滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2014年08月30日

身も心も細る失意の底

 間もなく終わる8月だが、朝日新聞は、人間でいえば身も心も細る失意のどん底をうごめいている。
 朝日は、今年8月5日、慰安婦問題を考える特集記事でこれまで報道してきた慰安婦の強制連行の記事を32年後に取り消した。強制連行というありもしないウソを拡散し続け、日本と日本国民の名誉を傷つけた責任は8月が終わっても追及される。
 朝日が8月5日に記事を取り消したさい、なぜ、責任を明らかにし、社長以下、編集局長、執筆記者らが頭を丸めて国家と国民に謝罪しないのか。朝日に対するごうごうたる非難の声は、テレビ、新聞、週刊誌に途絶えた日はない。
 8月28日の、産経、読売は「朝日、週刊文春広告を掲載拒否」と報じた。
 産経記事によると、文藝春秋は、28日発売する週刊文春(9月4日号)の新聞広告掲載を拒否されたとして、朝日に厳重抗議したと発表した。
 抗議文では「言論の自由を標榜する社会の公器としてあるまじき行為」と批判。朝日は「当該の広告は論評の範囲を著しく逸脱し、本社の社会的評価を低下させるもので、掲載に応じられない」とコメントを出した。
 28日の読売に出た4段ぶちぬきの広告は、一つは週刊文春(9月4日号)。いま一つは週刊新潮(同)。
 念のため、二つの週刊誌の広告欄の見出しの関係分を紹介する。
 週刊文春=「なぜ日本を貶めるのか?追及キャンペーン第2弾」。
 この見出しの下に「朝日新聞売国のDNA」として7項目をあげている。最後に評論家・徳岡孝夫氏の特別寄稿「朝日新聞は罪深い聖書である」。
 ついでながら、同様の4段ぶちぬきの「週刊新潮」の広告にふれる。
 最初に「朝日新聞社の辞書に『反省』『謝罪』の言葉はない」。続いて大きく「1億国民が報道被害者になった従軍慰安婦大誤報」。
 このあとに「書き写しノートで商売している天声人語の加担」「自虐史観が木霊して声欄に掲載480回」「長年の読者が見限り始めて部数がドーン」「なぜ朝日・木村社長は記者会見しないのか」「高校野球主催から降りろ、まであるクレームの嵐」と続く。
 ワック出版から出ている月刊誌WILL(ウィル)は10月号で「朝日新聞の従軍慰安婦は史上最悪の大誤報だった」と報じている。
 このなかで注目されるのは作家の百田尚樹氏の「朝日論説委員と記者の皆さんへ」の呼びかけである。
 「君たちはいったい何が目的なのか。この社会を良くしていきたいのか。それとも悪くしていきたいのか。君たちの捏造報道のせいで、日本と韓国の関係がどれだけ悪くなったのか。日本人が世界から信頼と尊敬をどれだけ失ったか。日本の国益がどれほど損なわれてきたのか。わかっているのだろうか。それとも君たちの本当の目的は、日韓の関係をこじらせ、世界中に日本人は恥ずべき民族であることを広めるのが目的なのか。
 もし、君たちが日本人の誇りと名誉と信用を守りたいという意思があるなら、日本と韓国の真の友好を望むなら、いますぐ世界と韓国に向けて『吉田証言は嘘である』と、記事を大々的に発表すべきである。そしてすべての日本人に謝罪すべきである。それをやりたくないというなら朝日新聞こそ日本人の敵であり、社会の敵であることを自ら証明したことになる」。【押谷盛利】

