滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2012年09月29日

官僚政治の脱却と維新

 日本の政治はこれまで総括されたことがなく、口先だけで国民をごまかす有言不実行が与野党の体質になってしまった。自民党に愛想が尽きたとして、政権交代させた国民は、期待の民主党が自民党以上に信用できぬことを知り、怒りのもって行き場がなく、自民党もダメ、民主党もダメと、新しい第3極の政治勢力の台頭を願った。
 その声の現れの一つが「みんなの党」で、これへの期待感が漠然たる政界再編成の夜明けを感じさせた。
 ところが、大阪から火の手の上がった維新旋風は「再編成」なる既往の古い衣を払拭して文字通りの平成維新の政権党を目指した。これは、政党のあり方、政治機構、国民統治の根本的改革を目指しているから、既往の政治権力や政党、官僚は、足下を崩される危険性にさらされ始めた。
 また、これまでの体制のなかで安逸をむさぼってきたマスメディアは、予想を超えた価値観の違いに圧倒されて、にわかにほこ先を反維新に切り換えた。笑いたくなるほどの激しい情念で維新叩きに熱を上げるが、維新びいきの風速は高まるばかりである。
 ここに来て、われわれは維新の綱領とその本質を知らねばならないし、知れば知るほど維新の発展と活躍を期待しないわけにはぬかぬ。
 一番明確なのは、政治に対する価値観が既往の政党や政治家とは月とスッポンの違いであることだ。具体的にいえば、改良とか、調整とか、いまあるものを手直しするのではなく、根本的に改める、切り換えるというもので、文字通りの改革である。
 このことが、しっかり頭に入らねば船中八策ならぬ「維新八策」が理解できぬし、八策の指向する未来図を国の発展と国民の幸せにつなげることが困難になる。
 例えば、維新はその名を政党と言わずに「維新の会」と命名した。その本部は東京でなく大阪府とした。明治維新は政治の中心たる都を京都から江戸(東京)へ移した。いま、諸悪の根源の如くいわれる東京の一極集中は、多くの人が改める必要を説くが、政治の世界で、具体的にこれを取り上げたものは一つもない。
 国会の過半数をねらい、政権党への自負をぎらぎらさせている日本維新は「総理」を生み出す力を持つだろうが、もし、維新から総理が出れば、維新本部の大阪は日本の政治の檜舞台となる。
 情報の集発信、各種の会議、人事の交流など大阪の持つ政治的環境と地位は想像を超える巨大かつ華麗なものとなることが推測される。
 当然そこには大阪州か関西州、いずれにもしても府県制を脱却した道州制が実現の運びとなろう。これまでの政治が、聞こえよがしに「地方分権」と、耳障りのいいことをいっていたが、真実の地方分権は道州制によらねば実現できない。
 道州制の実現は、幕藩体制が府県制になったと同様の画期的統治機構の改変であり、東京の一極集中打破は教育、産業、交通、災害、福祉ほか、あらゆるすべてにわたって国民本位に政治設計され実現されてゆく。当然ながら国の領域と地方の領域の住み分け、税の配分などにも画期的な改革が行われる。【押谷盛利】

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2012年09月28日

これでいいのか?高校再編(見聞録)

 県立高校再編計画の策定をめぐり、長浜市は26日、県知事と教育長に提言書を手渡した。
 高校再編計画については長浜・長浜北の統合や伊吹への長浜養護学校の分室設置などが、地元の理解を得られず、県教委が計画決定を先送りしている。
 県教委の計画に反発する長浜市は教育検討委員会を設置して、大学教授や地元学校長、PTA、商工会議所、青年会議所、連合自治会の代表ら豪華メンバーが提言策定に向けて活発な議論を交わしてきた。
 しかし、出来上がった提言に目を通すと、総花的で具体性に欠け、県教委としても、どうとでも解釈できる内容ではないのか、との印象を受けた。
 例えば▽湖北地域に何人規模の高校がいくつ必要なのか▽今の高校の数を維持したほうがいいのか、それとも統廃合すればよいのか▽どういう学科がどれくらい必要なのか▽将来の少子化に向け、いつをメドに再編をすべきなのか—など、具体的表記がない。
 学校規模については「弾力的な標準規模の運用」とあり、「標準規模以下の高校でも(中略)存続に努められたい」と書かれているだけ。再編については「近い将来、地域における高校のあり方を抜本的に見直していかなければならないと考える」とある。
 「特色ある学校づくりの推進」の項目では、普通科、総合学科、農業学科、福祉学科に「求めること」を羅列し、英語や農業分野で目新しい提案がある以外は、特に出色なし。
 今年1月に市議会会派「プロジェクト21」が市長に行った提言のほうが、よほど具体的で一見に値する。
 一方、県教委も県教委で、湖北地域への中高一貫校の設置を明かしたが、現在、一貫教育に取り組んでいる守山、水口東、河瀬の3校の成果と課題をどう見ているのか。中高一貫校のメリットは教育論上の建前は省くとして、結局のところ大学への進学を保護者や生徒は期待する。そういう点で見ると一番の成功例は守山だ。今年3月の卒業生の進路は東大1人、京大7人、神戸大7人、阪大5人など国公立103人、私立は同志社63人、立命館95人、関西39人などとなっており、年々、成績を伸ばしている。
 守山がなぜ成功したのか。湖南地域で一番の進学校は膳所だが、湖南東部(野洲・守山・栗東・草津市)では守山が一番。それゆえに大学受験に向けた6年間の計画性のある教育を受けられる守山の一貫教育は高偏差値の大学進学が期待でき、学力のある生徒が集まりやすくなった。
 そういう視点に立った場合、湖北地域に中高一貫教育を導入するのならば、地域1番の虎姫、もしくは2番の米原で実践すべきではないか。
 仮に統合新校(長浜・長浜北)を中高一貫にするのであれば、県教委は虎姫を超える進学校を目指してハード、ソフト両面で物心を投入しなければならない。そういう覚悟があっての中高一貫教委の導入ならば、藤井市長が提案するKBセーレン遊休地への新校の斡旋も効果的だろうが、地元の反発を懐柔しようとの短慮な発想ならば、県教委には再考を願いたい。

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2012年09月27日

維新叩きは、国民叩き

 賢明な読者は、すでに感じているだろうが、大阪維新の会に対する大新聞の目が180度変わりつつある。
 昨年までは、維新でなければ夜も日も明けないほどにもちあげてきたのが、ここにきて、維新が国政に進出することを決め、国会議員9氏の加入による新党・日本維新の会の結党を宣言して以来、各紙の論調や評価は、てのひらを返すように、いやみや疑問符、なかには悪口を含め、言わば維新叩き、橋下叩きが目につくようになった。
 新聞によっては、記事だけでなく、読者の声欄、投書欄をつかって、ああでもない、こうでもないと維新こぼちに熱をあげている。
 賢明な読者は、このマスコミの急旋回を通じて、維新の声と力が予想を遥かに上回って、日本の政治の根本的改革に明るいライトを灯していることと悟るにちがいない。それはどういうことかといえば、維新の会が日本の政治の閉塞感に風穴を開ければ面白い、といった一種の野次馬根性も手伝って、関連ニュースを売りものにしたが、あれよ、あれよという間に、お玉じゃくしが蛙に返ったばかりではなく、国の政治を根本的に変える巨大な政治勢力になることを直視したので「さあ、大変」とその膨張に水をかける仕儀と相成った。
 そこで、これまた賢明な読者は判断するであろうが、維新の船中八策と、政治の根本的改革のエネルギーは、かけ値なしの本物であろうと確信を持ったことである。昔から改革の目標が的確で、かつそのエネルギーが熱く、高ければ、高いほど、反対の声、圧力のエネルギーが高まるのである。
 それは、前にも書いたが、明治維新は、旧体制のなかに安穏と暮らしていた武士階級や特権階級には死か生かの大問題であり、維新潰しに幕府やその幕藩体制はカネと武器を惜しまなかった。維新までに、吉田松陰を筆頭にどれだけ多くの有為な人材が殺されたことか、坂本龍馬や中岡慎太郎も維新の幕開けを見ずに反革命勢力の手でほうむられた。
 いま、日本の政治に明治以来の大改革が行われようとしている。それは大阪から火の手が上がった日本維新の会の世直しである。維新塾を中心に日本の国内における八策支持派の首長、議員、評論家、学者、弁護士、その他多くの人材が次期衆院選の選ばれた候補者になるが、維新本部は350名を公認、衆院の過半数を狙っている。勢いが強いの、弱いの、段階ではない。国民の期待と歓迎の声が怒濤の波を打って国内すみずみに満ち満ちている。
 この勢いは本物であり、ストップをかけようとすればするほど判官びいきとなって、その力を増幅させる。では、なぜ、マスコミがブレーキをかけ始めたのか。実はマスコミもまた現政治体制にあぐらをかき、それによって利益しているからである。
 改革反対の総本山はどこか。それは霞ヶ関であり、官僚である。日本の政治は明治以来官僚によって仕切られ、それとの合作で歴代内閣は息をつないできた。日本維新は、その本山の改革をやる唯一の強大な政党となり得るから、いまのうちに潰しにかかろうとするのである。【押谷盛利】

