滋賀夕刊新聞社は滋賀県長浜を中心に政治、経済、文化の情報をお届けする新聞です。



2012年08月31日

自然災害は必ず来る(見聞録)

 内閣府の中央防災会議が29日に公表した南海トラフの巨大地震による被害想定。死者は最大で32万人にのぼり、東日本大震災の死者・行方不明者約1万9000人の17倍になると推計された。
 「トラフ」は英語で「trough」と書き、「溝」「谷」という意味を持つ。転じて地質学的には、最大水深が6000㍍を超えない海溝を指す。日本には南海トラフのほか、駿河トラフ、相模トラフなどがあり、いずれも海洋プレートの沈み込みに伴って形成され、震源地ともなっている。南海トラフは、東海地方から紀伊半島、四国にかけての南方沖約100㌔の海底を東西約700㌔に走っており、これまで幾度も地震を引き起こしてきた。
 中央防災会議の被害想定は▽発生場所が陸に近いか、遠いか▽発生時刻▽発生時の風速▽早期避難率の高低—などで96通りに分類して推計した。
 死者数32万人に及ぶケースは冬の深夜に最大級の地震が発生し、駿河湾から紀伊半島の広い範囲を大津波が襲う場合を想定した。住民のほとんどが就寝中のため、避難が遅れたり、ためらったりで、避難率が2割にとどまる。
 また、別のケースでは和歌山県串本町に高さ1㍍の津波が地震からわずか2分で到達すると予測された。1㍍の津波は人を簡単に押し流してしまう。さらに10㍍の津波は4分で到達することが報告された。
 これらセンセーショナルなレポートに愕然とするが、津波想定地域では強い揺れを感じたら高台などに逃げるという行動を心がけるしかない。
 滋賀県内では津波被害はないが、揺れや液状化などで建物の全壊・焼失が1万3000棟と想定され、死者500人となった。ただし、建物の耐震化や家具の転倒防止策を徹底すれば死者は40人に減る見込みだ。
 湖北地域では南海トラフ地震よりも、柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯で地震が発生した場合が深刻だ。長浜市地域防災計画によると、同断層帯でマグニチュード8・2の巨大地震が発生した場合、市内全体の建物の23%にあたる1万3393棟が全壊する。早朝の場合は死者1028人、重傷者854人、負傷者1万6820人にのぼる。
 このほか、自治体の防災計画などには含まれていないが、琵琶湖底で集落跡とみられる湖底遺跡がいくつも確認されていることから、琵琶湖を抱える滋賀では大地震に伴う地盤沈下や地すべりという甚大被害も否定できない。
 ただ、日本人はこれまでも地震、津波、台風など自然災害と共に歴史を刻んでおり、無縁ではいられない。「災害は必ず訪れる」との意識を常に持ち、建物の耐震化や家具の転倒防止、家族での避難方法、避難場所の確認、防災グッズの手配など、万一の備えを怠らないことだろう。それ以上に、人間は自然の脅威を前にしては無力であり、決して科学力で御し得ないということを心にすべきだ。それはフクシマの教訓でもある。

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2012年08月30日

首相問責と両党の代表選

 29日の参院本会議で、野田首相に対する問責決議案が可決された。
 みんなの党など野党7会派と自民党が協調した結果で、公明党は棄権した。
 首相の問責決議は法的に抱束力を持たないが、言わば不信任案の可決のような重みを持つから野田首相がこれを無視して居座っても国会の空転は避けられない。
 今国会は9月8日までが残された会期なので、予定の法案はアウトとなる。
 不信任案に匹敵する問責決議を受けたので、これを蹴散らす意味で、堂々と解散すれば、いさぎよいと思われるが、いまこれをやれば民主党は惨敗するから首相が伝家の宝刀を抜くことはない。
 民主党は今度の首相問責を自、公、民の三党協力による消費税増税、社会福祉一体改革に対する裏切り行為と批判しているから、谷垣自民総裁と野田首相との「近い時期に解散する」の約束は吹き飛んだと解釈している。
 公党間の約束が空中分解すれば解散はそれこそ首相の胸三寸となる。
 こういう「みちくさ」はあらかじめ想定して進めた「芝居」なのか、と皮肉る向きもある。
 解散を要求している自民党ではあるが、党内は必ずしも結果オーライと自信を持つ者ばかりではない。むしろ、次なる選挙の厳しさを予見し、できることなら任期一杯、来年夏ごろまで首をつないでいたいと思っている議員もいるはず。
 どちらに転んでも、解散は首相の権限であり、民主党の内部の空気はひたすら解散引き延ばしである。
 今回の首相問責は解散延ばしに自民党が手を貸したことになるが、しかし、だからといって政局が安定するわけでなく、今後の臨時国会以降の国政は衆議院では野党の欠席、参院では政府案否決という変則の展開となり、内外多事多難の今日、国民の猛反撃を食らうだろう。いやが応でも現国会全体への不信感と怒りが拡散して、大阪維新を先頭に国の政治を根本から立て直そうとする国民運動が燎原の火の如く燃え盛るにちがいない。
 今日まで、もたもたと民主党につき合ってきた自民党の谷垣総裁や執行部はある意味で国民の怒りをなだめる役割をしてきた。本来ならば、もっと、もっと早くに民主党内閣を潰す作戦、いわゆる解散一途の戦略を進めるべきだった。
 時間を貸したということは、自民党自身も口では解散をいいながら、その実、本音は解散を恐れていたのかもしれない。
 バカバカしいと言おうか、無節操と言おうか、おろおろして、大阪維新の顔色を眺め、その戦略を忖度するばかりである。いずれにしても次の政局の眼は9月に行われる自民、民主党のトップの選挙である。選ばれるトップはその党の顔であり、その顔を前面に立てて総選挙を戦わねばらぬ。
 自民党内は谷垣への不信感が高まりつつあり、このところ安倍元総理の担ぎ出し説が浮上。民主党はアンチ野田陣営が、田中真紀子元外相への期待感を寄せているが、流動的である。どちらに転んでも国民が拍手して歓迎できる人物は表面化していない。【押谷盛利】

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2012年08月29日

韓流ブームに苦言?(見聞録)