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2014年08月28日

広島の土砂災害から学ぶ

 広島市の豪雨に伴う土砂災害の大規模な被害に対し、今後どう向き合っていけばいいのか。読売新聞は23日付紙面で、災害研究の3氏の意見を特集している。
 都市政策専門の明大教授・青山佾氏は、昨年伊豆大島で起きた土砂災害について、24時間、800㍉という世界平均年間降水量に匹敵する雨で、過去500年間、崩れなかった山が崩れた。北京では乾燥した土地なのに集中豪雨で洪水が頻発、ロンドンでも洪水があった、と前置きし、今の異常気象では、これまで数百年住んできた所も危険になった。都市計画のあり方を変え、危険な地域から撤退すべきだ、と説く。
 静岡大学の防災総合センター教授・牛山素行氏は、今回の広島の雨は記録としては大きな数字ではない。総雨量も3時間雨量も全国の雨量の中では全く目立たない。今回の雨は広島にとっては非常に大きい雨だったといえるが、自然災害としては、そこまで激しい雨ではないにもかかわらず、人的被害がここまで広がった要因として指摘すべきは土砂災害の起きるような場所に家がたくさん張りついていたこと。都市部の住宅密集地が山の近くまで広がっているのは広島市の特徴だろう。被災地は災害についてノーマークだったわけではなく、様々な法律に基づき危険箇所に指定されている場所ばかりだ。土砂災害では家ごと流されることもあり、2階が安全とは言い切れぬ。
 東京女子大名誉教授で、災害リスク専門の広瀬弘忠氏は、気候変動の影響もあってか、局所的、集中的な大雨が降るようになり、それが想定外の大災害を引き起こす。都市も無縁ではない。地下街や地下空間が至るところにあり、豪雨で冠水する危険がある。広島の土砂災害は災害に対する考え方を変えねばならぬことを示したといえる。都市部の地下街や地下鉄などは多数の人が集まるから情報がないと混乱する。避難勧告、その他情報の伝達の手段を充実させ、夜間の大雨の場合、家の中の方が安全という安全神話も見直さねば、と訴えている。
 いずれにしても最近の世界をめぐる異常気象は、いつ被害地、被害者になるか、全く予想がつかないので、危険情報の早期発信、危険箇所から逃げる勇気が望まれる。【押谷盛利】

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2014年08月26日

滋賀県にも豪雨は来る

 台風、地震、洪水など自然界に起こる異変を「天変地異」という。
 昔の人は「地震、雷、火事、親父」と恐れたが、自然界に起こる災害は地球に人間が住み始めて以来の宿命であろうか。
 天変地異説がある。天変地異によって、地球上の生物はほとんど絶滅し、残ったものが地球上に広がることを繰り返したとする説。
 それを裏書きするのが、旧約聖書の「ノアの方舟」。創生期での地球の話。神が人類の堕落を怒って起こした大洪水に際し、神の指示に従ってノアは箱形の大舟をつくり、家族とオス、メス、一対のすべての動物を引き連れて乗り込み、そのため人類や生物は絶滅しなかったという。
 今回の広島市北部の豪雨に伴う土砂災害は多くの人命と住宅を奪ったが、災害を防ぐ方法はあったのか。全国各地で起こり得る山崩れや土砂災害にどう向き合えばいいのか。あまりにも深刻な問題を待ったなしに見せつけた。
 日本は山地が7割、平地が3割で、洪水時の田畑の流失や人命被害は宿命的で、ノアではないが、逃げなければ消滅する。
 昭和34年の伊勢湾台風で姉川は決壊し、人家の流失や床上浸水で、長浜の被害は記録的だった。和歌山県潮岬に上陸した台風は名古屋から富山湾を通り三陸沖へ抜けたが、死者行方不明5101名という残忍な爪跡を残した。
 いま、日本国土をまだら模様に荒らし続けている集中豪雨現象はまさに天変地異そのものだが、天の神の気まぐれというか、いつ、どこに災害の豪雨をもたらすのか。実に不安な情況といえる。
 例えば、甲子園で、連日、高校野球が行われていたが、その日に池田市や福知山、京都などで、豪雨注意報や避難情報が発せられた。関西が雨で大騒ぎしていると思いきや、今度は北陸に集中豪雨というあんばいで、あれほどの大被害をもたらした広島で再び豪雨が、という予報が人々の心を困惑させる。
 滋賀県は、これまで、湖南の一部を除き、豪雨による被害はなかったが、もし、今後、鈴鹿山系や伊吹山、霊山、金糞岳山系などに一時間、200〜300㍉の集中豪雨が何時間も続けばどんな災厄をもたらすか。さらに言えば、何日もの長雨のあと、瞬間豪雨に見舞われれば、予測のできない大惨事が起こりかねない。
 過去、助かったからといって、今後、雨の心配なしと油断すればそれこそ悔いを後世に残すことになる。長浜市内では619カ所、米原市では199カ所が警戒区域に指定されているが、行政と地元自治会で、どれほどの切実感で対処しているだろうか。住民の覚悟はできているだろうか。
 豪雨は必ず来る、そういった現実みを帯びた物心の用意を欠いてはならない。【押谷盛利】

