜、米原両市内で発生していた連続放火事件は2月に犯人の男が逮捕された。また、自身が勤務していたラーメン店などを狙った放火魔も10月に逮捕となった。
 特殊詐欺の被害も目立った。3月に810万円、6月に1050万円、11月に900万円など、100万円を超える被害が長浜市内で7件。詐欺を誘発する電話も減ることがなかった。
 明るい話題も少なくなかった。長浜北高出身で、大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授の坂口志文氏が2月に「ノーベル賞の登竜門」とも言われるガードナー国際賞を受賞。9月のノーベル賞発表の際には生理学・医学賞の有力候補として期待が高まった。
 水球競技では、長浜北星高出身の吉田拓馬選手の所属する日本代表チームがアジア大会で優勝し、来年のリオデジャネイロ五輪への出場を決めた。吉田選手がベンチ入りを果たせば長浜市から32年ぶりの五輪出場となる。
 そして、年明けの楽しみはアメフトの日本一を決めるライスボウル(1月3日)。パナソニックと立命館大による頂上決戦に、脇坂康生選手(パナソニック)をはじめ、長浜出身の6人が出場する。
 地域課題としては気がかりだったのは、長浜高と長浜北高の統合新校「長浜北高校」の行方。校名の選定をめぐる対立を生み出すなど県教育委員会の不手際が目立った。また、長浜市は旧市役所跡地開発や豊公園再整備を計画しているが、市民の声がどれほど反映されているのか疑問に感じた。役所の理論と都合だけで進めることなく、市民の声をくみ上げる工夫が欠かせない。米原市では新しい市役所の位置が決まらないまま年を越すこととなった。坂田郡4町合併の推進のため、課題となる本庁舎の位置を棚上げしたことが発端だが、合併から10年を経過した現段階になっての議論に市民は何を思うのか。将来に禍根と負債を残さない形での決着が望まれる。
 人口減少に応じた社会構造への変革が迫られる中で登場した「地方創生」は今のところ「掛け声だけ」との印象。東京一極集中を打開するような好材料を国は提示できていない。人口減少が今後も加速度的に進むのは避けられない。若者が減り、空き家が増え、田畑が捨てられ、自治会や集落の支え合いの機能が弱まる。年末年始に家族、親族が集うのを機会とし、それらの課題を話し合ってはいかがだろう。

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2015年12月21日

SWで盛り上がる映画

 人気SF映画「スター・ウォーズ」の最新作「フォースの覚醒」が封切られ、世界で旋風を巻き起こしている。
 北米(アメリカ、カナダ)では17日にレビュー、18日に一般公開され、映画館はスター・ウォーズ一色。「公開初日夜の興行収入が歴代記録を更新」「週末興行収入、北米で新記録、世界で620億円超」などと、その熱狂ぶりを新聞やテレビが伝えている。
 同映画は1977年に公開された「新たなる希望」(エピソード4)をはじめ、過去に6作品が上映されている。物語は人間を含む数々の異星人が暮らす銀河共和国を舞台に、万物を司る力「フォース」を操る正義と悪の闘いを描いたもの。「ダースベイダー」「ルーク・スカイウォーカー」「C—3PO」「R2—D2」など魅力的な登場人物やロボットに加え、多彩な異星人、マシーンなどに代表される世界観がファンを魅了し続けている。また、ハリソン・フォードは38年前の1作目と同様、今作にも出ている。
 このシリーズの生みの親はジョージ・ルーカスだが、今作はディズニーが約40億ドルでルーカス・フィルムから権利を買収しての第1作。ディズニーのスター・ウォーズとして絶対に失敗が許されない上映となっている。
 さて、アメリカ発のスペース・ファンタジーに対して、邦画では12月上旬から上映の「杉原千畝」に注目したい。第2次世界大戦下、ナチスドイツの迫害から国を追われたユダヤ人約6000人を救ったリトアニア日本領事代理を描いた物語。外務省の指示に反して、ユダヤ人難民を第3国に逃すためビザを発給し続けたことで知られ、強制収容所のユダヤ人1200人を救ったオスカー・シンドラーになぞらえ「東洋のシンドラー」とも称される。戦争による難民への対処という視点では、今の欧州でのシリア難民に通じる背景があろう。
 小生としては「杉原千畝」にヒットして欲しいところだが、スター・ウォーズの対抗馬はアニメ「妖怪ウォッチ」となりそうだ。こちらは19日に公開されたばかり、子ども連れでどうぞ。