 島根県・竹島への李明博・韓国大統領の上陸を機に関係が急激に悪化している日韓。李大統領は「天皇が韓国に来たいのなら謝罪せよ」との暴言を吐いたり、親書を郵送で送り返したりと、とても一国の代表とは思えない言動に終始している。
 政治的対立はともかく文化交流面で日韓関係が険悪になる必要はないと日ごろから思っていたところ、29日朝、女性読者から電話を頂いた。「滋賀夕刊にこんなこと言うのも何やけど、BS番組を見ていると韓国ドラマばっかり。こんな時に韓国の番組を放送するテレビ局は何を考えているのでしょう」との内容だった。
 小生は「国内に根強い韓流ファンがいて一定の需要があるし、日本のドラマを制作(または再放送)するよりも韓国ドラマを放送したほうが、コストが安いのでは」と説明したが、女性は「いくら韓流スターが良いからといって、こんな時期にあんな非礼な国のドラマを見る気が知れない」と不満気だった。
 「韓流ブーム」と呼ばれる現象は2004年のペ・ヨン・ジュン、チェ・ジウ出演のドラマ「冬のソナタ」が火付け役だった。以降、ドラマが次々と流入し、ロケ地を巡る韓国旅行も急増した。最近は音楽業界で「Kポップ」がもてはやされている。
 これら韓国ドラマ・音楽の日本流入は韓国の国策であり、プロモーションの成果であることを忘れてはならない。1997年のアジア通貨危機で韓国経済が破綻したのを機に、韓国は官民を挙げてドラマや映画、音楽などの輸出を推進してきたからだ。
 今回の日韓関係の悪化がこれらの産業にどのような影響を与えるのだろうか。女性読者のように「見る気が知れない」と反発する向きもあるだろう。
 気の毒にも日本で活躍する韓流スターの立場は微妙だ。韓国国内ではこれまでも日本で活動する俳優やアーティストに「竹島問題をどう思うか」などと、マスメディアの心無い質問に神経をすり減らせてきた。男女関係のもつれから来る「私と仕事、どっちを取るのよ」との感情的質問と同レベルであり、こういう感情をメディアに携わる者が自制できないことこそ、不必要に日韓関係を険悪化しかねないと考える。
 先日、韓流スターの1人が竹島への遠泳イベントに参加したことに対し、日本の外務副大臣がテレビ番組で「申し訳ないが、これから日本に来るのは難しくなるだろう」などと発言したが、わざわざ取り上げる話題でもなかろうに。
 韓国の国策で作られたにせよ、日本で一定のブームを巻き起こしている韓流。その収益構造はライセンス契約などの過程で、利益のほとんどを日本企業が得ている。こういう実態も含めて韓流ブームと理性的に付き合いたいところだが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い?。

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2012年08月28日

大阪維新と啐啄の好機

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会の着実な戦略とこれに期待を寄せる国民のうなぎ上りの人気に対し、ぼくは「啐啄」という言葉を目に浮かべる。
 啐は、ひなが卵の殻を破って出ようとして鳴く声。啄は母親が殻をつつき割る音。
 ひなが孵るには、機が熟さねばならぬ。殻の中で卵の中の養分を吸って育ってきたひなが外へ出ようとして殻を破るのと時を同じくして親鳥が抱いていた卵をつついて殻を割る。つまり、卵の中の生命と外からの愛の呼びかけが一致して一羽のひなが誕生する。
 大阪維新は日本の政治や統治機構を根本から改革しょうとする天の神の恵みのひなである。
 このひな、見事に成長して、殻を破り、国家国民のために働いてもらわねばと、声援を送っているのが国民である。
 なぜ、今大阪維新なのか。大阪府民と国民は橋下氏の府知事当選と一期近い橋下行政のなかで、彼の政治信条と決断力、行動力を確認した。府政の現実的成果のなかで、余人ではなし得ない働きに感銘した府民は、日本でも初のケースとなった府、市の首長ダブル選に大阪維新の金字塔を高らかに立ち上げた。
 こうして、大阪都構想、道州制、地方主権の橋下構想は中央の与野党に衝撃的影響を与えた。
 早くも大阪都実現の法改正はパスし、道州制も現実化した。大阪維新は船中八策を訴えるほか、次なる解散総選挙に備えて国政進出を視野に、大々的に維新塾を開設し、人材を温めつつある。
 大阪維新が国政政党として立ち上がるとき、それは国民が歓喜の声で迎える時だ。「やるぞ」は維新の中からの声。「待ってたぞ。やれよ」は国民の声。
 なぜ、このような政治風雲が巻き起こったのか。まさに竜巻現象というべきだが、決して偶然ではない。国民は戦後この方、この国の政治のゆがみに痛憤し、幾度か改革ののろしに共鳴し協力してきたが、いつの間にか、ミイラ取りがミイラになって、国民不在の官僚政治が続いてしまった。
 2009年、戦後初めて、自民党政治を排しての民主党政権が誕生したが、これはこれまでの長い自民党政治への三下り半であった。つまり、国民の心からの不信と怒りが民主党に期待したわけだが、結局これはウソとごまかしで、国民の票を稼いだことが分かり、その裏切りは国民の心を逆撫でして、強い政治不信を招いた。
 こういう長い戦後政治のなかで、国民の怒りは渦を巻いて内に籠もるようになった。救世主出でよ、の神かけての祈りが通じたのか、橋下徹氏が忽然と浮かび、極めて短日月の間に、10年、20年の実績にも匹敵する改革を仕上げたばかりか、国会議員不在の地方政党が巨大な中央政党や政権まで揺らすほどの力を発揮するようになった。
 神慮の後押しはもちろんだが、日本国の隅々に至るまで、「本物の改革」への期待と信頼が怒濤のように響きあい始めた。まさに啐啄のチャンスが現れた。
 その志が本物であるか、いんちきものか、自己の地位や名誉、保身ではなく、国家、国民のために本当に汗をかくのか、この答えは、国民の多くが、「任す」、「安心して任す」の声に広がりつつある。新しい日本の夜明けこそ、国民の閉塞感を破る春一番の鴬の声であろう。【押谷盛利】

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2012年08月27日

21世紀のアームストロング(見聞録)