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2012年09月26日

受信料払っていますか?(見聞録)

 NHKは25日、都道府県別の受信料の支払い率を初めて公表した。支払い率の全国平均は72・5%で、ベスト3は秋田94・6%、島根90・9%、新潟90・1%だった。以下、鳥取県89・2%、山形88・8%などと続く。
 一方、支払い率が低いのは沖縄42・0%、大阪57・2%、東京60・8%、北海道63・5%、兵庫67・4%、京都67・5%などとなった。都市部は単身世帯や共同住宅の割合が高いうえ引越しが多いため契約を取るのが難しく、最も低かった沖縄は1972年に本土復帰し他県に比べ受信料制度に馴染みが薄いためとしている。
 なお、滋賀は73・4%で全国平均をぎりぎり上回ったが、35番目だった。
 調査は契約の透明化、営業活動の強化のため、全国の5万6000世帯を対象に行った。
 NHKは放送法に基づいて設置された特殊法人で、テレビ設置者には受信料の支払いが同法によって義務づけられている。現在の受信料は月額1345円となっている。テレビのほか、チューナーを内蔵したパソコン、テレビ機能を持つ携帯電話も対象で、1世帯で1つの契約となる。視聴しなくても支払い義務がある。
 しかし、罰則がないため、不払いが横行していることは今回のNHKの公表でも明らかで、新しく世帯を持つ家庭がわざわざNHKに「受信料を支払います」と連絡することはないだろう。結局、スタッフが足を運んで訪問・面談し、支払い契約をお願いすることになる。支払い拒否者に対しては強制執行を裁判所に申し立てるなど強硬手段を取っているが、抜本的な改善策にはなり得ないだろう。
 世間では「NHKなんか見ないのに、何故、受信料を支払わなければならないのか」との批判があるし、「民放が何社もあるのだから、そもそもNHKは無くてもいいのでは」との不要論もある。7割の国民がまっとうに受信料を支払いながら、一方の3割が不法に免れている実態がその批判と不要論を証明している。
 NHKはこの不公平をどう解決しよういうのだろうか。年金未納と同じく正直者がバカを見る世の中であってはならない。
 単に営業努力で支払い率を高めるという方法に限らず、NHKが日本国家においてどういう位置づけにあり、収益構造をどうするのかという点について国民的議論とする必要があるのではないか。ほとんどの家庭にテレビが設置されている今、スタッフが訪問・契約するという手法は非効率に思えてならない。

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2012年09月25日

禁煙運動を徹底しよう

 ぼくは健康のため、たばこをやめようと早くから主張するが、中毒というのか、何がうまいのか、やめない人が減らない。
 ぼくの職場に来る人が、遠慮気味に「たばこを吸っても宜しいでしょうか」、と返事せぬうちに吸う準備にかかる。
 「あきまへん」というのはいかにも角が立つので、しぶしぶ「どうぞ」と不承不承で答えていたが、いちいち客人の調子に合わせていたら身が持たぬ、と一計を考えて、部屋の入口に墨でくろぐろと「禁煙」の札を掲げた。
 それでも中には厚かましい人がいるので、「申しわけないが禁煙にしていますので」とソフトに断ることにしている。
 ぼくも若いころは喫煙していた。市議になったころ、医師から健康のために「禁煙した方がいいよ」と言われ、決然としてやめた。初めは日に3本くらいはいいだろう、5本くらいはいいだろう、といわゆる節煙をしたが、これは、ずるずると10本、15本に増えてゆくから、思い切って、断固禁煙にした。しかし意志が弱くて逆戻りしては、との心配から、ある日、神さまに「絶対吸いません」と誓いを立てた。誓いを破ったらどんな罰が当たるかもしれない、と、以来、一本も吸うことなく、すでに50年を経過した。
 世の中、ここ50年、食糧も水も空気も汚れっぱなしで、生活習慣病の警告や健康推進の声がやかましく、分煙の声を通り越して、飛行機、電車、バスなどが禁煙となった。病院や市役所なども禁煙にしているところが増え、飲食店などにも普及する傾向が強くなった。
 厚生労働省は年内にもたばこ規制のための有害物質の調査を実施し、発がん物質の含有率データも公表することにした。
 おそまつながらと言いたいが、一つの前進である。今から12年前の2000年度の成分調査をした際は約30種の有害物質を測定したが、今度は成分すべてを分析するというから、肉体への危険性を生々しく知らせることになる。
 厚労省は今から20年も前に喫煙者に対するがんの影響についての調査をしているが、PRの仕方や説得力が足りないようで、国民総運動として、喫煙を徹底すべきであろう。これまでの調査では喫煙男性は非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4・5倍高くなっているほか、それ以外の多くのがんについても喫煙による危険性が増大することが報告されている。
 世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関においても発がん性ありと分類されている。
 また、循環器病への影響については、喫煙者は非喫煙者に比べて虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)の死亡率の危険性が1・7倍高くなるという報告があり、脳卒中についても喫煙者は非喫煙者に比べて危険性が1・7倍高くなるという報告がある。
 喫煙者は、喫煙により空気の通り道である気道や肺自体への影響があり、このため慢性気管支炎、呼吸困難、運動時の息切れなどの症状が特徴的な肺気腫やぜんそくなどの呼吸器疾患、歯周病の原因と関連があるとの報告がされている。
 また、喫煙は妊娠中の母体への影響だけでなく、胎児の発育にも悪影響が懸念され、早産、流産、早期新生児死亡にも危険性が高い、と警告されている。【押谷盛利】

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2012年09月24日

食品選びの基準は?(見聞録)

 スーパーなどで食品を買うとき、何を基準に選んでいるだろうか。▽価格▽添加物の有無▽原産国—などが想定されるが、日本政策金融公庫が半年単位で行っている消費者動向調査によると、食費を節約する「経済性志向」が高まる一方で、「安全性志向」が低下する傾向にあることが分かった。
 調査は20〜70代の男女各1000人を対象にインターネットで実施。経済性志向は前回調査より5・3ポイント高い39・7%にのぼり、20代に限定すれば57・3%になる。
 安全志向は、1年前の調査では福島原発事故を受けて過去最高の28・5%を記録していたが、今回は19・9%と事故前の水準に下がった。20代に至っては10・3%という低さだ。
 食品の価格と安全性は原産国に由来する。日本のような法治国家では農薬や添加物の基準が守られ、国民の食品への意識も高いため安全性に信頼を置けるが、中国のように法令順守の意識が欠ける金儲け優先の国家では、猛毒のメタミドホス入り冷凍餃子やメラミン混入粉ミルクなどが市場に出回るように、安全性に疑問符がつく。
 アンケートでも国産食品に対するイメージは「安全」が61・9%を占めたのに対し、輸入食品を「安全」と回答したのはたった3・0%だった。
 回答者の多くが国産食品は安全、輸入食品は安全性に疑問ありとのイメージを抱いていることが分かるが、国産品を気にかけて購入する割合は年々減少し、今回は70・6%と平成20年の調査開始以来、最低となっている。
 旬の季節を見失うくらいにスーパーに安い輸入食品が並んでいることが原因だろうが、野菜や果物、魚などはその季節に合ったのを買えば、国産でも意外に安いし、味や栄養も良い。
 しかし、特に若者の間で、安全性より価格の安さを選ぶ傾向があることは、国民の健康、日本農業の振興の視点でも由々しき問題だ。飽食を反省し、「食育」について考える必要があるのではないか。