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2014年08月21日

原発事故と安全電源

 記録的な猛暑で職場も家庭もクーラーがフル稼働している。電気代はともかく、クーラーなしでは体がへばってしまう。電気の有り難さを知ると同時に気になるのが電源。万一の場合の放射線リスクを考えれば、百人が百人、他の安全な電源を期待する。口先で危険を百万言費やしても、現実に原発に代わる電源を開発しなければ日本人の心は休まらない。
 問題は代わりの電源がお目見得するまでの現在の原発の安全管理と日本人の心の備えである。
 福島の原発事故は3年前の2011年3月だが、チェルノブイリの原発事故はその28年前の1986年4月26日だった。
 当時はソ連だったが、ウクライナの首都キエフの北100㌔の町での大爆発はヨーロッパを中心に広く放射能汚染をもたらした。チェルノブイリの悲劇は、いまなお語りぐさとなり、福島原発事故と対比される。
 WHO(世界保健機関)の放射線プログラム専門科学官で、現在、福島県立医大副学長、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一教授は事故後の1週間目から福島へ移り、県民の健康リスク管理に尽くしている。
 氏は、チェルノブイリの医療支援に20年以上携わり、被曝医療研究に当たってきた権威者だからその発言は傾聴したい。
 2年前の月刊誌「致知」9月号に「福島原発の健康被害はチェルノブイリと比較にならぬほど軽微である」と述べている。
 「チェルノブイリでは、事故当時0歳から10歳だった20万人を10年間、継続検査した結果、事故直後に汚染された牛乳を飲んだ子供たちから多くの小児甲状腺ガンが発症していた。同地では、ガン発症の子供たちに適切な食の安全管理がされず、100〜4000㍉シーベルトという多量の放射性ヨウ素に甲状腺が被曝した。その点、福島原発事故の健康被害は軽く、幸いにも放出された放射性物質の約8割は風によって海へ流され、放射線被曝による死亡は一人も出ていない」。
 「今後もし、原発事故が起こった際、いかに対応するかが、緊急課題であり、安全神話から脱却し、まず事故ありきというスタンスに切り替えて国際的な有事に備えねばならぬ。その一つに緊急被曝医療体制の整備とハード面の原発安全とともに周辺住民の安全をいかに守るかが重要」。
 「チェルノブイリでの支援活動では、直接被曝による身体的被害以上に放射線に対する不安や恐怖がもたらす精神的影響の大きさに衝撃を受けた。多くの人が睡眠障害、アルコール依存症、うつ病、その他の身体不調に苦しみ、自殺や一家離散などの悲劇を目撃した」。
 こうした専門家の声に耳を傾け、十分な意識変革とともに原発銀座若狭を控えている高島と湖北の行政には寸分の手抜かりも許されない。【押谷盛利】