 人類で初めて月面に降り立ったニール・アームストロング船長が25日死去した。82歳だった。
 船長は1969年7月16日、アポロ11号に乗り地球を出発。19日に月軌道上に入り、20日、アポロ11号から月着陸船イーグルに乗り換え、操縦かんを握った。平らな場所を見つけると静かに機体を着陸させ、そして人類史上で最も貴重な一歩を月面に刻んだ。
 月面活動のようすは全世界へテレビ放送され、5億人以上が視聴したといわれる。
 もっとも船長の月面着陸の背景には国の威信をかけたアメリカとソ連の宇宙開発競争があった。ソ連は57年に世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げ、61年にはガガーリンの宇宙飛行を成功させていた。そんな中で飛び跳ねるような「ムーンウォーク」を見せる船長の姿に、アメリカは国の威信を取り戻した。
 この時の船長の言葉「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」は人類史上に残る名言だった。
 月面着陸の熱狂は翌70年に開かれた大阪万博へと引き継がれた。アポロ11号が持ち帰った「月の石」が展示され、アメリカ館の前には長蛇の列ができたという。
 船長の月面着陸も、大阪万博も小生の生まれる前の出来事であり、当時の騒ぎを体験していない。あれから40年以上経過しても、生物の可能性のある火星への有人着陸どころか月面着陸さえ実現していないことがもどかしく、歴史的偉業の瞬間を共有できていない悔しさがある。
 日本の小惑星探査機はやぶさがイトカワの探査を終えて10年ぶりに地球へ帰還し小惑星のサンプルを持ち帰るなど、宇宙科学技術は進歩しているのだろうが、月面着陸に匹敵するような心を躍らせるニュースはない。
 今、「宇宙兄弟」という漫画が人気を集め、映画化されている。弟が米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士として月面着陸メンバーに選ばれたのを機に、兄が宇宙飛行士を目指して厳しい訓練をクリアしてゆく物語。兄の目標は火星への探査飛行だ。
 現実世界でも宇宙航空研究開発機構(JAXA)やNASAなどの国際チームが火星への有人探査を目指し、順調に進めば2030年ごろに実現する。
 あと20年で、月面着陸の時のように世界が沸き立つような感動に立ち会えるかもしれない。そのとき、火星に降り立つのは今の中学・高校生かもしれないし、小学生かもしれない。誰もがアームストロング船長になれる可能性を秘めているわけだ。

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2012年08月24日

エネルギー政策転換への覚悟(見聞録)

 将来のエネルギー政策はどうあるべきなのか、どう変革してゆくべきなのか。今一番、真剣に考えているのは国民なのかもしれない。
 今夏の節電への取り組みと成果は想像以上だったと感じている。電気事業連合会が発表した7月の電力需要実績では電力会社10社の販売電力量は前年同月比6・3%の減少で、関西電力管内の家庭向けは16・9%も減少した。
 また、関西電力が23日発表した今夏(今月20日まで集計)の家庭の節電率は福島原発事故発生前の2010年比で11%となることが分かった。関電が求めている10%以上の節電をクリアし、需給ひっ迫を想定して準備を進めてきた計画停電は回避できる見通しだ。
 国民の節電への姿勢は、福島原発事故における人間の無力さを目の当たりにして、エネルギー政策の転換が避けられないと、覚悟しているからなのだと推測する。
 政府が2030年の総発電量に占める原発比率を尋ねた「討論型世論調査」でも原発比率「0%」への支持が47%を占めた。政府が有力視していた「15%」案の支持率15%、安定供給を重視する「20〜25%」案の13%を大きく引き離している。これが国民の声なのだ。
 しかし、政権与党の一部や経済界は原発ゼロ案に反対している。原発に頼らない電力供給システムを確立する場合、太陽光や風力、小水力発電などに莫大な設備投資が必要だ。また再生可能エネルギーの買い取りのため、電気代の上昇も避けられない。短期的には火力発電のための燃料輸入で日本の富が国外へ流出することにもなろう。急激な脱原発では経済不安を招き、国力が衰えるとの指摘だ。
 こういう指摘に対し、討論型世論調査を行った曽根泰教・慶応大教授は「再生可能エネルギーの推進やライフスタイルの変化など、かなり国民が覚悟した数字と考えていい」と述べた。国民が電力の安定供給よりも安全確保を重視し、節電を強いられ、電気代が上昇する不便を覚悟しているという分析だ。
 野田政権は来月にも将来のエネルギー政策をまとめる方針だが、国民の意識変化をどう汲み取るのか。原発を基幹エネルギーと位置づけてきた日本が、脱原発へと舵を切ることは大きな方針転換だ。
 将来における原発とエネルギーのあり方は、近く訪れる衆議院の解散・総選挙でも争点となるが、未来のエネルギー政策を決める分水嶺となるだろう。有権者1人1人がエネルギー政策について頭を悩ませたい。

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2012年08月23日

平和ぼけと知事、市長

 平和ぼけという言葉がある。日本は敗戦から今日まで67年間、国内の争乱はもちろん、海外からの侵略もなく、暮らし豊かに平和な生活を送ることが出来た。暮らしの豊かさぶりは消費生活を見れば分かるし、便利で快適な生活は罰が当たるのでは、と心配するほどぜいたくになっている。
 こんな「ありがたい世」にのほほんと浸かっているから「平和ぼけ」が心配されるのである。
 平和ぼけは社会をゆがめるし、人間の心を危うくする。学校におけるいじめや、不登校、暴力事件もその影響であるが、日々のニュースに出てくる恥ずかしい事件も平和ぼけの一環である。
 要するに緊張感が働かず、遊んでいても食ってゆけ、ホームレスでも糖尿病になるご時世なのだ。
 そういう緊張感のない、われ勝手の自由気ままな生活に馴れきっていると、竹島や尖閣諸島問題ではないが、ひそかに、そして公然と外圧が国の頭痛の原因となる。
 平和ぼけのゆるふん日本だから国防も外交も経済も隙だらけである。その日本の隙を狙って、日本の政治秩序を根本からくつがえす反自由、反民主国家のスパイや工作員が暗躍する。
 ロシア然り、中国然り、北朝鮮ばかりか、北朝鮮寄りの韓国からでさえ日本は狙われている。
 日中友好、日韓友好、日ロ友好協会など、民間親善団体はいかにも平和で仲よくね、と思わせているが、そう信じるのはお人好しの日本だけで、他の国はこれを窓口に不正な情報や不正な取引、軍事、産業の機密をつかもうとする。
 共産国は独裁政治であるから党の方針は日本における大使館、領事館の役人はもちろん、日本に住む居留民、留学生にまで及ぶ。一度指令が来れば、日本国内でデモを組織することだってわけない話なのである。
 日本における平和ぼけの陰の推進者はマスコミかもしれない。例えば、学校のいじめ事件など、彼らが本気で真相を追及してゆくならば、教育委員会の役立たずや、学校教育のあり方をえぐり出すことができるはずだが、日本のマスコミは故意か、さぼりか、取り上げない。
 教育委員会には学校教育と社会教育があるが、実質的には教師の職場である現場以外の雇用枠である。こんな無駄な組織に多額の予算(公費)を出しているのは、日教組の後援機能を強化しているようなものである。
 大津市の中学生のいじめによる自殺事件はその後、泥沼に隠された凶器を捜すように、出るわ、出るわ、教育委員会と学校の不適切、ごまかし、ほおかむり、信じられないような校内の無秩序、無責任体質が暴露されつつある。教育長、学校長、担任教師は、地球より重い人の命を何と心得るのか、厳しく問われねばならぬが、彼らは、いじめの被害者の尊い命に何をもって答えようとするのか、自らを罰する覚悟があるのか。いまなお、恋々と、その職にあるのは厚顔というよりも社会への敵視といえよう。自分たちの内輪をガードして、ケガを見せまいとするおよそ教育界にあるまじき汚点というべきであるが、事件以来、今日に尾を引くこの問題は、大津市はおろか、県全体の教育不信を思わせる方向へ発展しているし、地元の中学生は心穏やかならぬ環境におかれて気の毒である。
 大津市長も県知事も、県教育長も平和ぼけをしているのではないか。自ら火中の栗を拾う勇気と決断で、教育刷新の実を上げるべきである。【押谷盛利】