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2012年09月21日

中国との距離、測り直したい(見聞録)

 中国共産党の非理性的な対応が日中関係に暗雲をもたらしている。
 中国の税関当局が日本からの輸入品に対する検査率を引き上げたため通関が滞り、双方の企業を困らせている。沖縄県・尖閣諸島の国有化に対する報復措置だが、「日本からの輸入品の検査率を○○%に上げる。これは日本に対する制裁である」とは宣言せずに、こっそりと行うのだから、経済制裁というより「嫌がらせ」だ。
 2年前の中国漁船衝突事件でも日本向けレアアースの輸出制限、現地の日本人の不当な拘束など嫌がらせのオンパレードだった。いずれも「報復措置だ」「制裁だ」などの公式発表はなかった。
 今度は衝突事故以上の嫌がらせを否定できないが、中国市民の本音はどうなのだろうか。21日付け産経新聞の国際面では「中国市民は懸念」「仕事無くなる/日本語勉強したのに…」との見出しで、日中関係の悪化を懸念する声が出ていることを紹介している。
 企業の総支配人は中国国内の日本企業が操業を停止すれば、多くの中国人労働者が職を失うことを指摘し、「経済制裁はもろ刃の剣だ」と警鐘を鳴らしている。
 また、一般市民は「尖閣諸島は政治家の間の話だ」とし、「日本を嫌っているのは日本人に会ったことも、日本に行ったこともない人たちだ。嫌いと言っていた人も日本に行けば、10人中10人の答えが変わっていく」と話した。
 中国共産党に振り回されている中国人は時に気の毒に思える。満州事変の引き金となった柳条湖事件の18日までは、若者が「いきいき」と反日デモ・暴動を楽しんでいたのに、翌19日からは当局の規制でデモが許されなくなった。
 尖閣諸島付近の海域に向け中国漁船が多数出航したが、そこへ向かう漁船には燃料代として当局から10万元(約125万円)の補助金が出ているという(21日付け読売新聞)。これまでは同海域での漁を当局が規制していたのに、である。
 結局は、中国共産党の都合で国民がコントロールされているわけで、気の毒でしようがない。
 これらの嫌がらせに日本人は冷静に対処したいところだが…。例えば、中国上海の衣料品店「ユニクロ」が暴動の標的となるのを避けるため「尖閣は中国領土」と張り紙を出したところ、日本の本社に日本人から1000件以上の抗議の電話やメールがあったという。
 張り紙は地元警察の指導で中国人店長が断り切れずに出したものだった。「お気の毒に」と声をかけるならまだしも、日本本社へわざわざ抗議し、不買を宣言するようでは、かんしゃく持ちの中国共産党とそう変わらないのではないか。
 次期、国家主席・習近平氏の尖閣諸島奪取に向けての対日強硬路線が識者の間で懸念されている。隣国ゆえに今後も「お付き合い」は避けられないが、かんしゃくを起こして嫌がらせをする中国との距離を測り直す必要があるのではないか。
 13億人市場は日本のドル箱だが、領土と主権はカネに替えられない。

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2012年09月20日

街路樹を殺す行政の罪

 街路樹は普通、落葉樹で春に枝葉を伸ばし、夏はみどり濃く、秋の終わりには黄葉、紅葉、冬は葉が散って裸木となる。
 葉のみどりが人間に有害な一酸化炭素を吸い、人間に有益な酸素を出す。そればかりか春から夏にかけての目の覚めるような緑、秋の黄、紅葉の美しさがわれわれの眼を癒やし心を豊かにしてくれる。人間の生活環境にどれだけ貢献しているか、感謝すべき自然の営みである。
 それを長浜市や米原市の県道沿いの街路樹はいとも見苦しく、ばっさりと枝という枝を切り払ってしまった。年中行事の如く毎年の繰り返しである。
 住民が落葉のゴミをいやがるとか、交通の障害になるとか。「切れ、切れ」と声がかかるからとか、勝手なことを役所はいうが、「切れ切れ」と騒ぐのは、住民ではなく、切って金もうけをする業者からの圧力かもしれない。草を刈るのも予算、木の枝を払うのも予算。それを当てにする業者と役所の癒着がひそんでいるのではないか。
 落葉樹は銀杏にしろ、楓にしろ、夏は繁茂して地上に陰をつくり、秋には黄、紅葉して、晩秋から初冬にかけて散ってゆく。これは生きているものの自然の姿であり、落葉するから、冬は太陽がさんさんと地上を照らすのである。夏は日除け、冬は温暖の作用をもたらすので、ありがたい極みである。にも拘わらず、落葉が困るから枝を払うという。人間は飯を食って、排便しているが、排便が面倒だからといって飯を取り上げたら死ぬではないか。
 街路樹の枝をスッポンポンにするのは、死刑にもひとしい残酷なやり方であり、そもそもの街路樹の価値観無視である。
 およそ文明国では考えられない野蛮な行為である。その野蛮さ、非人間性を公費を使って推進するとは何たるたわけごとか。
 葉が落ちるのは落葉樹の特徴であり、それゆえにこそ価値があり、どこの都市、世界共通の環境美化と人間の健康、目の保養など多目的な都市施策である。にも拘わらず、県の土木や長浜、米原市の行政は街路樹を殺す。鈍感というよりも反住民、親業者の許すべからざる罪業である。
 落葉は関係地区の住民がボランティアで清掃するのがいやなら、公費で除去すればよい。アメリカはゴミ収集車が、掃除機のように吸い込んでゆく。また、落葉は有益な堆肥として土に還元する。
 ぼくのいうことに異論のあるものは、一度、長浜駅前通りの高田以東や、米原駅西口から湖岸通りへの街路樹を見るがよい。
 花を愛し、みどりを愛するものは自然を愛するものである。いま、田や畑、住宅に目を転じるがよい。蝶もトンボも蝉も、雀も少なくなったし、水すまし、カタツムリ、ドジョウ、オタマジャクシ、イナゴ、カマキリもいなくなった。彼らを死滅させて、その後人間が滅びゆくのか。【押谷盛利】

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2012年09月19日

デモ・暴動と無関心(見聞録)

 満州事変の引き金となった柳条湖事件から81年目にあたるきのう18日は、中国での反日デモが過熱し125都市に及んだ。当局は取り締まりを強化して暴徒化を防止する一方で、尖閣諸島の日本領海に監視船を不法侵入させた。一連の中国共産党と中国国民の一部の非理性的行動に、「ああ、またか」というのが日本国民の冷めた見方だろう。
 一般的にデモは、自らの主張を公の場で訴えて広く知らしめる行為で、テーマは政治、経済、環境、社会問題など様々。いずれも言論、表現、結社の自由が保障された民主主義国で機能する。
 言論、表現、結社の自由のない共産党一党独裁国家でのデモは、所詮、国家に都合の良いテーマに限られる。18日のデモを暴徒化させなかったのは、矛先が政権批判に向かないようにとの中国共産党の都合であり、日本への配慮ではない。
 一連の反日デモ・暴動で若者が笑顔で参加しているようすに、昔、歴史の教科書で習った「ええじゃないか」を、ふと思い出した。江戸時代末期に全国で発生した熱狂的踊りをともなう民衆運動で、「ええじゃないか」と大合唱して踊り狂った。▽世直しを訴える民衆運動▽討幕派による国内混乱作戦▽抑圧された世相の「ガス抜き」のため江戸幕府が仕掛けた—など諸説あるが、多くの参加者がブームに乗って楽しく騒いだだけだった。 
 「反日だったらええじゃないか」「愛国だったらええじゃないか」と、破壊、略奪、暴行を働く中国のデモも、「ええじゃないか」と同レベルの中国国内のおまつりの一種なのだろう。
 現地に進出している日本企業や在留日本人には物騒な話だが、中国共産党と中国国民が理性的な行動を取れるまで成長するにはまだ多くの国際経験が必要で、当面はこのやっかいな国との付き合いを覚悟しなければならない。
 それにしても、反日デモ・暴動に対して日本国民は冷めたものである。尖閣諸島が中国に奪取されるかもしれないというのに、中国大使館前で小さな抗議行動があるくらいで、国内は平穏そのもの。きのう18日は、アイドルグループのじゃんけん大会を3時間にわたってテレビが生放送したというから、冷めているというより無関心、平和ボケの極みかもしれない。
 義憤にかられて「打倒小日本!」と叫んでいる中国の若者が今の日本国内を見たら、あまりの反応の無さに、がっかりするに違いない。

