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役所仕事と政治家の野合

 民主化されたとは言え、日本はまだまだ役所天国である。役所仕事の放漫さがいつの間にか借金王国を形成し、役所の予算はまるで借金返済のために接ぎ木細工している感じである。
 公務員制度の改革は言うべくして成し難しと、書いたが、それは改革を進めようとする政治に対し官僚が束になって反撃するからである。政治家は任期4年で、必ずしも再選されないが、官僚は定年まで身分が保障されており、長い歴史と伝統の中で培われてきた保身術や政治家懐柔術など、手練手管の才能を持つ。
 役所の会計年度はその年の4月1日から始まって翌年の3月31日に終わる。このため、毎年、2月、3月になると、どこの県も市もいっせいにあちこちの道路改修や、忘れていた事業が再開される。
 昔は道路がよくなるときは陛下が御幸になるからだと言われたが、これは御幸をお待ちする地元の皇室尊崇の現れとみられたが、実際は御幸を口実に道路予算を分捕ったのである。
 役人というのは、鵜の目鷹の目で、金の使い方を捜す癖があり、たとえ、予算を可決しておいても用地交渉が難渋したりし、事業の推進に当たっての環境整備が遅れている場合、執行ができないときがある。その年度内に執行ができねば次年度へ繰り越せばよいわけだが、これでは次年度の新規予算に食い込むから、どこの役所もその年度の予算は、なりふり構わず消化しようとする。
 したがって、道路と確定した予算が橋や川の修復に回ったり、教育に使うはずのものが福祉へ回ったり、直前流用をやってのける。もちろん事前に議会の承認やときには執行後に議会の同意を得るなど綱渡りをするが、それらの事業が地元と関わるため、ほとんどの場合、議会はOKする。
 無駄をなくすること、予算の本質、建て前を崩さないという大前提はこうして崩れてゆくが、これが赤字会計になる借金行政のからくりである。本当は首長の執行権と議会のチェック権が互いに牽制して地方自治の健全化がもたらされる。
 両者に必要なのは財政の健全化と住民負担の軽減である。負担の軽減は税金を少しでも安くすることだが、いまの地方自治体は、首長も議会もそんな殊勝なことに心が及ばない。
 なにはさておき、次の選挙に勝たねばならぬ。借金があろうと、無駄使いと言われようと、次から次へ仕事を考え、これにカネを投じることに使命感を覚えるのである。
 したがって、需要のある、なしに関わらず、毎年の予算は100%、前例踏襲なのである。だから、しなくてもよい事業やストップすべき事業でも前年に予算をつけているから、新年度もこれに習うという発想である。
 この辺の、役所仕事のあり方と予算編成についての根本的改革が本来の公務員制度の改革である。これをやらないと、いずれ借金でパンクして国民が泣くことになる。
 金融恐慌は遠い世界のことではない。【押谷盛利】

2013年03月28日 17:43 |


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