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2012年08月22日

みんなの節電、効果あり(見聞録)

 節電を余儀なくされている今夏。グリーンカーテン、エアコンの温度設定、照明の間引きなど、あちこちで電力消費を抑える取り組みがなされ、その成果は数字となって如実に現れている。
 電気事業連合会が発表した7月の電力需要実績(速報)によると、電力会社10社の販売電力量は前年同月比6・3%の減少だった。家庭用は12・4%も減った。産業用の大口は1・8%減だった。
 特に原発依存度が電力会社10社の中で比較的高い関西電力は、計画停電の可能性を指摘しながら節電を呼びかけたため、7月の販売電力量は前年同月比で10・6%減少し、家庭向けは16・9%減にもなった。
 関西電力は大飯原発の再稼動を実現したことで、安定した電力供給を行っており、住民の停電に対する危機意識がいくらか緩んだとみられることから、もし、再稼動がなければ、さらなる節電が実現できたことだろう。
 弊社でも古いエアコンの入れ替え、設定温度への気配り、すだれの設置、大型機械のこまめな電源オフなどで節電を心がけた結果、6月18日から8月20日までの2カ月間の電力消費量は一般の「従来電灯」が前年同期比で18・2%減、機械動力用の「低圧電力」が14・9%減という成果だった。
 元々、大規模に電力を使う事業所ではないため、削減量は微々たるものだったが、節電意識を高めるだけで、これだけの削減率にのぼることに正直、驚いた。節電の夏の後半戦も、しっかり取り組みたい。
 さて、21日付け朝日新聞によると、大飯原発の再稼動がなければ、関西電力が電力需要に耐えられない日が7月で12日間にのぼったという。最大で150万㌔ワットが不足したと想定され、関電は「大飯の再稼動がなければ、大変厳しい状況だった」とコメントしている。
 しかし、一方で、西日本全体では電力消費のピーク時でも900万㌔ワット以上が余っていた。電力事業者間で電力を融通し合うシステムが構築されていれば、今夏を原発なしで乗り越えられた可能性が高い。

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2012年08月21日

世論と民主主義と新聞

 民主主義の政治は世論政治である。世論を大切にする政治であり、世論は選挙に際して政権をコントロールする。
 では、世論はいつ、どこで、だれによって明らかとなるのか。
 世論は公正な報道機関による世論調査の結果判明する。その前提として、世論は何によって形成されるか、つまり国民世論の背景は何によるのかが問題である。国民は政治に関心を寄せる中、身の安全や暮らし、国土の繁栄、幸福度などについて動物的本能ともいうべき勘が働く。
 現実の生活において、物価、税金、消費財、安全、安心などは直接身体感覚で素朴ながらも把握できるが、より広範に、より科学的に、より実証的に理解するにはあらゆる情報に頼らねばならぬ。
 したがって、民主主義が高度に発展すればするほど、その国には情報があふれ、正しい情報の選択は国民に委ねられる。
 今、国民に必要な情報は日々の新聞やテレビが一般的だが、このほかに雑誌やインターネット、各種各団体の広報、宣伝からも必要な情報は得られよう。
 もちろん、政党や政府、地方自治体からの情報発信もある。
 一口に情報といっても、政治、国防、外交、教育、経済、文化、スポーツ、娯楽、健康、福祉など際限もなく豊かなのが民主国家の本領であり、逆にいえば、独裁政治の共産革命国家には、自由、かつ、広範な情報は一切閉ざされている。国家と党に必要な情報は上部から命令的に伝達されるが、国民が必要とする情報は闇の中である。
 情報源である新聞やテレビは国営か、党の直轄である。国民が政治や党を批判することは許されないし、禁を犯せば逮捕されて、極端な場合は銃殺される。なにもかも自由な日本では信じられないことだが、北朝鮮でも中国でも共産国家ではごく普通の自由が許されない。
 反政府デモや集会、言論は検束され、罰せられる。いま、中国で報じられている反日デモは、日本叩きだから目をつむっているだけで、政府や党を批判してのデモなら片っ端から逮捕される。それはかつての天安門事件の大虐殺が証明している。
 したがって、こういう独裁政治の共産国家には国民にひらかれた情報は皆無であり、世論などはつかみ得ない。国民は奴隷生活そのままに、政府や党に支配され、国の報道機関は、政府や党の下請企業同然である。
 このように考えると、情報と報道の自由は民主主義の砦であり、これが侵されれば国の破滅と国民の不幸に直結する。
 いまの日本は報道も情報も自由だが、国民はしっかり眼を開いて、情報隠しや情報操作が行われていないか、まるまかせでは墓穴を掘りかねない。
 例えば、一部を除き有力な日刊新聞が天皇や皇室関係の記事に敬語を使わないが、これは国民と皇室を引き離す思想の表れの一つで、こんな新聞があるから、韓国の大統領が日本の天皇に対する非礼発言を恥じないのである。
 天皇に対する非礼は敬語ばかりではなく、記事の内容によっても明白であり、国民は思いを新たにして民主主義を守ることに意識を働かせねばならぬ。【押谷盛利】

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2012年08月20日

反日デモの規模(見聞録)