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2012年09月18日

除草剤散布と街路樹殺し

 近江鉄道が線路の草を退治するため除草剤を散布した。ところが、その除草剤の影響で沿線の田んぼの稲が枯れてしまった。
 さあ、大変、ということで農家は騒ぐし、結局、同社は沿線の田んぼについて、レールから100㍍までを全額補償することで詫びを入れた。
 収穫がダメになるという経済上の損失ばかりでなく、こんな危険な薬剤にさらされた米の安全性の問題である。稲の枯死どころか、人間の命に影響が出ると考えれば、水俣病やイタイイタイ病と同根である。
 レールから100㍍までの田は全部補償するので収穫をやめて焼却処分に、と決断したのは当然である。ここに来て、除草剤がいかに恐ろしいか。国民は認識を新たにすべきだが、ぼくの知る限り滋賀県は鈍感であり、各首長も、各県議、市議もまた鈍感である。
 健康には食べものが大事とか、運動が大事とかの話はマスコミが手を換え品を換えて伝えるが、それと共に大切なのは環境の汚染を告発したり、それの危機感を訴えることである。
 除草剤の恐怖の一例をあげる。米原駅西口の米原中学校は校舎の回りの緑地帯が赤茶けて土の生命力が死滅し、草が生えていない。これは20年程も前に除草剤を散布した恐るべき後遺症だが、対照的に道路一つ隔てた小学校のぐるりは雑草がみどりみどりして目を癒してくれる。とんぼなど小動物が育ち、虫の音も聞こえる。
 ぼくは数年前、中学校の職員が校域に生えている桜並木に除草剤を散布しているのを目撃して「やめなさい」と抗議したことがある。
 ところが今年になって、近くの体育施設の道路沿いに除草剤を散布しているではないか。ぼくは作業員に「やめとけ」と訴え、その近くの除草剤の被害を見せて、いかに環境を汚すかを説明したが、結局、その後除草剤効果で、一面赤茶けて、草木は死滅した。
 ぼくは米原市政の環境浄化に対する怠慢に腹が立ったから、知人のA市議に訴え、実情を見に来るように依頼したが、今日までなしのつぶてである。
 これも最近のことだが、長浜市の駅前通り高田交差点から東へ宮司町に続く大通りの左右の街路樹がものの見事にスッポンポンに切り払われているではないか。ぼくは作業途中だったから、市首脳部に電話を入れて、即刻ストップをかけてほしいと、お願いしたが、結局これもなしのつぶてで、その後2、3日して、両側の街路樹は全部枝払いされてしまった。
 同じことは米原駅近くの跨線橋から湖岸へ通じる大通りの街路樹もスッポンポンの裸にされてしまった。
 緑が空気を美しくし、人々の心を癒してくれるはずだが、かくも無惨に街路樹を痛みつける行政のデタラメに怒り心頭ということである。こういう一例をあげただけでも健康や環境に対する価値観の鈍感さがわかるのだが、なさけない話で、涙が出るくらいである。【押谷盛利】

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2012年09月15日

日本の危険信号と健康

 日本は国土の7割が山で、周囲は海に囲まれ、温帯地という自然環境の恩恵を受けている。日本人は人情が厚く、勤勉で文化レベルも高い。
 そういう背景のもと、医薬が進んでいるから世界トップレベルの長寿国を誇っている。しかし、現状、このまま手をこまねいていればどうなるか。早くから危険信号が出されているが、政治家や役人、マスメディアの鈍感さによって、危険度は深まるばかりである。
 危険信号とは何か。それは国民総クスリ漬け、病人だらけによる社会福祉の破算である。具体的に言えば医療費のうなぎ上りの増高と老人の保健、福祉事業による国家の歳出の片寄り。国民の精神障害の増加とこれによる犯罪や社会不安の増高。自殺、他殺事件の増加など国民生活のマイナスの部分が産業、経済、治安など国家の経営に厳しく関わってくる。
 公害でいえば水俣病、川崎病、四日市病など完全に解消したわけでなく、危険な化学物質による人体への被害などは毎年の如くニュースとなり、新しくは福島原発の事故による人体への影響など寒気のすることばかりである。
 近い将来の東南海大地震や大雨洪水による山崩れや山林崩壊なども危険視野に入れなくてはならぬ。
 災害を防ぎ、被災者を救援するのは国家最優先の至上命令であるが、いま国民に望まれるのは、国民自身の自覚による自己改革であり、国に迷惑をかけずに健康な生活を取り戻すことである。
 病院が増え、施設が増え、薬局が増えるのは病人が多いからである。しかし、誰も病気を望むものはない。望んでいないのに、病人だらけになるというこの異常な現実を冷静に見つめ、何が日本人の病人だらけの原因か、どうすればその杞憂に歯止めをかけられるのか。
 医薬界はもちろん、各界あげて深刻に反省し、一日も早く対策を講じなくてはならぬ。この問題の対策や処方箋は簡単ではないし、その関わり方も複雑多岐であるが、国は新エネルギーの創出と同じレベルの関心と費用をかけて、日本人の健康を回復しなくてはならぬ。
 ここに一例をあげて、日本人の今日の食事事情を取り上げる。
 月刊誌「致知」9月号に「いま日本の進むべき道」をテーマに、東大の月尾嘉男名誉教授と東北大の安田喜憲教授の対談が出ている。
 このなかで月尾教授がアメリカと比べ日本の食事について警告している。
 アメリカでフォード元大統領が肉食による病人の増加を心配し、マクガバン上院議員を委員長に委員会をつくり、世界の食事事情を2年間にわたり調査した。
 これによる「マクガバンレポート」は結論として、世界で最も理想的な食事は日本人の食事だと断定。それは雑穀を主食に、海藻の入った味噌汁、旬の野菜と近海で捕れる魚を副食とする食事だった。その報告書を読んだアメリカ人が和食に目覚め、アメリカでは1万店以上の和食店ができた。
 一方の日本は、そのころからアメリカで食べるなと警告されたハンバーガーなどファストフードを競って食べるようになった。
◇食事のほか、生活全般において健康上のマイナスと思われる要因は多々あるが、一人ひとりが自分自身の問題として、政府は国家の将来の繁栄と社会福祉の立場から深く検討改革しなくてはならない。【押谷盛利】

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2012年09月14日

買い替え、もったいない?(見聞録)

