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人事案件のさばき方(見聞録)

 2期目のスタートを切った米原市の平尾道雄市長が市議会で出鼻をくじかれた。14日の本会議で教育委員の選任2件が否決された。
 2月の市長選では市議19人(当時欠員1人)のうち14人が泉峰一・前市長を応援していたことから、平尾市長は野党が多数を占める市議会に対し、難しい舵取りを迫られることが予想されていたが、さっそく人事案で洗礼を受けた。
 人事案は、泉前市長の退任に同調して辞職した教育長(教育長は教育委員から選ばれる)と、今月24日に任期満了を迎える教育委員長の後任として、元学校長の73歳と67歳の男性2人を新しい教育委員に迎えるものだった。
 しかし、市議会で多数派を占める前市長派議員14人は、教育の継続性(教育委員長の再任)を求め、さらに、委員候補の高齢による体調不安などを理由に賛成しなかった。
 米原市の教育委員の定数は5人だが、このままでは教育長、教育委員長不在となってしまう。平尾市長は「教育行政の空白と停滞を避けるためにも早急に対応していきたい」と話しており、今後の動向が注目される。
 地方自治体の議会で人事案が否決されるのは異例で、首長の提案を議会が委員会で審議することもないまま、本会議で同意・追認するのが慣例となっている。
 人事案が否決されれば本人も不名誉であり、通常は事前に議会サイドに打診し、感触を確かめて提案する。
 ただ、シャンシャンで終わらないこともあり、過去の長浜市では人事案が市長選の「論功行賞」だとして議員から厳しい追及を受けたり、歴史認識に関する発言が問題化して人事案を引っ込めたこともあった。
 今回の米原市議会の否決は、市議会が首長の追認機関ではないことを証明したが、前市長派14人が揃って反対した点を見ると、市長選のしこりと、市長と議会の意思疎通の不足が原因と判断されよう。
 さて、現在開会中の滋賀県議会にも近く教育委員の人事案が提案される見込みで、県議会は14日、文教・警察常任委員会に付託することを決めた。自民党県議団から「これまでは追認する形だったが、議論する機会があってもいい」との提案を受けたため。
 地方議会もこれを見習い、人事案を追認するだけでなく、委員会で審議しても良いのではないか。

2013年03月15日 16:13 |


過去の時評


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