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中国大気汚染、湖北へも(見聞録)

 中国の大気汚染は対岸の火事ではない。汚染物質が風に乗って日本に降り注ぎ、滋賀県内でも環境基準値を超える日が出ている。
 話題の微小粒子状物質PM2・5は、今年1月13日に近江八幡、東近江、草津の3カ所で1日平均値が環境基準値の35(マイクロ㌘)を超えた。長浜では今年1月13日に24・6、31日に20・2、2月1日に24・4、3月2日に20・9など、環境基準値内ではあるものの高い数値を記録している。数値がさらに高くなるようであれば、マスクの着用や屋外活動の自粛など自衛が求められる。自治体の中には数値が高い日に市民への注意を呼びかけるなど、対策を取り始めたところもある。
 PM2・5は直径2・5マイクロ㍍(マイクロは100万分の1)以下の小さな粒子を指す。工場の排ガスなどに含まれるすすが主成分で、吸い込めば、ぜんそくや心疾患などのリスクを高めるとされる。
 北京での深刻な大気汚染がニュース番組などで注目されたことから、日本への影響が最近になって取り上げられているが、今に始まった問題ではなく、中国が高度経済成長にひた走る2000年以降、継続しているようだ。昨年の長浜の観測結果を見ていても、4月、5月に何度か基準値を上回る数値が確認されている。
 日本でも高度経済成長期、大気汚染が深刻化し「四日市ぜんそく」などの公害を体験したゆえ、今の中国の汚染も高度経済成長の副産物ととらえることができる。ただ、気がかりなのは、当局が数値を過小発表しているのではないか、規制サイドの役人が賄賂の見返りに汚染を垂れ流す企業を野放しにしているのではないか、といった中国の社会構造のゆがみが、汚染問題を放置するのではないかという懸念である。
 それを証明するように、北京大学と環境NGOが大気汚染の実態を調査したところ、PM2・5の数値が最大で当局発表の3倍に達していたことが分かった。
 経済成長を優先し、環境保護対策を先送りしてきた中国政府が今になって、石油・石炭業界、自動車業界に排ガス規制を強いることが果たして、できるのだろうか。残念ながら我々が自衛策を取る必要があるのかもしれない。

2013年03月04日 17:33 |


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