 きょう14日の朝刊各紙の経済面では、アメリカ電子機器大手「アップル」がスマートフォン(高機能携帯電話)の新機種「iPhone(アイフォーン)5」を発表したことを、大きく取り上げている。
 アイフォーンは電話機能に加え、インターネット、メール、カメラ、音楽プレーヤーなど備え、新機種は従来品よりも高速のデータ通信が「売り」。一企業の一製品をこうも大々的に報じるのは、アップルが株価の時価総額でもブランド価値でも世界1位に輝く巨大企業であるのと同時に、同社の利益の3分の2を占めるアイフォーンの売れ行き次第でアメリカはもちろん、世界経済への影響が少なくないからだ。
 現に、アップルの株は13日のアメリカ市場で過去最高値を記録し、市場の明るいニュースとなった。
 アップルのほか、日本内メーカーもすでに「夏モデル」を発売し、新聞でも紹介された。メーカーは年に何回「○○モデル」などとして、新機能、新デザインの機種を発売し、消費者に買い替えを促すが、小生はこれに違和感を抱いている。
 携帯電話に限らず、パソコンや家電製品などは、故障するまで使用するのが当然と感じているからだ。高価な機器を壊れてもいないのに買い替えることはできず、小生の携帯電話はすでに生産が終了した古い型のまま。壊れればスマートフォンへの買い替えをもくろんでいるが、購入から6年を経過した今でも元気に活躍してくれている。日常的に電話とメール、目覚まし機能しか使わないので不便はないが、大画面に写真がきれいに映し出されるスマートフォンに見とれることもしばしば。
 しかし、巷には買い替え派が少なくなく、流行のファッションに着替えるように、たった1年、2年ほどで新機種に飛びつく消費者もいる。スマートフォンは定価が6万円〜9万円ぐらいだが、実際は契約時に様々な割引を受けたり、分割支払いにして毎月の利用料金の支払い時に上乗せしたりで、実質0円で入手することもできる。
 頻繁に買い替える消費者はメーカーの巧みな戦略に乗せられているわけで、それによって市場が活性化するなら歓迎すべきかもしれない。
 小生は壊れてもいない電話の買い替えには「もったいない」と否定的だが、それが時代遅れに思えるほど、携帯電話・通信業界の進歩は著しい。

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2012年09月13日

鉄人・金本は人生の師表

 けさ(13日)のスポーツ新聞はオール金本デーだ。スポーツ新聞だけではない。すべての日刊紙がスポーツ欄はもちろん、他の頁にもスペースを割きその劇的な引退記事を載せている。
 阪神金本、鉄人金本、世界未踏の連続フルイニング出場などなど、あらゆる賛辞を並べて、金本知憲外野手(44)の偉業を称賛し、その引退を惜しんでいる。
 まさにスポーツ界の英雄であり、記者会見でのしばしばの絶句や涙ぐむ姿は最後までファンの心を魅了した。ご苦労さん、よくやった、拍手とねぎらいの言葉が全国から沸き上がっている感じである。引退は淋しいが、けさの各新聞は「あっぱれ金本」「お疲れさん金本」、さながらお祭りというか、賛辞をこめた大合唱劇の生中継である。
 金本外野手は広陵高から東北福祉大を経て、1992年、ドラフト4位で広島のユニフォームを着た。2003年、FA権を得て、当時の星野阪神監督の熱い勧誘にほだされて阪神に移籍した。移籍した03年にチームは18年ぶりに優勝した。05年には岡田監督の下にリーグ優勝を果たし、最大の貢献者・金本はMVPに選ばれた。
 今年6月28日には史上7人目の通算2500安打を記録したが、これは大卒選手としては初めての大記録である。しかし、金本選手の最高の栄誉と前人未踏の大記録は広島時代から一貫して続けた連続フルイニング1492の金字塔である。
 この記録は広島時代の99年から2010年の間の記録だが、その間の彼の打席は3番か4番の中枢打者だった。プロ野球は入団しても、すぐ1軍に登録されるのは10人に1人もなく、たいていは下積みの猛訓練を重ねてやっと2軍に採用されれば花開く可能性はあるが、それまでに消えていく選手が多い。
 2軍での厳しい練習や仲間との競争に打ち勝ったものが、2軍の試合に登用されるが、その実績の中から優れた少数の選手が1軍に登録される。たとえ1軍に登録されてもすぐレギュラーに採用されることはなく、たいていは代走かバント用員で、下積みの苦労をしなければならぬ。1軍のレギュラーになるには走塁、守備、打撃の3部門に秀れなくてはならず、毎日が練習の鞭で鍛えられる。レギュラーになっても、打撃にウエートがかかり、3、4、5番の中枢打者になるには容易ではない。
 それほどの狭い門を金本選手は10年以上も毎年毎年、3番4番の主力打者として、しかもどの試合も1回から9回まで、フル出場したというのであるから、とても人間技ではない。血の出るような自分自身との戦い、自分の体力の鍛錬など、とても言い尽くせない陰の苦労がある。ケガをしてもそれを押し殺してフル出場する肉体の苛酷な戦いは凄惨そのものである。
 その血みどろの結果が1492試合フル出場という大記録となったが、これがいかに凄いかと言えば米大リーグの記録903試合(カル・リプケン)を遥かに超えていることで知られよう。
 彼は10歳から始めた野球人生を回顧して、その7、8割は苦しみ、残りの2、3割が喜びだったが、その少しの2、3割を追い続けて、7、8割で苦しむ、そんな野球人生だった、と語っている。野球だけでなく人生の素晴らしいお手本として拍手しよう。【押谷盛利】

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2012年09月12日

横領事件あれこれ(見聞録)

 このところ横領事件が話題になっている。最近では大手ゴム製造メーカーの元経理係長が預金口座からカネを引き出しキャバクラ嬢に貢いでいたとして逮捕された。7年間で計350回以上、総額6億円というから驚きだ。
 手口は勤務先のパソコンを操作して自分の口座に移し替えるというもので、会社の税務調査をきっかけに使い込みが発覚した。
 当のキャバクラ嬢は「胃がんの治療費が必要」などと偽ってカネを貢がせ、ホストクラブや高級マンション、旅行などで散財し、手元にほとんど残っていないというから景気のいい話だ。目下、元経理係長の裁判が行われているが、キャバクラ嬢は共犯性がないとして不問となっている。
 異性に惚れ込んで大金を貢ぐ横領事件は過去に滋賀銀行でもあったのを40代以上の方なら覚えているかもしれない。当時42歳の行員の女性が10歳年下の元タクシー運転手の男に入れあげ、6年間で1300回にわたり9億円を着服した。預金を偽造伝票で引き出す手口だった。当時は「史上空前の横領額」などと騒がれたという。
 話題をさらった横領事件で忘れられないのは「チリ人妻アニータ」。青森県住宅供給公社の元経理担当の男が14億5000万円ものカネを引き出し、チリ人妻に貢いでいた。チリ人妻はその後帰国し、夫の横領したカネで豪邸を建てるなどして一躍「時の人」となった。
 長浜市内では市長選にも立候補したことのある元市議が、自身が事務局長を務める社会福祉法人から950万円を横領し、カードローンの返済に充てていた。過去の実績があるとして刑事告訴を免れた。
 2年前には長浜市湖北支所の職員が緑の募金などの緑化推進会計や観光協会会計などから公金560万円を流用した。懲戒免職されただけで刑事告訴はなかった。長浜西中学校の同窓会でも会計担当者による300万円余りの横領が発覚した。湖北土地改良区では過去の理事長や事務局長による使途不明金が問題になった。
 先月は木之本町の黒田圃場整備組合、昨11日は上草野財産区で、それぞれ通帳、印鑑を管理していた代表者による横領や使途不明金が発覚している。
 横領の多くは、最初は罪悪感にさいなまれ、小さな金額からスタートする。しかし、横領を重ねるうちに自制心を失い、金額が増加してゆく。
 被害を未然に防ぐには定期的な会計監査で「一時的な流用でも必ず発覚する」と意識付けることだろう。少なくとも金融機関の通帳の「現物」を確認するなど、カネの出し入れに目を光らせる必要がある。表面化しないだけで、自治会などの任意団体では横領の話は大小よく聞く。