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2014年08月19日

一銭五厘で命を奪う肉弾

 敗戦69年というので、お盆前後は戦争や原爆に関する報道が目立った。
 ぼくは、今も合点のゆかない言葉が一つある。それは「肉弾」である。辞書には「人間の肉体を弾丸として、敵陣に突入すること」とある。そして、その語源は、日露戦争を描いた桜井中温の戦記小説「肉弾」による、とある。
 「一銭五厘で召されし兵は肉弾に けふ敗戦忌兵はいづこに」。
 これはぼくの最近の短歌である。
 古き時代を知る人は少なくなったが、読者のうち、何人が「二百三高地」を知っておられるだろうか。
 明治37、38年の日露戦争(1904〜05年)の激戦地で、旧満州(中国東北部)の大連近く、旅順にある標高203㍍の高地で、難攻不落といわれたロシア軍の要塞があった。この要塞を撃破することが、旅順港を支配することになり、同時にロシア軍を退却させる最大の戦略だった。第3軍司令官・乃木希典大将は戦死者の山なす攻撃を繰り返したが、要塞は陥落せず、更迭された。
 この戦の山場が「二百三高地」で、日本軍の犠牲者は何万人にも及び、遂に児玉源太郎の指揮によって敵陣地の中核・二百三高地を占拠。これによって旅順は陥落し、ロシア軍は奉天へ敗走した。
 国民は戦勝に酔い、二百三高地をまねて、女性の新しい髪型をつくった。したがって、二百三高地は明治38年当時から流行したハイカラな女性の束髪だった。
 肉弾攻撃は以来陸軍のおはこでもあり、それをさらに大衆化させたのが、昭和7年(1932)の上海事変における「肉弾三勇士」だった。
 中国軍の頑強な要塞が日本軍の前進を阻止した。この要塞を撃破するため日本軍は3人の兵を肉弾としてダイナマイトを抱えて突入させた。大音響とともに要塞は空高く土煙をあげ、日本軍はなだれを打って敗軍の敵を掃討した。
 昭和7年生まれのぼくの後輩は親から「三勇」の名をつけられた。
 以来日本軍は、太平洋戦争でもことごとく弾丸の代わりに肉弾を使った。特攻は肉弾の象徴的悲劇だった。
 軍にこびいったのか、日本のマスメディアは、さも美談の如く、かるがるしく肉弾なる言葉を使った。敗戦必至の昭和20年には1億総肉弾で竹やり戦術を鼓吹した。
 軍備不足を肉弾でカバーする不法なたくらみを煽るような日本の新聞の背徳を今こそ総括しようではないか。【押谷盛利】