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2015年12月18日

あれこれ思う年の瀬

 最近のニュースで感じる疑問や感想を列挙したい。
 一つ目は北陸新幹線敦賀以西のルート問題。滋賀県は東海道新幹線米原駅への接続を呼びかけ、知事が熱心に売り込んでいる。しかし、滋賀県民とってどれほど利便性が増し、どれくらいの経済効果をもたらすのか説明がない。北陸新幹線の誘致によってJRから経営分離されるかもしれない敦賀—米原の在来線(北陸本線)は、いったい誰が責任を持って維持するのか。沿線住民は新幹線誘致よりも、在来線の車両、ダイヤの充実を求めているというのに。
 二つ目は消費税10%引き上げに伴う軽減税率の導入。「食品全般」を対象とするのは理解できるが、新聞が追加されることに疑問符をつけたい。日本新聞協会は「報道・言論によって民主主義を支えるとともに、国民に知識、教養を広く伝える役割を果たしている」との談話を発表した。しかし、対象は新聞の「定期購読」だけで、駅やコンビニで買うのは当てはまらない。勘の鋭い読者がお気付きのように、ようは部数減少に歯止めがきかない新聞販売店の保護策であり、政治と新聞の癒着である。「民主主義を支える」と自負するのならば、書籍や週刊誌にも対象を広げるよう強力にキャンペーンを張り「新聞だけなら受け入れられない」と突っぱねて欲しいところだ。国民感情に鈍感な我田引水では、新聞への不信感が高まる。
 三つ目は夫婦の姓に関する最高裁判決。面白いのはそれを報じた新聞の見出しで、別姓に反対の新聞は「夫婦同姓、合憲」、選択的夫婦別姓を推奨する新聞は「夫婦別姓禁止、合憲」と掲げた。
 裁判を機に夫婦同姓・別姓がもたらす利益と不利益、そして社会の最小単位である「家族」の姿について多様な議論があったが、とりあえず明治31年にスタートした制度は117年目も生き残ることとなった。ただ、今後も離婚の増加、女性の社会進出に伴って、夫婦同姓が不利益と感じる世論が高まれば、国会において法改正が議論されることだろう。
 四つ目は産経新聞前ソウル支局長の無罪判決裁判。日本人記者が日本語で日本人向けに書いた記事が「気に入らない」からと、右翼の告発を受けた韓国検察が大統領府の意を忖度して起訴した。「普通」の民主主義国なら無罪判決どころか、起訴もあり得ないが、「情治」国家と揶揄されるゆえん、判決がどう転ぶか分からなかった。さらに異常なのが、外交問題をこれ以上こじらせたくない韓国外務省が裁判所に対して日韓関係などを考慮し善処するよう要請したこと。司法の独立を疑う事象であろう。

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2015年12月16日

ゴルビーの指摘

 30年前、東西冷戦のさなか、米国と覇権を争うあまり国力を衰退させたソ連が行ったのが「ペレストロイカ」と呼ばれる政治改革だった。共産党独裁によって硬直化した政治を「再(ペレ)構築(ストロイカ)」しようとの取り組みで、改革と並行して「グラスノスチ」(情報公開)も進められた。これらは結果的に連邦所属国の民主化を進めたが、同時に連邦制の崩壊を引き起こすこととなった。
 改革を主導したのが1985年に共産党書記長に就任したゴルバチョフ氏だった。日本をはじめとする民主主義国では共産圏の民主化を促したとして評価され、ノーベル平和賞を受賞したが、現在のロシア国内ではソ連崩壊と国力衰退を招いたとして、評価は低い。
 そのゴルバチョフ氏が毎日新聞のインタビューに応じ、その内容が16日の紙面で紹介されている。米露対立、テロ拡散といった国際情勢の不安要素について、旧ソ連で改革の原点を生み出した氏ならではの視点で指摘している。
 現在の米露対立について「東西冷戦期の最も悪い時代を想起させる」「『熱い戦争』が現実に起きる危険性もある」と警鐘を鳴らし、両国が立場を超えて「大きな対話」をするよう訴えている。
 ウクライナ紛争については、西側諸国がロシアの利益を無視してウクライナをEUとNATOへ引っ張り込もうとしたのが原因とした。シリア内戦をはじめとする紛争については、武装勢力への武器供与を禁止することなどを盛り込んだ「反テロ協定」を国連で取り上げることを求めた。ソ連のアフガニスタン侵攻の際に、西側諸国が抵抗勢力に武器供与や訓練を行った結果、現在のテロ組織を生み出したことを指摘したうえでの提案だ。
 ロシアの現状はプーチン大統領個人による権力システムが出現しているとし、「社会を深く、長く分断し、悲劇をもたらす可能性がある」と語った。
 以上、インタビューの詳細は17日以降も同紙で「ペレストロイカから30年」をテーマに連載される。
 冷戦期の米ソ対決から、ソ連崩壊によるアメリカ一強時代、そしてプーチン大統領の台頭、アフガン戦争を機に世界に広がったテロリズム。それらを見守ってきたソ連最後の最高権力者ゴルバチョフ氏の意見に耳を傾けたい。