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2012年09月11日

人間とは宇宙そのもの

 人間は生きることにあくせくし、ちっぽけな自我の世界で泣いたり、喚いたり、笑ったりしているが、ときには自分を解放し、宇宙的空間と時間に浮遊するのも面白いのではないか。
 「致知」という月刊誌の9月号に「生命のメッセージ」をテーマに、理学博士・鈴鹿短大の佐治晴夫学長と筑波大の村上和雄名誉教授の対談が出ている。
 宇宙をとりまくあらゆる問題や宇宙研究から見えてきた生命の不思議など興味がつきないので、一部を紹介する。
 佐治=様々な事象を勘案すると宇宙の誕生から最低でも100億年くらいは経っている。自分は自分一人で生きているのではなく、あらゆるものに生かされている。宇宙に存在するあらゆるものが根底で結ばれている。
 村上=かれこれ30年以上遺伝子の研究を続けてきたが、すべての生き物が同じ遺伝子暗号を使っているということから生き物すべてがつながっていると思うようになった。僕たちの体は全部宇宙でできた元素で構成されている。ビッグバン(宇宙の始めの大爆発)の直後に生まれた水素原子が長い時を経て人間の体の一部をなしているわけだからわれわれの体は宇宙のひとかけらです。
 だから体というのは宇宙からの借り物です。生き物は死亡率100%だから寿命が尽きたらお返しする。そうすると、貸し主は誰か。ある偉大なものと考えるが、借り主は誰かというとこれが問題。ぼくは魂が借り主であると、にらんでいますが、そう簡単に答えが出ない。
 しかし、魂の問題を解決できないと死の問題も解決しない。仮に魂が借り主だとすれば、死後の世界があると考えられるし、何もないかもしれない。死後の世界があると思って慎ましく生きていて実はなかったというならそれでいいのだが、ないと思って勝手なことをやってて、実はありました、となったらえらい目にあうかもしれません。
 佐治=ぼくは生き方が死に方そのものだと思う。チベット真言密教のマンダラを見ると修行を重ねることで大日如来に近づいていくこと自体が生きていくことだというメッセージを読み取れる。
 ぼくたちは宇宙のひとかけらで、同じ原子でできているのに、まとまり方によってA君になったり、B君になるだけの話で、死ねばまた大地に戻る。戻ったら戻りっぱなしかというとそうではなく、ひょっとしたら桜になって花を咲かすかも。
 村上=すべては一つから出てきたもので、それらはどこかでつながっている。
 佐治=中国の古典に宇宙の定義が書いてあり、宇は四方上下、自分をとりまく空間全体。宙は往古来今のことで、過去と未来、つまり時間のこと。だから宇宙は空間と時間とをまとめた言葉。人間が生きるとは、空間を体で占領し、その一方で日々時間を食べているということ、だから宇宙を研究することは人間を研究する旅路でもある。
◇とにかく宇宙の話はスケールが大きく、国と国が争う話など蚤の相撲よりちっぽけな話に聞こえる。佐治博士の説によると、月は毎年4㌢ずつ地球から遠ざかっているらしい。
 なぜ遠ざかっているのか。月の引力で引きおこされる1日2回の潮の満ち引きが地球の自転にブレーキをかけるからで、そのブレーキの影響で、いずれ地球の自転は止まってしまうという。1億年くらい後の話だというからこれまたスケールが大きい。【押谷盛利】

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2012年09月10日

何のための増税か?(見聞録)

 高級ブランド「ルイ・ヴィトン」などを擁する企業のトップ(フランス人)がベルギー国籍を取得しようとして、フランス国内でニュースになっている。背景には2013年からフランス国内で約100万ユーロ(約1億円)を超える年間所得に75%の課税が計画されていることがある。
 財政再建に取り組む政府は税制改正で高額所得者への所得税率アップで23億ユーロ(約2300億円)の歳入増加を見込み、このほか大企業の法人税率の引き上げも計画している。
 ベルギー国籍を取得しようとしているのはベルナール・アルノー氏。ルイ・ヴィトンのほか、クリスチャン・ディオール、フェンディ、セリーヌ、ケンゾーなど、世界有数のファッションブランドを傘下に持つ巨大企業の最高経営責任者。フランス一の富豪と知られ、世界長者番付にもランキングされるほどの超大金持ちだ。
 そんな、彼がベルギー国籍の取得手続きを進めていることについて、フランス国内では「税金回避だ」との批判が巻き起こり、彼自身が「今後もフランスの納税者であり続け、他の国民と同様、納税の義務を果たす」と説明する羽目に。ベルギー国籍取得は「個人的な話」と述べるにとどまっている。
 フランス政府が打ち出す所得税75%はどれほど高いのか。日本の財務省によると、所得税の最高税率はイギリス50%、ドイツ45%、アメリカ35%などとなっており、フランスは現状が41%。ちなみにベルギーは50%。
 念のために日本の所得税率を紹介すると、課税所得195万円以下で5%、195〜330万円で10%、330〜695万円で20%、695〜900万円23%、900〜1800円33%、そして1800万円を超えると40%になる。
 納税は国民の義務だが、高すぎる所得税率は勤労意欲を低下させ、富の国外流出を招くとの懸念もある。過去にはアメリカやイギリス、日本でも最高税率が70%、80%という時代があったが、徐々に低減され現在の数値に落ち着いた。政治の世界に金持ちの意向が影響している側面も見逃せない。
 さて、アルノー氏のベルギー国籍取得がニュースになるように、増税導入を前に高額所得者が富を他国に移そうとする可能性は否定できない。現に隣国イギリスのキャメロン首相は増税から逃れようと考えるフランス人やフランス企業を「大歓迎する」と述べた。
 一方のフランス、オランド大統領は債務や赤字の削減には「全国民の力が必要」と訴え、増税について「愛国心の一つの形だ」と理解を求めているが、増税や借金に頼らない国家運営こそが政治家や官僚に求められる「愛国心」ではないのか。
 日本国内に目を転じれば、先月、消費税増税法案が民主、自民、公明の3党協力で成立したが、7日明らかになった2013年度の国の予算要求額はなんと過去最大の102兆円。増税決定で財政規律のたがが緩んだのか。それとも緩ませるために増税したのか。霞ヶ関の官僚はあざとい。

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2012年09月07日

横断歩道、どう渡る?(見聞録)

 信号の無い横断歩道を渡る際、皆さんはどのように渡っていますか?①車が横断歩道の手前で停まってくれるのを待つ②車の走行が途切れたのを見て足早で渡る③強引に一歩を踏み出し、車がブレーキを掛けて減速してくれるのを期待する。
 多くの方が②番目を選択しているのではないだろうか。小生も横断歩道を渡る際、ドライバーが停車してくれることに期待せず、車が来ないのを確認してから渡るようにしている。湖北地域の道路は国道でない限り交通量は知れているので、そう待たされることはない。
 少なくとも長浜で生活する限り、信号の無い横断歩道は車優先になっているように感じるが、道路交通法では「横断歩行者の保護のための通行方法」として歩行者優先を次のとおり明記している。
 「車両等は横断歩道に接近する場合には横断しようとする歩行者、自転車がないことが明らかな場合を除き、直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。横断しようとする歩行者があるときは一時停止し、その通行を妨げないようにしなければならない」(要約)。
 しかし、このルールは無視されているのが現実だ。車を運転中、信号や標識に注意を向けても、横断歩道の前に立つ歩行者や自転車には無関心なのだろう。
 他国はどうなのか。経験上、ヨーロッパでは横断歩道の前に立てば、ドライバーは必ず停車してくれる。
 中国や東南アジアは、横断歩道自体が限られるうえ車優先の交通マナー。車の間を縫うようにして歩行者が道路を横断する。立ち止まらずに一定の速度で歩くのがコツで、ドライバーは歩行者の進路、速度を想定して、すいすいと避けてゆく。
 先進国であるはずの日本がなぜヨーロッパのような交通マナーになれないのか。そこには弱者への接し方、価値観の違いがあるのではないだろうか。
 ヨーロッパでは横断歩道の前に立つ歩行者に限らず、ベビーカー利用者、妊婦、お年寄りへの配慮が行き届いている。バスや電車に乗るときは誰かが手を貸すし、荷物だって持つ。長い行列があると順番を譲る。そこには社会的に守られるべき者(弱者)へのいたわりの精神がにじみ出ている。ヨーロッパへ旅行するたびに、そういう姿勢を目の当たりにして日本のマナーが恥ずかしくなり、中国や東南アジアを見て「日本はまだまし」と胸をなでおろす。
 最近、印象に残ったニュースに、鉄道でのベビーカーの利用に関する賛否がある。首都圏の鉄道各社が乗客にベビーカーへの心配りを求めるポスターを貼り出したところ、「ベビーカーが通路をふさぐ」「車内でベビーカーに足をぶつけられた」「ドアの脇を占領され、手すりを使えなかった」などの苦情が相次いだ。
 弱者を愛し、いたわる心、「惻隠の情」が日本人から失われつつあるのは何故か。