 沖縄県の尖閣諸島、魚釣島に19日、日本の地方議員5人を含む10人が上陸し、灯台に日の丸を掲げるなどして日本固有の領土をアピールした。尖閣諸島は立ち入り禁止区域に指定されており、上陸には事前に国の許可が必要で、県警が軽犯罪法違反の疑いで調べている。
 魚釣島に上陸した10人は、戦時中に同海域で起きた疎開船遭難事件の洋上慰霊祭に参加していた。
 そもそも、日本政府が日本人の尖閣諸島への上陸を認めないことが問題の根本なのだろう。その理由を政府は「尖閣諸島を平穏かつ安定的に維持・管理するため」としているが、中国への配慮が見え見え。
 歴代政権は尖閣諸島に対し腫れ物に触るような対応で、上陸禁止がその最たるものだろう。今回の慰霊祭も上陸を許可しなかったため、洋上で行われた。もっとも中国政府は洋上慰霊祭さえも「中国の領土主権を損なう行動」として日本側に中止を求めていた。
 さて、尖閣諸島への上陸が油を注いだのか、中国では反日デモが各地で発生し、一部が暴徒化して日本料理店や日本車、日本の電化製品などを破壊。北京や上海の総領事館前では「琉球国(沖縄)を返せ」の訴えもあった。
 20都市以上で数万人が参加したという。新聞、テレビを見る限り、反日デモが中国国内で渦巻いているような錯覚をするが、13億人という同国の人口規模と対比すれば、10万人が参加したと仮定しても、1万3000人に1人の参加だ。長浜市全域で10人がデモに参加するようなものだ。
 さらに限定すると、例えば国際都市、広東省深圳市では約5000人のデモだったが、同市の人口は1500万人弱だから3000人に1人の参加。上海に至っては数十人だけだった。
 2005年、北京で発生した反日デモ。このときも日本料理店を襲い、大使館の窓を壊した。小生はちょうど北京を訪れていたが、デモの気配すら感じず、日本人だからといって困った目に遭わされることもなかった。帰国し、関西空港に降り立ったところ、日本の報道記者に「北京のデモはどうでしたか」と取材を受け、初めてデモがあったことを知った。
 中国でのデモは万事、この程度ではないのか。一部の過激な愛国主義者のほかは、政府や社会に不満を持つ若者らが「反日」のスローガンを免罪符に鬱憤を晴らす機会としているのではないか。
 もし、彼らの日本企業襲撃や日本製品ボイコットが中国国民の支持を集めているならば、日本企業・製品があれほど中国に進出することはないだろう。現地での取材に地元商店主が「デモには全然興味ない。参加したのは何もすることがなくて暇な人たちだろう」(共同通信)と冷めた意見を語ったのが言い得て妙だった。
 総理官邸前で行われている原発再稼動反対デモは当初無視していたのに、中国の反日デモはすぐさま大きく扱い、詳報する。この国の報道のあり方に時々、疑問符を付けたくなる。

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2012年08月18日

韓国は泥船に乗るのか

 いま、韓国は取り返しのきかない泥船に乗るのではないか、とぼくは心配している。
 韓国の危機と同国民の不幸は海峡を隔てた日本への影響もあるから他山の石と傍観できない。韓国には賢い人がいるはずだが、なぜか、変な世論に押し潰されて、沈黙を強いられている感じである。
 ぼくの心配するのは、韓国の共産化であり、北朝鮮による支配である。
 いまの韓国の政治は、自由派の民主主義政党が権力を握っているふうに見えるが、政策の一つ一つに北朝鮮の影響力が強い。表面は南北対立しているが、実質面では同調する部分が多く、北の戦略である時間稼ぎを縫っての南北統一工作が深く広く行われている。
 いまの韓国のマスコミ界、教育界、労働団体、政界には北朝鮮の思想やその政治戦略に共鳴、もしくは加担する勢力が支配的な影響力を持ち、あらゆる機会を通じて、南北統一を神がかり的に信奉する工作が浸透している。
 南北統一は北朝鮮の最高、最大の対韓戦略だが、韓国の親北派や北からの工作員は韓国のあらゆる地域、あらゆる職場、あらゆる団体で、この思想、戦略の先兵として有効に働いている。
 マスコミ界や政界、教育界、労働界、いわゆる韓国の世論形成の指導部を「南北統一」という錦の御旗でくくることが、韓国支配のイロハであることが一般国民には目隠しされている。その危険性を知っている人は、戦争中の日本人と同じく一つの奔流の中で沈黙を余儀なくされている。
 「南北統一」とは具体的には何を指すのか。
 これは、北朝鮮労働党による南朝鮮(韓国)の支配である。分かりやすくいえば、韓国の共産革命なのである。革命といえば、国民の心が萎むから、いまは時間稼ぎに「南北統一」を戦略的に発信し、その戦略の下に韓国の政治や大衆運動をリードしているのが今日の韓国のマスコミであり、巧妙な工作員や野党の戦術である。
 したがって、南北統一のスローガン実現のために何が敵か、何が味方かを行動の指針とする、一つは「米軍出てゆけ」、今一つは「日本叩き」である。
 米軍が駐留する限り北の暴力支配(武力攻撃)は困難である。日本叩きは韓国民の反日推進に一番有効であり、それはアメリカ叩きの助走であり、戦略的には北への警戒心を薄めてゆくのである。韓国の李明博大統領はおろかにも日本叩きで、韓国の世論に迎合したが、彼は保身のために、国の将来を危うくしていることに気づいていない。韓国が北に解放(支配)されるとき、韓国民の奴隷化が始まることを知らない。いま、韓国は危険な泥船に国民を乗せようとしている。涙が出るほど、ぼくはそれが悲しい。【押谷盛利】

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2012年08月17日

8月15日に考える国防(見聞録)

 お盆休みはお墓参りと、終戦記念日の追悼のために心を鎮めたいと願うが、例によって中韓では愛国・反日の感情が燃え上がり、特に今年は領土問題を含めて過熱気味だ。
 韓国の李明博大統領は島根県・竹島へ上陸しただけでなく、天皇陛下への謝罪要求を行うなど、両国間の戦略的友好関係を台無しにする暴挙に出た。日本への強硬姿勢を国民にアピールすることで支持率アップを狙ったそうだ。
 日本側は、竹島の領有権問題について国際司法裁判所に提訴する形で抗議措置を取る。韓国政府は提訴に同意しないため裁判は成立しないが、日本政府としては国際社会に竹島の領土問題をアピールできる。
 今、日韓関係は歴史・領土問題を除外すれば、観光や文化面での交流は前例の無いほど盛り上がっている。今回の大統領の暴挙を韓国民がどれほど冷静に見定めているかは不明だが、日韓友好を維持するためにも、両政府はともかく、国民は冷静でありたいと願う。
 他方、沖縄県・尖閣諸島へは香港の民間団体が上陸した。これまで出港を認めていなかった香港当局が出港を容認したのは、中国政府の意を汲んでのことだったことは明白だ。
 上陸後、活動家が中国の五星紅旗と台湾(中華民国)国旗を立てたのは、中国と台湾は「不可分」とのメッセージと読み取れる。尖閣諸島の奪取という共同目標を立てることによる中台の融和策でもあろう。
 日本当局は逮捕した活動家をすぐさま強制送還する方針だ。日中関係をこじらせたくないための配慮だが、短期的視点では関係に亀裂が走らなくとも、長期的視点では中国政府と国民、そして活動家に「日本は弱腰」との誤ったメッセージを送ることになり、将来に禍根を残すことにもなりかねない。領海をやすやすと侵されたうえ、上陸を許した日本側の対応も妥当だったのか、疑問が残る。
 さて、この一連の中韓の行動を見ていて、「愛国無罪」というスローガンを思い出した。「愛国的行動ならば何でも許される」との意味で、過去に中国で起こった反日デモの際に掲げられた。一部の猛った若者がこう主張するのは威勢が良いが、政府自らが国際ルールや規範を脱線する姿に気味悪さを覚える。
 現にそういう国々が極東にある中で、日本は物騒な事態に巻き込まれる可能性を否定できない。しかし、日本政府及び国民に自国の領土を守るための知恵と覚悟があるのかが一番の課題だ。先の大戦で、日本を守るために戦地で散った英霊たちに、今の日本の姿はどう映るのだろうか。そう考えた8月15日だった。