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2015年12月14日

軽減税率の導入

 平成29年4月の消費税10%への引き上げに際し、税率を現状の8%に据え置く軽減税率の対象を「食品全般」とすることで自民、公明が合意した。
 軽減税率は生活必需品に対する税率を抑制することで、低所得者層の負担を軽減するのが目的だ。
 どの食品を対象とするかで自民、公明で駆け引きがあったが、生鮮食品や加工食品を含む「食品全般」が対象となり、「外食」は外れることとなった。
 牛丼店やハンバーガー店など店内飲食と持ち帰りの両方を扱っている外食店は2通りの税率となりそうだ。店内で飲食すれば外食扱いで10%だが、商品を持ち帰る際は「加工品」扱いの8%となることが予想される。消費者にとって「線引きが分かりにくい」との指摘も懸念されるところだが、欧州では同様の制度が定着しており、戸惑うのは導入当初だけだろう。
 さて、軽減税率の導入は税収減に直結するため、財務省や自民党は「生鮮食品」のみとして対象を小規模にしたかった。しかし、負担軽減を訴える公明党に押し切られた形だ。自民党が公明党との関係、つまり今後も手厚い選挙協力を得るために譲歩したのだが、財政健全化という国家的課題よりも、選挙という党課題を優先したとも受け取れる。
 軽減税率の導入にともなって約1兆円の財源不足が生じるが、これらをどう補填するのか。目下、決まっているのは低所得者の医療費などの自己負担を軽減する「総合合算制度」の導入見送りによる4000億円の確保のみ。残りの6000億円については先送りした。
 歳入を削っておきながら、歳出を放っておくのは無責任極まりない議論だが、こうした無責任な財政運営が、今の日本の赤字を膨らませた。

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2015年12月11日

COP21での対立

 12月も中旬に入ったというのに、今朝の暖かさは9月下旬並みとなった。冬眠を準備していた動物達も春の到来と錯覚したかもしれない。
 米原市の奥伊吹スキー場は雪不足のため、あす12日のオープンを見送ったが、全国のスキー場が今冬の開業を遅らせている。スキーのメッカである長野県でも各地のゲレンデが雪不足と暖冬で開業を延期し、開業しているのは全85施設中13施設にとどまっているそうだ。開業しているスキー場でも山頂部の一部でしか滑れない状態で、全面開業には程遠い状態という。
 これら雪不足は南米ペルー沖の海面水温が上昇するエルニーニョ現象によって、冬型の気圧配置が緩んでいることが影響している。
 エルニーニョとはスペイン語の直訳で「男の子」を意味するが、12月ごろにペルー沖で発生する暖流について地元の漁師がクリスマスにちなんでイエス・キリストを意味する「エルニーニョ」と呼んでいたことに由来するそうだ。
 ちなみに、海面水温が低下する現象は「ラニーニャ現象」と呼ばれ、こちらは「女の子」の意味。
 季節はずれの気候をもたらすエルニーニョ現象は、その発生原因がまだ解き明かせていない。地球の持つ自然現象のひとつではあるが、近年は地球温暖化との関連性も指摘される。温室効果ガス(CO2)の排出増加による地球温暖化が進めば、エルニーニョ現象のような海面水温の上昇が増えるとされている。
 その温暖化対策を話し合っている国際会議「COP21」」はきょう11日に最終日を迎える。先進国と途上国の利害が対立し、産業革命前からの気温上昇幅の基準を1・5度に抑制するのか、2・0度とするのか、先進国から途上国への資金援助の具体的金額をどうするのか、など難しい交渉が進んでいる。地球の将来を占う局面で、なお各国が利害を対立させる有様に、地球上に生きる人間以外の生物は何を思うのだろうか。