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2012年09月06日

大阪維新の会と嘉田知事

 どんな場合でも先覚者が改革を進めようとすると、反改革派が待ったをかける。反対派は既成のレールの上を走って自らの保身を考えるからである。
 明治維新は徳川将軍という絶対者による封建政治だったが、維新の改革者はその統治機構を「さむらい」から「市民」へ、藩から県へ大胆に改革した。明治維新前夜は改革、反改革の命がけの攻防で、先覚者の坂本龍馬や中岡慎太郎は殺された。
 今の世は民主主義で、法整備が進み、進むも退くも、覇権争いもすべては自由な言論の上に成り立ち、こと政治に関しては選挙が絶対の支配権を持つ。
 大阪府と大阪市の根本的大改革を誓った橋下徹氏は住民の圧倒的支援で当選し、公約に忠実な目を見張る実績を通じて府、市民の信頼は絶大である。彼の府知事時代、大阪都や道州制構想は平松前大阪市長の反対で進まなかった。この障害を取り除くため、彼は大阪市長に鞍替えした。一年前の市長選を想起すれば、前市長を再選させるため、自、民、公、社、労働組合、そして共産党までが一致して応援した。
 言わば前市政をよしとするあらゆる既成の政治団体が反橋下戦線を構築したわけ。当時、橋下氏を支持したのはみんなの党の渡辺代表や名古屋市長の減税党河村代表ぐらいだった。大阪維新の改革を歴代市長派のすべてが拒む異様な戦いだったが、橋下氏は見事にこれを破って大勝した。
 これらを見る通り、改革はそのエネルギーが高ければ高いほど、これを阻止しようとする反改革の動きが強くなる。
 悲しいかな、橋下維新にいちゃもんをつけているのが、わが滋賀県の嘉田知事と兵庫県の井戸知事である。政策がどういう風に実現していくのか見えにくい。もう少し責任を持って出してほしい、と嘉田知事はいうが、橋下氏は知事、市長の職責を通じて、これまでも目に見えて分かる通り政策を進めてきたし、何事も公開を原則とし、会議を尊重した。
 大きな政策については、維新八策を近く最終的に公表するが、このなかには憲法を変えねばならぬものを含み、政策が軌道に乗るか乗らないかは国会の審議と議決次第である。平成維新の改革路線が示されれば、これを潰す勢力の決起も考えられるし、それを乗り越える国民の怒濤の応援も必至である。
 嘉田氏らは道州制で、知事の首のなくなるのを心配するが、明治維新による内務官僚の統一支配が府県制に基づくことを知るべきであろう。
 新しい時代は市町村合併で見る通り、地方の時代であり、府県をなくする道州制こそ中央集権制に対する地方分権制の新しい統治システムである。府県などはご用済みの古い服であり、無駄をなくする住民自治の新しい政治展開こそが日本の危機を救うのであり、ありとあらゆる反改革の動きがあろうとも国民の大阪維新への信頼と期待は微動だにもしない。【押谷盛利】

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2012年09月05日

ヘジャブに注目する世界(見聞録)

 エジプト国営テレビで2日、頭髪を覆う「ヘジャブ」をかぶった女性アナウンサーが出演し、世界のニュースになっている。
 エジプトではムバラク前政権が世俗主義路線をとっていた影響もあり、テレビ出演の際にはヘジャブ着用を禁止していた。
 しかし、ムバラク政権が民主化デモに倒れ、選挙を経てイスラム主義組織「ムスリム同胞団」の影響力が強いモルシー政権が誕生し、テレビでのヘジャブ解禁となった。
 伝統的なヘジャブ姿で原稿を読み上げる様子はイスラム原理主義への回帰を思わせるが、エジプト女性の大半が日常的にヘジャブを着用している実態を考えると、女性アナウンサーが「ヘジャブを身に着けるかどうかは個人の自由になった」と語るとおりだろう。
 ヘジャブはイスラム教の女性が髪を隠すのに用いるスカーフのことだが、国や地域によって隠し具合が異なる。「チャドル」は黒地の布で作ったベール状の布で、頭からかぶって全身を覆い、顔は隠さない。顔も隠して目だけを出すのは「ニカブ」。そして、極めつけの「ブルカ」は頭から全身を覆うように着る衣服で、目の部分も網状の布などで隠す。
 女性が髪や顔、体のラインを隠すこのイスラムの習慣は、預言者ムハンマドが女性の美しい部分を隠すように求めたことが起源とされる。
 サウジアラビアやタリバン政権時代のアフガニスタンのように、政府が女性の外出時の服装を制限する厳しい国がある一方で、トルコやエジプトのように若者を中心にジーンズやスカートなどの軽装に寛容な国もある。
 さて、女性アナウンサーのヘジャブ着用がなぜニュースとして流れるのか。それは欧米が中東諸国に押し付ける民主化(イコール選挙)によって選ばれた政権が、エジプトをイスラム原理主義へと回帰させるのではないかという点に世界が注目している証拠だろう。
 前ムバラク政権のエジプトは親欧米であり、イスラエルと平和条約を締結した中東の数少ない国でもあった。それゆえに欧米はムバラク独裁政権を容認し、中東における親欧米国家の拠点として都合良く利用してきた。そのエジプトがイスラム原理主義に回帰して万一、反イスラエルを標榜すれば、第5次中東戦争の火種にもなりかねない危険をはらむ。
 しかし、民主化・選挙で誕生した政権を正面から批判できないジレンマをかかえる。エジプトの世俗主義が原理主義へと移行するのか。アナウンサーの服装の変化は、エジプト一国の変化を意味するのではなく、中東における政治バランスに多大な影響を与えることを意味するゆえに、世界が注目するのだろう。