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2012年08月13日

ロンドン五輪が終わり…(見聞録)

 ロンドン五輪が閉幕した。アメリカがメダル104個(金46、銀29、銅29)を獲得して国別ランキングで1位となった。以下、中国87、ロシア82、イギリス65、ドイツ44個の順。過去最多の38個を獲得した日本は6位だった。
 金メダルは柔道の松本薫、体操の内村航平、レスリングの伊調馨、小原日登美、吉田沙保里、米満達弘、ボクシングの村田諒太の計7選手が獲得した。日本選手団が目標にしていた15個には遠く及ばなかったが、日本が参加した24競技のうち半数以上の13競技でメダルを獲得したことは、国内スポーツ全般への励みとなった。
 サッカーだけは欠かさず観戦した。女子が銀メダル、男子がベスト4という成績は近年の五輪では偉業だ。男子は準決勝で対戦したメキシコと比べると体力、技術の差は歴然だったが、チームプレーで世界の強豪と互角に戦えたことに、次期ワールドカップ世代の活躍に期待せずにはいられない。
 女子は直前のワールドカップで優勝していることから、メダル獲得への期待とプレッシャーに押しつぶされるのではないかと心配したが、堂々の銀メダルだった。こちらも体格で上回る欧米選手をチームワークで翻弄した。
 日本時間13日早朝、ロンドン五輪が終わりを告げ、時差8時間の観戦から解放された。スポーツ新聞と化していた大手新聞もあす14日の紙面から政治、外交、経済を取り上げることだろう。
 ロンドンから目を転じれば、国内では消費税増税法案が可決、成立した。2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げられる。引き上げ分は高齢化社会を支える社会保障に還元されるが、中小企業を中心に日本経済の鈍化は避けられず、国民生活も負担が増える。
 選挙で国民に問うこともなく民主、自民、公明の談合で決まった増税だが、野田首相は法案成立後になって「深く国民にお詫びしたい」と陳謝する始末。
 外交では李明博大統領が竹島に訪問し、日韓関係が急激に冷え込む気配。日本政府は「遺憾の意」の表明、在韓大使の召還、国際司法裁判所への提訴検討などで抗議しているが、大統領の竹島訪問に沸く韓国側に響くとは思えない。
 愛国心を沸騰させた李大統領に対し、野田首相は終戦記念日の15日に靖国神社に参拝しないことを明言、中国、韓国の反発を恐れ、祖国のために命を捧げた若者の慰霊に無視を決め込む首相の姿勢に、この国の政治のゆがみを感じさせる8月である。
 ロンドン五輪で世界を相手に物怖じせず堂々と活躍する日本選手を目の当たりにした後だけに、今の政治の及び腰と主体性のなさにうんざりさせられる。総選挙と政界再編で、早く日本の政治を一新してほしい。

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2012年08月10日

日韓戦前に大統領暴走(見聞録)

 ロンドン五輪は12日閉幕する。日本勢は金メダル5個、銀、銅メダル各14個の成績で、金メダルこそ振るわないが、メダル総数は前回の北京五輪の25個を上回っている。
 終盤にレスリング女子が金メダル3個、女子サッカーも銀メダルに輝くなど、明るいニュースが続いた。
 さて、11日早朝には銅メダルをかけてサッカー日本男子が韓国と対戦し、夜には女子バレーも銅メダルをかけて韓国と戦う。
 日韓戦はどの種目でもライバル心がくすぐられるが、世界の他の国々を見ても、隣国というのは、隣接するがゆえに領土問題や歴史問題の数々を抱えており、その対抗心がスポーツに代弁して発散される。
 特に韓国では日本の植民地支配から解放された15日の記念日「光復節」を間近に控え、愛国心を盛り上げている。11日早朝は両国民がナショナリズムを高揚させてサッカーを観戦することだろう。
 政治の世界でも、今、韓国では国民の愛国心を高揚させるパフォーマンスが実行に移された。李明博大統領の竹島訪問だ。
 韓国ではこの12月に大統領選があり、来年2月に新政権が誕生する。李大統領はすでに政権末期を迎え、現実の政治にほとんど影響力がないうえ、人気もない。
 そんな李大統領が、最も韓国国民の愛国心をくすぐる竹島に上陸することで、「李大統領ここにあり」をアピールしたいようだ。
 韓国は日本固有の領土である竹島を実効支配しながらも、これまで大統領の上陸を控えてきた。日本政府との外交を考慮してのことだった。
 ただ、今回の竹島訪問は日本との外交を無視しようというものではなく、国内事情のみに目を向けた内向き志向の産物なのだろうと推測する。
 日本は竹島訪問の中止を呼びかけ、大使を召還すると鼻息が荒いが、振り返ると、今の民主党政権も党内事情優先の内向き志向で何度、同盟国アメリカを困らせてきたことか。沖縄・普天間基地移転の約束を反故にし、最近ではオスプレイ配備にあたって政権与党内からも「待った」の声がかかった。
 今回の李大統領の行動も国内政治の迷走ゆえと片付けたいところだが、見逃せない視点もある。
 7月、ロシアのメドベージェフ首相は北方領土の国後島を訪問した。中国も漁業監視船が尖閣諸島周辺の日本領海に繰り返し侵入している。
 対して日本政府は何の対策も打てずじまい。さらに中国大使が東京都の尖閣諸島購入計画を公然と批判し、「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と発言する始末。そんな無策の日本政府を目の当たりにして、政権末期の李大統領が「わが国も」と暴走したところで不思議はない。
 日本の政治家は相も変わらず、外交、防衛そっちのけの内閣不信任案や解散ごっこで大忙し。日本代表として失格ではないか。