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2015年12月09日

学校の統廃合

 未婚、晩婚、少子化によって深刻化する日本の人口減少。総務省によると今年1月1日時点の日本人の人口は前年比約27万人減の1億2616万人で、6年連続の人口減少となっている。
 都道府県別に比較すると41道府県で人口が減少し、市区の77%、町村の88%で減少した。人口が増加したのは東京、沖縄、埼玉、神奈川、愛知、千葉の6都県のみで、東京圏への一極集中が顕著にあらわれている。
 近畿6府県で唯一、増加傾向にあった滋賀は平成26年から減少に転じた。京阪神のベッドタウンとしての割安感、大学や企業の進出が人口増加を支えてきたが、最近は働き口を求めて若者が大都市圏へ流出している。
 長浜市の人口は平成22年の市町合併時に12万6436人にいたが、今年12月1日時点で12万1080人へと、5300人余りが減少している。年間約900人が減少している計算だ。
 そこで直面するのが人口の規模や構造に合わせた施設や制度の変革だ。そして、その変革が避けられない教育施設には、住民や保護者の未来志向の判断が求められている。
 長浜市でも少子化によって学校規模が縮小し、今後は複式学級を余儀なくされる学校が増えることとなる。市教委が西浅井、余呉の両地域で構想する小中一貫教育校の創設も、少子化による学校小規模化への対策で、将来的には学校の統合を目指した動きとなる。また、木之本地域や浅井地域でもいずれ、学校の統廃合が避けられないのではないだろうか。
 昨年3月、野瀬町にあった上草野小学校は下草野小学校(当目町)との統合に伴って廃校となった。児童数の減少が深刻化する上草野小の児童の教育環境の充実を願い、保護者や地域住民が心苦しくも地元のシンボルでもある小学校の廃校を選択したという経緯がある。
 廃校は地域住民からすれば活力を奪われるような苦渋の決断ではあるが、いかに良好な教育環境を維持するのか、という視点を大切にしたい。そういう視点に立てば上草野小と下草野小の統合はモデルケースであろう。自治体は保護者や住民の願いに耳を傾け、住民は教育上、財政上の課題を学び、今後の学校の統合においても双方が思いを一致できる結論が導き出されることを期待する。

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2015年12月07日

食卓の再点検を

 地球温暖化防止のため「COP21」と呼ばれる国際会議が目下、パリで開かれている。温暖化は海水面の上昇、食糧不足、豪雨、水不足、生態系への悪影響を引き起こすことが指摘されているが、地球温暖化の原因をつくってきた先進国と、経済発展を優先したい途上国との間には大きな溝がある。もし、実効性のある対策がまとまらなければ、途上国や新興国の急速な経済成長によってCO2の排出量は増え続け、地球温暖化が一層、進行することとなる。
 CO2排出量を各国がどれだけ削減するのか、その方針は政府に任せるとして、家庭では何に取り組むべきだろうか。全国地球温暖化防止活動推進センターによると、家庭生活からのCO2排出量は、自家用車が3割、冷暖房が2割を占め、以下、水道・給湯、冷蔵庫、調理・食洗などと続く。ゆえに節電をはじめとする省エネ生活が基本方針となる。
 省エネ以外で、地球温暖化防止の観点で語られるのが「地産地消」と、その派生語の「旬産旬消」だ。
 地産地消は地元で生産した農産物や水産物を地元で消費することを指し、「フードマイレージ」の削減につながる。マイレージは「輸送距離」の意味で、海外など遠方の食料を求めることは環境的輸送コストであるCO2の排出量を増加させる。よってフードマイレージをできるだけ小さくするには、輸送距離の短いところ、つまり国内や県内で生産された食品を選ぶことが大切となる。
 旬産旬消は露地栽培の農産物などを旬の時期に消費することを意味する。旬のもの以外を生産・消費しようとすれば、暖房に燃料を使用するハウス栽培が欠かせず、結果としてCO2を増やすこととなる。スーパーに行けば季節を問わずに多彩な野菜が並ぶが、一般的に旬の食材は栄養価が高いとされる。
 COP21をパリの話と思わずに、家庭の食卓を再点検する機会としてはいかがだろうか。