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2014年08月12日

日本の平和運動とスパイ

 日本に秘密保護法(スパイ防止法)が生まれたのは、昨年の国会だったが、こんな大事な法律を一部のマスメディアや左翼政党は戦争と結びつけて反対した。その一年前、2012年の「正論」8月号に、「日本はスパイ天国であり、国家機密が洩れている」と警告したのは、元警視庁公安部長、内閣情報調査室長の大藤義夫氏だった。
 その年の6月、在日中国大使館の1等書記官によるスパイ騒ぎがあり、表沙汰になるや彼は外交特権を利用して本国へ逃げ帰った。
 いまから35年前、当時のソ連大使館付きのレフチェンコ少佐がスパイであることを告白し、東京で政治亡命したことが国際ニュースとして世界の電波に乗った。彼は直ちに米国に亡命し、米国議会で、ソ連のスパイだったことを証言した。
 その後1984年、「レフチェンコ回想録(KGBの見た日本)」を出版した。
 このなかに、彼がスパイをやめた苦しみと、なぜ、日本への関心があったかを記し、スパイ天国日本はソ連のいいカモだったと記している。
 同書には、日本の国会、政府、財界などの大物との接触など具体的な個人の名も出ているが、ぼくがとくに興味を感じるのは、いわゆる日本の平和運動に関するソ連の工作の遠大さである。
 いまもそうであるが、日本の左翼は、その組織の活性化において大きな投網を仕掛ける。平和の名をつければ、何でも正義面して地方の行政や各種の民間の運動に根付くことができ、その平和運動を拠点に共産党や社会主義政党、労組などを結びつけ、その国際的総本山として、ソ連共産党中央委員会が存在するという事実が証明されている。
 ソ連共産党中央委員会はソ連の最高権力機関だが、これに直属しているのが「平和委員会」で、その委員の中に現役のKGB(諜報本部)将校がいて、彼らが平和委員会を指導し、それぞれの国で、平和運動を広げながら、スパイ活動と連動する。
 日本における反政府運動や、靖国神社反対、慰安婦問題、スパイ防止法反対、教育改革反対なども、平和運動をかくれみのとしたスパイの戦略であった。
 ソ連は解体して、ロシアとなったが、ゴルバチョフの共産党改革が元の木阿弥になり、相変わらずの大国意識のまま、日本からの情報収集と軍事技術の確保に裏活動を続けている。
 いまの日本には、ロシア以上に警戒すべきは膨張主義の軍事大国中国への情報つつぬけである。日本の与野党といわず、財界人を含め中国詣でを名誉と思って恥じない傾向がある。彼らはていよく先方のスパイ活動に手を貸しているのである。
 日本の政界、経済界、組合運動、平和活動家たちの中国詣でに対して中国共産党の指導部は、必ず安倍内閣反対、靖国反対を述べる。それを日本のマスコミは国民向けに報道する。
 あやうきかな日本の外交と安全。【押谷盛利】

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2014年08月07日

日本人の危機と薬漬け

 長寿世界1の日本人はめでたいが、クスリ漬けで病院が満員というのは頂けない。クスリは毒だといわれていても日本人のクスリ好きは常軌を逸している。
 自然に反する乱暴な生活で、体の調子を損ねてもクスリがあるから安心である。これが無意識のクスリ党で、この手合いは、頭痛、不眠、下痢、肩こり、腰痛、どんなときにもクスリに頼る。
 それどころか、食事の際は、消化剤、栄養剤、その他各種の健康食品を愛用する。考えてみれば、どれもこれもテレビの広告でフヌケにされている。「おいしい」、「うまい」を連発しながらタレントが、料理をほおばっている。そして別の番組では、至り尽くせりの医療がクスリの宣伝。
 ぼくは口をすっぱくして自然に還れというが、馬耳東風である。
 添加食品がダメ、加工食品はダメといっても大部分の消費者は無関心か、心で知っていても毎日の食事では手抜き料理に走る。
 昼は働き、夜は寝る、足は歩くためにあるはずだが、すぐ車を使う。
 脂肪分や甘みは取りすぎない。間食はダメといわれても守らない。
 食事は飯と新鮮な野菜をしっかりとれといわれてもチーズやバターなどのパン食に傾く。
 クスリの被害は、1962年のサリドマイド事件で強烈なパンチを受けたが、もう忘れてしまっている。おなかの赤ちゃんにもいいし、妊婦のつわりを抑え、精神安定にもなる、という宣伝だったが、薬害による奇形児出産が世界を衝撃した。奇形の赤ん坊は世界46カ国で8000人にも上った。
 このごろ話は出なくなったが、14年前の1990年末、世界でエイズ感染者が3400万人、死者1900万人になった。これまではペニシリンという結構な感染症薬があったが、いまはペニシリンをあざ笑う如く、O157など30種以上の細菌症がうごめく。
 経済発展と工業化に目が眩んで、環境を汚すことの恐ろしさを忘れていた。その最大の教訓は水俣病である。チッソ水俣工場の排液中に含まれていた有機水銀が原因で、魚介類が汚染され、これを食った猫が狂死、人間は、しびれや言語障害、目や耳の機能喪失など長期にわたり被害者を出した。
 環境汚染の告発では、世界最初にアピールしたレーチェル・カーソンの「沈黙の春」についてしばしば触れたが、その30年後出版されたシーア・コルボーンら3人の共著「奪われし未来」を読むと、まさに化学物質の環境汚染が世界を崩壊させる恐怖を感じる。そこはダイオキシンやPCBなどホルモン作用撹乱物質の影響について、オスのメス化や人体の生理機能の撹乱、男性の精子の減少、弱体化など今日の少子社会、未婚、晩婚を予測させる情報が満載されている。
 ぼくは環境汚染は、身体のみならず脳や精神をも傷つけるとして、今日の子供の暴力、学級困難、もろもろの人間の破廉恥な行為など、すべてがこれの被害によるとして、社会と家庭へ呼びかけるわけだが、自然に還ることの緊急課題として味わってほしいと思う。【押谷盛利】