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2012年08月09日

衆議院の解散と与野党

 いまの衆議院議員の任期は来年9月までである。民主党がなんぼ解散を延ばしてもあと一年の寿命ということになる。
 与野党それぞれの思惑はあろうが、仮にいま解散すれば現職のうちの何人が再び赤いジュウタンを踏むことができるか。気の早い情報紙(誌)は、○×△印で、次期選挙の当落予想をするが、その根拠の最大のものは各報道機関が実施する世論調査であり、次に重視するのは党及び個人の活躍や実績、地元評判であろう。
 最近の総選挙が過去と違うのは、地盤、看板、カバンの時代ではなく、国民が政治的に学習し、賢明になって、自らの自主的判断によって自分たちの代弁者、自分たちの政権をつくるべく目覚めたことである。
 それが小泉時代から言われるようになった「風」である。
 風には「追い風」、「向かい風」、「つむじ風」があり、郵政改革で解散した小泉純一郎氏は、国民の心を先取りして、改革を旗印に総選挙の指揮をとった。
 言わば、自ら先頭に立って風を起こし、その風に乗った。「やりそうであり、やってくれるだろう」という国民の期待感を追い風にした。のみならず、刺客による候補者の若返りが「古い自民党よ、さようなら」の合い言葉になって風速を台風並みに強くした。
 民主党の勝った3年前の総選挙は麻生内閣の解散によるものだったが、小泉以後の福田、安倍、麻生の短期3代の自民党政権に愛想をつかした国民は、民主党の叫ぶ「政権交代」の声に共鳴して、風を興した。
 つまり、政権交代が風となり、民主に追い風、自民に逆風となった。
 解散は任期(4年)満了以外は、ときの総理の腹一つで決まるから常識的には、与党の都合のいい時期、すなわち、選挙に勝利できる環境をねらう。
 しかし、今回のように野党に追い詰められるとその判断は難しい。仮に内閣不信任案が衆議院で可決されれば、内閣は総辞職するか、解散するか、2つに1つである。
 民主党はいま解散すれば大負け必定だから、理屈をこねて引き延ばしを計るが、自民党だって、解散を要求しているものの、いざ選挙となれば、どれだけ勝ち得るか、不安定材料が多い。それは、今日の政治の閉塞感に対する国民の声が、爆発的な旋風になる可能性が強いからである。その旋風は、西では大阪維新の会、東は石原慎太郎新党、中部は河村名古屋市長の減税党が考えられる。
 なかんずく、橋下大阪市長率いる大阪維新の風は驚天動地の威力を発揮するのではないか。これはまさに明治維新に酷似し、日本近代政治史に輝く1頁を記すだろう。【押谷盛利】

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2012年08月08日

花火大会継続は市民しだい(見聞録)

 今年の長浜の花火大会(6日)は長浜港を有料エリアとする初めての試みだった。沖合200㍍の台船からの打ち上げは、花火が小さく見えて迫力に欠けるのではとの心配もあったが、杞憂だった。例年に比べると花火の規模自体は小さくなったが、湖面すれすれで爆発させたり、音楽を流したりと、限られた予算内で観覧客を楽しませようという工夫が見られた。
 台船4隻からの打ち上げは、映画館のスクリーンのような横への広がりがあった。また、観覧席から離れた場所での打ち上げのため特大の10号玉を使用したことで迫力を維持した。例年よりも花火の爆発音が大きいと感じた方もいるのではないだろうか。おそらく10号玉が弾けた音だ。
 有料エリアは1万4000人分のスペースを確保し、入場は5000人余りだった。例年は身動きできない程の混雑だが、今年は余裕があり場所取りに神経をすり減らすことなく「ゆったり観覧できた」と好評だった。
 迫力の花火大会をワンコイン(500円)でゆったり観覧できるのなら、長浜港の有料化も値打ちではなかろうか。
 観覧客のマナーはどうだったか。花火大会翌朝、長浜港一帯に散乱するごみの量がマナーの悪さのバロメーターともなっているが、有料エリアのごみの量は例年の半分以下だった。悪質な場所取りも激減した。
 有料エリアの設置は安全確保とマナー向上に「効果あり」だったようだ。
 しかし、心配な点もある。協賛金や会場整理のボランティアが思うように集まらないことだ。花火大会は県市の補助金と企業、市民からの協賛金で運営されている。しかし、協賛金は減り続け、警備費用は増加している。来年は、彦根の花火大会に県の補助金が支給される番。長浜の花火は市の補助金と協賛金だけで運営しなければならない。
 市民ボランティアも延べ155人を公募したが、応じたのはたった4人だった。
 今年の花火は例年より30分短い45分間で、物足りなさを感じた市民もいたことだろう。打ち上げ資金が集まらないことには規模の縮小は避けられない。ある関係者は「どれだけの市民が花火大会を待ち望んでいるのだろうか。一時、中止が決まった際も反応は小さかった。ボランティアを公募しても、まったく集まらない。花火大会を続けるには市民の協力が欠かせないのだが…」と漏らしていた。

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2012年08月07日

小泉進次郎氏の決起

 今月の初め、自民党の青年局長・小泉進次郎氏ら若手10人が谷垣総裁に「なにをぼやぼやしているんや、今の情況は民主党の時間稼ぎに利用されて、解散どころか、野田内閣の延命に手を貸すだけではないか」と迫った。
 要は3党で合意した消費税アップ・社会保障一体改革案の参議院審議の遅れを口実に民主党への縁切りを迫った党内改革派の示威である。総裁が野党の党首らしくしょんとしなければ、第2、第3の決起をしますよ、とこれは、本気の解散要求であり、衆院での内閣不信任案、参院での首相問責決議案含みである。
 このところ、大人が3人寄れば、政局はどうなるのか。日本はだれが総理になればよいのか、などが話題になる。
 早い話が国会のもたもたよりも国民の感覚の方が一歩前進しているのだ。国民は世論調査の野田内閣支持率20%が示すように、「一日も早くおやめなさい」と、不信感を募らせている。
 民主党内閣に国民が不信感を募らせるのは、鳩山、菅、野田内閣の今日までの出来の悪さによるが、一言でいえば、鳴り物入りで宣伝した「カネの心配はいりません」という「打ち出の小槌」や「玉手箱」が全くのインチキであったことが証明されたからである。選挙で公約したマニフェストがインチキと分かれば国民は怒るのが当たり前であり、ぼくが常にいうように「信なき政治は立たず」である。
 国民が不信と怒りをぶつけている民主党内閣に対し、これに手を貸し延命に協力しているのが自民党執行部だから若手が決起の構えを見せるのは筋が通っているし、いままで沈黙していた無気力こそ問題だった。世界は日進月歩だが、今の政府は防衛、外交、経済、教育、何一つとっても時流に遅れ、国民をいらいらさせるばかりである。これには原因が幾つかある。
 民主党は国家、国民のために何を目的とするのか。基本方針すなわち、党の綱領を持たない不思議な党である。国家観もなければ、国の独立や安全保障に対する国民への約束がゼロという物騒な政党である。だから、日本の国益を損なうバカな大使を中国に派遣しており、国民の間から「やめさせよ」の声が上がりながらもやめさせない。これは中国に対するペコペコ外交そのものであり、こんな大使を窓口にして、どうして尖閣問題などが処理できようか。そればかりではない。日本人の生命のかかっている北朝鮮による拉致問題についても何一つ積極的な手立てを講じていない。
 民主党の中には、中国や朝鮮にパイプを通じるシンパがうろうろしているが、彼らは陰に回って日本の政治情報や、軍事、産業機密を流したりするスパイに乗ぜられる危険があり、国の独立や国益、国民の安全上、取り締まり用心、火の用心があらためて見直されよう。
 いまの谷垣総裁のゆるふんぶりは、国民の目から見れば、極めてあやふく、期待されていない原因だが、だからこそ国民の閉塞感は募るばかりである。【押谷盛利】