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2015年12月04日

流行語に見る政治

 新語・流行語大賞(ユーキャン主催)に「爆買い」と「トリプルスリー」が選ばれた。「爆買い」は中国人観光客らの旺盛の購買行動を指す言葉として広く知られているが、「トリプルスリー」は初めて聞いた人も少なくなかったようだ。プロ野球で打率3割、30本塁打、30盗塁の達成を意味し、これが流行語なのかは賛否が分かれるところだろう。
 トップ10には「アベ政治を許さない」との政治的メッセージが入ったが、内閣支持率が不支持率を上回っている現状を見ても、これが流行語というのは違和感を覚える。この先、流行語にしたいのか、それとも流行語として記録に残したいのか。
 過去の流行語大賞を振り返ると政治がらみは少なくない。第1回の昭和59年は「鈴虫発言」が選ばれている。前年、ロッキード事件で田中角栄元首相に有罪判決が下され、同年の総選挙では政治倫理問題が問われた。その際、中曽根康弘首相が「倫理、リンリとまるで鈴虫が鳴いているようだ」と語ったことに由来する。
 近年で目立つのは小泉純一郎元首相の語録。平成13年に圧倒的な国民の支持を背景に首相に就任し、「米百俵」「聖域なき改革」「骨太の方針」といったフレーズが流行となった。17年の郵政民営化の是非を問う総選挙では「刺客」「くのいち候補」が登場し、自民の圧勝は「小泉劇場」と呼ばれた。
 19年の「消えた年金問題」などで自民党が国民の支持を失い、21年に民主党へ「政権交代」となった。民主党は「事業仕分け」を公開実施して官僚を責め立てて改革をアピールし、みんなの党の渡辺喜美代表が「脱官僚」を訴えたのもこの頃だった。民主党政権は鳩山由紀夫氏、菅直人氏の両首相が国民の支持を失い、23年に登場したのが野田佳彦氏。地味でも実直な政治を目指すことを訴え、華やかな金魚と対比して「どじょう内閣」と呼ばれた。
 結局、民主党にも国民が愛想を尽かし、24年には「第3極」として橋下徹氏率いる「維新」が注目された。その後、自民党の安倍政権が誕生してからは「アベノミクス」「特定秘密保護法」「集団的自衛権」などが流行語に取り上げられている。
 流行語でその時々の政治の動きを追うのも、国民の関心がうかがえて面白い。

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2015年12月02日

「時評」連載56年

 「時評」は昭和34年の滋賀夕刊の創刊当初から押谷盛利氏が欠かさず執筆してきた。計算すると56年にもなる。硬軟織り交ぜながら様々なジャンルに独自の視点で批評を加えてきたが、その根底には人間讃歌があったように、今、思い返される。読者の皆さんはどのようなコラムが印象に残っているだろうか。
 小生が滋賀夕刊に入社した際には氏はすでに70歳を超えていたが、その執筆姿勢は年齢を感じさせなかった。執筆の裏舞台を少し紹介すると、原稿は万年筆による手書きで、頭の中ですべての文章を組み立ててから一気に書き上げる。
 万年筆で流れるように書く、ひどく崩した文字を一つ一つ拾い上げてキーボードで打ち込む作業は、氏の文字を知る特定の社員しかできない仕事だった。締め切り時間が過ぎてから提出される原稿、どう崩したのか読めない文字。印刷時間が迫る中、編集担当者がてんてこ舞いとなるのは、滋賀夕刊では日常だったが、今日はどんな話題が紙面を飾るのだろうかと楽しみでもあった。
 そういう作業がなくなることを寂しく思うが、それ以上に読者に氏のコラムをお届けできなくなったことが残念でならない。2年前に卒寿を迎え、自然の摂理からは逃れようもない。その衰えが原稿として表に出る以上、「筆を置く」というのが氏の決断だった。
 今後は読者の皆さんとは短歌や俳句など別のカタチで再会することとなるかもしれない。

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