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2014年08月05日

佐世保の少女殺しの教訓

 自然に反する生活は身心の健康を損なうし、日本の抱えている大問題の少子化の一因でもある、というのが、ぼくの見解だが、それは人間の幸せを追求している多くの学者や医師からの情報に基づいている。
 ぼくがなんぼ声を大きくして反自然はダメ、自然に還れと説いても、科学技術の恩恵に浸かりきっている現代人にとって、生き方の急転回などできるわけがない。ならばどう生きるのか。それは、衣食、生活、その他の上で、できるだけ有害化学物質や環境汚染を避けることであり、健康について言えば、人間が神から与えられた自然治癒力を信じ、クスリを過信したり、乱用しないことにつきる。
 西洋医学と漢方の併用で、患者に人気のある堀田忠弘医師(京都)は、その著「体と心から毒を消す技術」のなかで、病気をなおすには心と体の免疫アップが大事と指摘している。このなかで、氏は病気に共通する原因をあげている。
 それらを一つ一つ点検すると、結局「反自然な生活はダメ」ということになる。病気に共通する原因の一つで最大のものは有害物質の汚染である。具体的に言えば食品添加物、残留農薬、有害金属などのほか、電磁波、住宅建材、生活用品、などを挙げている。快適な文化生活における運動不足や、空気汚染などもあげられる。
 環境汚染の中では、伝統的、歴史的な生活習慣を無視し、西洋かぶれのジェンダーフリー思考にも問題がある。
 いま、長崎県佐世保で起きた15歳、女子高生殺害事件が日本のあるべき姿に警鐘を鳴らしている。
 最近の情報によると、女子生徒は「殺したいから殺した」という。それ以前に父を金属バットで殴り重傷を負わせている。父親は少女を精神科に受診させた結果、医師は命の危険を指摘し、別居を奨めている。この精神科医の判断は正しいが、問題はマンションでの一人暮らしである。
 父に重傷を負わせながらも、後日、父と買い物をしたり、実家でピアノを弾いたり、父の再婚した女性と一緒に料理を作るなど、心のゆれが異常である。第3者的に考えれば一連の行動については仏と悪魔が共存している。精神障害が顕著である。
 明らかに心の病気である以上、これに適応する施設や治療策が求められるところであるが、それが野放しにされた。少女は日本人に蔓延している精神症の代表的事件を起こしたが、似たような精神性による不快な事件は毎日どこかで起きている。
 失恋をうらんでの女性殺害、幼女の誘拐、電車内の痴漢、エスカレーターなどでの女性のスカート内写しなど。どの事件もみんな精神の病気である。その病気の原因は何か。すべてが戦後この方、だんだん強くなってきた反自然な生活のしわ寄せである。
 ぼくはとくに食生活の危険を訴えたい。汚染食品の被害である。化学的加工食品が肉体に毒性をまき散らすだけでなく、正常な脳の働きまでも傷つけるのだ。それについては別の日に述べる。【押谷盛利】

