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選挙における世論調査(見聞録)

 「参議院選挙って長すぎますよね」との社員のつぶやきに、思わずうなずいてしまった。
 今回の参院選は公示が4日で投票日は21日。投票日を除く選挙運動期間は17日間に及ぶ。これは都道府県知事選と同じ長さで、日本の数ある選挙の中で最長だ。
 ちなみに衆院選は12日間、県議選は9日間、市長選、市議選は7日間(政令指定都市を除く)、町村長選、町村議選は5日間。
 参議院は任期が6年と、他の公職の1・5倍の任期を有し、衆議院のように解散はない。これは政策について時勢に流されず、長い目で判断を下すためだが、それゆえ候補選定も長い目で見る必要があるのかもしれない。
 しかし、選挙戦の期間が長いと、報道機関は「ネタ」に苦しむ。例えば新聞各紙を見ると、候補の政策や横顔、選挙期間中の活動、地域の情勢などをひと通り伝えれば、紹介する材料がなくなる。ゆえに候補の服装を紹介したり、家族を紙面に登場させたりと、読者の関心が投票日まで続くようにとあれこれ工夫している。
 様々な選挙特集の中でも最も注目されるのは、世論調査の結果だろう。
 今回の参院選は序盤から終盤までほとんどの選挙区で自民が優勢で、非改選議席と合わせて過半数奪取が確定的と報じられてきた。
 前民主党政権があまりにも酷かった反面、安倍政権が特筆すべき失策もないまま経済、外交をこなしていることから、有権者の安心感を誘っている。さらに、維新やみんなの党といった第3極が人材不足と組織の脆弱性で、自民と競り合えていないことも一因だ。
 とはいえ、早々と自民圧勝と伝われば、有権者の投票意欲を削ぐ。意欲というのは、自分の努力が報われる可能性があるときに生じる。自分が投票してもしなくても結果が変わらないと有権者に思わせてしまえば、投票率が下がってしまう。
 世論調査は選挙情勢を有権者に伝えるために欠かせないが、頻度とタイミングを再考する必要があるかもしれない。選挙以外にも内閣支持率をその時々に報じるが、国政運営は長期的視点が求められるのに瞬間風速を計測するような人気投票的調査がプラスに作用するのか疑問だ。
 世論調査は実施する報道機関によって差異が生まれるが、これは質問の仕方によって回答が変化するからだ。ゆえに、政治の世界が世論調査の結果を「世論」だと早とちりして一喜一憂すれば、国の行く末が案じられる。世論調査の結果は一つの指標に過ぎず、本当の世論を決めるのは第3者ではなく自身の言動、参院選の場合は投票行動だ。

2013年07月17日 19:36 |


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