滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



橋下市長の見識と行動力

 「論語」先進14に、「過ぎたるは、なお、及ばざるが如し」とある。やり過ぎたらやり足りぬと同じだ、という教え。孔子は2500年も前の中国・春秋時代の学者であり、政治指導者でもあるが、そんな大昔の学者の教えが今も生きているのが素晴らしい。
 このごろ問題の体罰は愛の鞭、と、肯定するものもいるが、暴力そのものは教育基本法で禁止されている。体育系の学校はもちろんのこと、普通の中学校や高校でも体育関係の部活動では監督やコーチが体罰を加えるのが黙認されていた。そのゆきすぎから被害者の生徒が自殺して社会問題となった。
 愛の鞭か、何かは知らぬが、殴ったり、蹴ったりして、生徒を傷つけ、死に追いやるほど暴力を働いたとあれば動機はともかく、そのゆきすぎは非難されるし、懲戒の対象となって当然である。
 運動部の暴力は監督、コーチのみならず、上級生から下級生に行われることもあり、校内の秩序に関する学校側、とくに校長の責任が問われる。これは、いじめも同じで、大津の中学生の自殺事件の記憶は新しい。全国的に波紋を呼んだいじめ事件で、校長の辞職や教育委員会の責任が追及されたが、教育の目的である人格形成に学校側が無関心だったことを証明した。学校だけでなく、教育委員会の指導の無能や怠慢でもある。
 学校内の暴力やいじめに対して、大津市が一年以上も経ってから結論を出すという、もたもたぶりに比べ、大阪市は体育系高校生の自殺事件の直後、橋下徹市長の陣頭指揮で、問題の本質を糾明し、これを文科省の今日的課題にまで押し広げて、暴行監督を追放し、校長の責任追及に教育委員会を指導した。
 地方分権時代のリーダーの見識と手腕の大切さをまざまざと見せつけた。
 過ぎたるは及ばざるが如しの教訓は、目下上げ潮の安部内閣にも言い得ることだ。日銀の重い腰を上げさせて、じゃんじゃんと景気のよい金融緩和の大方針は、予算の大判振る舞い、国債発行、増税につながるが、それが経済の活性化と国民所得の向上、労働市場の開拓につながればいいが、一部特定の土建繁栄策になって、資材不足、労力不足、事業費追加、となり、インフレ、デフレのアンバランス社会が出現すれば、取り返しのつかぬ不況世相を招きかねない。
 物価が上がれば国民は買い控えするし、買い控えがムード化すると企業の減産あるいは縮小、倒産もあり得ることで、ギリシア、イタリア、スペインの財政破綻を他山の石としなくてはならぬ。突っ走るだけでブレーキをかけ忘れたら車だって衝突するではないか。【押谷盛利】

2013年03月05日 17:38 |


過去の時評


しが彦根新聞
滋賀夕刊電子版
滋賀夕刊宅配版
滋賀夕刊デジタルトライアル
“新聞広告の資料請求、ご案内はこちらから"
 
長浜市
長浜市議会