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2014年08月02日

「結婚しろ」と少子化問題

 東京都の6月議会で、独身の女性議員が少子化問題について質問していたところ「早く結婚しろよ」のヤジが飛び大騒ぎになったのは衆知のとおり。考えてみれば「早く結婚しろよ」は、今の日本のおかれている少子化問題に対する国や国民の共通の声かもしれない。
 ぼくの子供のころは、女性が20歳を過ぎると、嫁入り話が村の話題になった。たいていは25歳前後で結婚するが、それを過ぎると「30歳までには」というのがその家や親族の願いであり、年頃になると、世話焼き仲人や橋掛け仲人が動き出して、あちこちから良縁ばなしを持ち込む。
 深窓の令嬢といわれた金持ちや良家の娘は外へ出る機会もなく、ひたすら外部からもたらされる仲人口や親類からの情報に頼るばかりである。
 恋人がいても事情があって結婚できない場合もあり、世間は30歳を過ぎても嫁入りしない女性を「いかず後家になるのか」と嫌みを言ったり、噂をする。
 世の中が変わったから「嫁入り」なんて言葉は消えたが、おかしいのは今の日本の少子化の原因を仕事と子育ての両立が困難だから、と決めつけていることである。
 政府の男女共同参画会議の議員をしている明星大学の高橋史朗教授は「それは違う」と否定し、少子化の最大の原因は「未婚化と晩婚化」にあると指摘している。今の男性の生涯未婚率は5分の1を超えている。100人のうち独身が20人を超えていることになる。統計によると、女性の平均初婚年齢は現在29・3歳、女性の未婚率は1980年と2010年の30年で比べると35%も増えている。
 日本では9年前から人口減少が始まり、数年後には毎年50万人減。30年後には毎年100万人以上の減少。100年後の人口は3770万人、200年後には1100万人というおぞましい予測が立てられている。
 ぼくは晩婚化についても未婚化についても、今日の憂うべき反自然化現象の現れとして日本人の暮らしそのものの方向転換を訴えたいと思う。男はオス、女はメスであり、本来結合して一体感になるところから人間の出発が始まる。
 オスである男は、青年期になれば、異性を求めて本能的に求愛活動に入る。女性はしとやかではあるが、異性を恋う心は男性に劣らない。
 ところが、日本の戦後は家族制度、教育制度、食習慣、生活環境、すべてにわたって激変し、一口に言えば、科学や技術の恩恵に身も心もむしばまれて、人間の持つ本来の野生的情緒や生活のたくましさが霧散してしまった。これをぼくは「反自然化」と呼んでいる。男女が30歳になっても結婚しないのは、野生的自然人間が消えていることによる。愛し合った男女は、たとえ、障害があっても、あるいは反対の圧力があっても、それをはねのけて一体化しようとする血のたぎりや鉄のような意志と行動力があった。
 いまは、そういう男女は消えてしまった。特に積極的であるべきオスが、草食化などと「フヌケ」の代名詞のように言われて、反発もしない。
 反自然は晩婚どころか結婚する気も起こさせない。これは仕事上のことも関係するが、特に問題なのは食生活である。
 西洋医学と漢方とを組み入れた堀田医院(京都)の堀田忠弘医師は、「体と心から毒を消す技術」を著しているが、氏は、このなかで、ガン、ウツ、不妊症、アトピー、花粉症、アルツハイマーをなおすには心と体の免疫力アップが大事と指摘している。ぼくに言わせれば、結婚したがらないのも一種の病気だと思う。
 この本のなかで、堀田医師は、病気には共通する原因があり▽有害物質(食品添加物、残留農薬、有害金属など)による汚染▽環境汚染(電磁波、住宅建材、生活用品など)▽不自然な生活習慣などを取り上げているが、ぼくは環境汚染の中に戦後教育を含めたいと思う。そのなかで、許せないのは「ジェンダーフリー教育」である。これは差別と区別をごったまぜにした暴論で、いわゆる「男らしさ」「女らしさ」の否定である。【押谷盛利】

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