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2012年09月04日

健康、美人、うまいもの

 新聞や雑誌の記事、広告を眺めると健康、美、食に関するものが溢れている。
 これは日本全国、病人だらけ。国民の関心が美人になりたい、うまいものを食べたいとする贅沢病にはまっていることを証明している。
 これを食べたらよい、あれを飲んだらよい、と科学者の説を載せ、病気を克服した人の経験談などによって商品の買い気をそそる宣伝だが、その宣伝に乗って、日本人がみんなそれらのクスリや飲みものに浸かったら、日本には病人がいなくなる勘定になる。同様に美人のすすめで、飲みもの、クスリ、食べ物に方向を変えれば、世の中、みんな美人になるはずだが、そうはならない。
 テレビの料理番組などで、有名人がコマーシャルに登場し「うまい」と感嘆の声をあげるが、アホらしやの鐘が鳴る。
 腹ペコの時は梅干し茶漬けでもうまいし、いつもたらふくご馳走を食べているとマグロの刺し身やビフテキよりも漬物がおいしくなる。
 このごろの文化人はチッポケな一夜漬けの教養が災いして、手を汚さずに楽をして、健康で、美人、美食家になろうとする。つまりはずぼら人生に自らを追い込み、自分自身を見失ってカタログの焼き直しのような灰色の人生を生きてゆく。
 「哀れというもおろかなり」とぼくはしみじみ今の世の風潮を悲しむ。アホにつけるクスリはない、というが、いまは悲しいことに日本人みんながアホになりつつある。日本人が、いま一番反省し、生活の指針を切り換えねばならぬのは自然讃仰である。決して難しいことではない。むかしむかしからの自然歓喜である。
 歓喜とは仏教に由来する言葉だが、みほとけさまがにっこり微笑し給う穏やかな、やすらぎの満ち溢れるお姿と思えばよい。
 やすらぎと穏やかさは、感謝の心に根ざしており、海の凪ぎ、晴れた青空がその象徴である。歓喜の心は自然に還れの自然崇拝に根ざす。
 いまの世相はこれとは全く相反する自然蔑視、自然破壊の鬼の面である。人間は賢い動物であると威張っているが、一体なにさまの力を持っているのか。
 O157で、ひとたまりもなく腰を抜かすぶざまさを思い知るがよい。
 寝て起きて食って働く人の世だが、その間、人間はどれくらい自然を痛め、反自然を繰り返し、地球や他の動植物にどれほどの迷惑をかけているか、考えもしないのではないか。
 人間も他の動植物同様、自然の子である限り、その住み分けの法則を守り、地上の清さ、美しさ、豊かさを押しひろげる謙虚さと真摯さが求められる。
 動かない、動かさない、ずぼら指向の日常。捨てて顧みない贅沢。捨てて限りなく汚してゆく河川、山野、環境。クスリと化学物質の生活を仕切るオンパレード。かくして人間は、本来、神さまから与えられている生存能力や身心の健康、何でもおいしく頂く舌と腹。こまめに動く手と足。考える知恵の働き。その他、口では言い切れぬ多くの宝を持っているはずだ。
 しかし、今の日本人はその宝物をかびさせ、腐らせて始末に負えぬ反自然の鬼となった。神さまが泣いていらっしゃる。早く目覚めよ。自然に還ることが健康長寿の道であり、ものがうまくて、美人になる近道と思えばよい。
 その思いが感謝と歓喜に通じるのである。【押谷盛利】

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2012年09月03日

自然は知恵の宝庫(見聞録)

 地球上に生命が誕生してから38億年が経過している。最初誕生した原始的なバクテリアは、その途方もない時の流れの中で多種多様な動植物へと進化し、厳しい自然環境に合わせて機能や知恵を身に付けてきた。
 その機能が地球の生態系に欠かせないものもある。例えば、植物は太陽光エネルギーによる光合成で酸素を生み、地中の微生物は動植物の死骸を分解し栄養素を作り出す。
 地球の生態系を支える植物、微生物に比較して、人類はどうなのか。1000年前、2000年前は地球上の生態系の一員として許容される範囲で生きていたかもしれない。しかし、1760年代に始まった産業革命からわずか250年後の現在、人口を爆発的に増やした人類は文明社会を維持するため、地球が蓄えてきた資源をむさぼり、その資源を巡って紛争を起こしている。エネルギーが足りないと、「核分裂」をも利用する。
 資源開発、住宅開発で自然を破壊し、海と大気を汚染し、食糧、服飾のため幾多の生物を絶滅に至らしめた。
 地球の生態系破壊の上で成り立っている産業・文明構造に疑問を投げかけ、「自然から学ぼう」と訴えているNPO法人が滋賀にある。近江八幡市に事務局を置き、県立大副学長・仁連孝昭さんが代表を務めるNPO法人「アスクネイチャー・ジャパン」だ。
 自然を「資源の宝庫」とみなし、取り出し消費することによって文明を築くのではなく、自然を「知恵の宝庫」と見直して、その知恵と応用の上に築かれる文明こそが求められている—と呼びかけ、子どもを招待した自然観察会や企業経営者らを交えたシンポジウムなどを開いている。
 自然の知恵とは何か。例えば、ハスの葉の上で雨が水玉になるのは、葉の表面にある小さな凹凸が水の表面張力を生み出すから。水玉は泥や小さい昆虫、その他の異物を絡め取りながら転がり落ちる。その機能をヒントに、ハスの葉の表面構造を手本にした外壁塗料が開発された。建物の外壁に塗ると雨水で壁の汚れが落ちる仕組みで、洗剤などを必要としない。
 アフリカの乾燥地帯に住むシロアリは最大で7㍍もの巨大な蟻塚を築く。蟻塚内の無数の穴が空気を循環させる通気孔と煙突の機能を持ち、蟻塚内の換気と温度の安定化に役立っている。その空気循環の構造を模したショッピングセンターがジンバブエにある。40度を越す灼熱の砂漠に建つにもかかわらず、冷房設備に頼らずに自然冷却を実現させている。
 自然の知恵と機能に学び、資源に頼らない文明構造を構築しなければ、人類は滅びるかも知れない。福島原発事故以来、多くの日本人がエネルギーの生産と消費のあり方を見直すべきと考えたことだろう。
 目下、政府は「脱原発依存」の道筋をどうするのか検討中だが、石油やガスなど化石燃料に頼ったエネルギー構造からの脱却も求められる。いかにして自然エネルギーを創出し、かつエネルギーを極力使わない生活スタイルを築くのか。
 アスクネイチャー・ジャパンの訴えには多くのヒントが隠されている。関心のある方は同団体(☎0748・47・8622)へ。

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2012年09月01日

大胆な維新の「船中八策」

 政局は、大阪維新に振り回されている、という感じだが、そうではなく、実際には国民の側の平成維新を断行してほしい、との熱望が今日の政治的台風をはらんだといえよう。
 明治維新は武士のチョンマゲと帯刀を外し、藩を廃しての府県制による国家の統一を断行した。
 橋下徹大阪市長率いる大阪維新は、その政治への出発点ともいえる大阪都構想を早くも現実のものとした。
 大阪都構想はその延長線上に道州制が想定される。道州制は府・県の廃止を前提としている。
 明治維新以来の府県制は内務官僚の統治機構の基本となったがそれゆえに今日国民の批判の対象となる公務員天国を招来した。国家公務員制度は、地方も含め、その官僚的統治機構の改編が歴代政権や各党の公約でありながら今日に至るまでほとんど前進していない。
 民主党に至っては、その体質が公務員の労組や日教組(教職員組合)の組織的基盤の上に立っているから公務員制度の改革は言うべくして実行できない。
 いま、科学は宇宙を視野に、一瞬のうちに世界のすみずみまで交信でき、その情報を手にする時代が到来した。
 日本の政治機構や運営についても古い体質やゆがみを大胆に改革する機運が生じた。その歴史的必然性が大阪維新なる改革の芽を生み育てているといえよう。
 明治維新の芽は土佐(高知)の坂本龍馬や遠く辺境の薩摩(鹿児島)の西郷隆盛らの決死の情熱と行動力で実を結んだが、今回の大阪維新も事情は似ている。官僚機構の総本山とも言うべき東京の一局集中の弊を内部から崩すのではなく、その対極にある西日本のチャンピオンともいうべき大阪が改革ののろしを上げた。それも大阪の既往の自治権力ではなく、これを実力で制した橋下徹という革命児による決起である。
 今の世に平成維新というにふさわしい動きが国民の眼にストレートに伝わってくるのは実に愉快ではないか。これまでの政治権力は、すべてが隠密に、闇から闇の談合の世界で仕切られてきたが、大阪維新は、すべてを公開、オープンシステムとし、そのスタンスは常に国民本位である。
 9月8日に公表される「維新八策」は坂本龍馬の船中八策を踏襲したものだが、維新への熱気は幕末の政治情勢と近似している。幕末は、海外から新しい情報が鎖国を許さなくした。中央と地方の経済がバランスを欠き、国土の発展にゆがみを見せ始めた。何よりも国土の防衛と教育の振興、人材開発が望まれた。
 いまの平成維新も防衛と外交、教育、統治機構の見直し、刷新、改革を高らかに宣言した。
 大阪維新は大胆にも衆議院の定数半減、参院廃止、首相公選制、日米同盟強化、教育委員会廃止、公務員制改革、政党交付金の3割減、選挙活動のインターネット使用。悪平等、画一主義の脱却など、目を見張る内容が心を躍らせる。死に物狂いの血気の勇なくして成し遂げられず、国民の応援がすべての鍵を握る。【押谷盛利】

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