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2012年08月06日

五輪、好調の日本勢(見聞録)

 7月27日に開幕したロンドン五輪は今度の日曜日12日で閉幕する。これまでの日本勢を振り返ると、日本のお家芸の柔道は男子が初めて金メダルゼロとなるなど、過去の成績と比較すると不振が目立った。イギリス紙は「柔道発祥の国が一本取られた」と取り上げた。
 一方で、競泳陣の活躍が目覚しい。高校生の萩野公介選手が400㍍個人メドレーで競泳種目の日本第1号メダルとなる銅を獲得したのに始まり、背泳ぎで入江陵介選手が銀・銅、平泳ぎで鈴木聡美選手も銀・銅に輝いたほか、メドレーリレーで男子が銀、女子が銅を獲得した。
 3連覇を期待された北島康介選手は個人種目ではメダルを逃したが、後輩らと挑んだリレーで銀メダルを獲得したのは、世代交代を印象付けた。
 競泳以外にもアーチェリー、バドミントン、重量挙げなどの活躍が目新しい。福原愛選手、石川佳純選手、平野早矢香選手の卓球女子チームも6日未明、シンガポールを下し、決勝戦へとコマを進めた。メダル獲得は日本卓球界、初となる。
 さて、五輪の成績を評価するにあたって何を指標とするのか。米国は全メダルの個数を重視しており、現在60個で2位。61個の中国を追いかけている。
 一方、国挙げてのメダル至上主義に突っ走る中国は金メダリストのみが評価され、銀メダル以下はまったく注目されないそうだ。金メダルは「愛国の情熱を示す」ものであり、今秋の共産党大会を「順調に迎える」ための主要任務の一つだと、国家体育総局の幹部が明らかにしている。
 ゆえに金メダルが期待されながら銀メダルに終わった重量挙げの選手が国民に謝罪し、連覇を逃した体操女子団体総合の選手が「申し訳ない」と記者の前で涙を流すわけだ。
 しかし、五輪に参加した中国選手の何人かは、他国の選手がリラックスして五輪を楽しんでいる様子から、自国のメダル至上主義に違和感を抱いているようで、「中国では趣味や自分の時間を持つこともない」と心情を吐露したり、「金銀銅、入賞、それ以外の選手、そこにまったく差はない」と述べたりと、メダル一辺倒のスポーツ政策から脱却を求める声が聞こえ始めている。北京五輪で国別メダル獲得数1位に輝いたスポーツ大国の余裕とも受け止められる。
 さて、日本勢は金メダルの数では2個と低迷し、国別ランキングで15位に位置しているが、銀、銅を含めた総メダル数では現時点で27個にのぼり、中国、アメリカ、イギリス、ロシアに次いで5位につけている。そして、北京五輪の25個を超えていることを考えると、日本勢は好調だ。
 卓球女子団体は7日、決勝戦を迎え、サッカーは男女ともにベスト4に残っている。レスリング、シンクロもこれからだ。まだまだ活躍が期待できる日本勢。夜を徹しての応援を続けたい。

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2012年08月04日

毀誉褒貶と高齢化社会

 悲しいことだが、そしったり、そしられたりしながら生きてゆくのが人生かもしれない。
 毀誉褒貶という言葉がある。毀誉も褒貶も同じ意味で、ほめられたり、そしられたりすること。そういうことを無視して「わが道を行く」という信念の人は珍しい。
 そしられるのは嫌だが、ほめられたい、と思うのは凡人の常で、その凡人の心をつかみ、社会の秩序や世の中の発展に役立たそうとする国の意志が位階賞勲の制度であり、地方自治体や各種団体などの表彰や感謝状などもそのたぐいである。
 「人間、生きているうちが花」という人もあれば、「死んで花実の咲くものか」と捨てセリフをいう人もいる。
 最近の葬式は、家族葬というのか、ごく内々で済ませるやり方が流行気味であり、派手にすると費用が大変だとか、親族以外に迷惑をかけたくない、などの理由があげられている。一人の人間のこの世にさらばの儀式であるから、それにふさわしい葬り方があるはずだと思うものの、一つには故人の意志(遺言)もあろうから、これはなかなか難しい問題である。
 最近、ぼくの遠縁の老婦人が亡くなった。死後20日以上経ってから、別の親戚を通じて知らされた。故人の意志で、身内だけ葬送したという話だった。92歳の老衰死だから大往生といえるかもしれない。そんな人がいたのかな、と思われるくらい静かに消えてゆくのもそれはそれなりの夢かもしれない。
 先年、ぼくの高校時代の友人で、最も親しくしていたKが亡くなったが、家人や息子らは知らしてくれなかった。寝ついていると聞いていたので見舞いをしておいたが、あまり音沙汰がないので、「どうしているかな」と電話を入れたところ、とっくに亡くなっていた。年末に「年賀無礼」の挨拶状を出す予定だったと聞いて、少し悲しくなった。
 長生きすると側の者が疲れ果てるのか、万事簡略で「はい、さようなら」式を好むのかもしれないが、死者本人にすれば、さようならを言いたい友や思い出の人、風景もあるだろう。いつの間にか消えていた、では、ご当人の魂に悔いが残るかもしれない。
 宇宙という無限大の広い世界からみればこの世のわれわれの足跡や毀誉褒貶などは蚊の涙ほどの値打ちもないが、それでも人は人なりに自分の人格に誇りを持ち、生まれてよかった、生きてよかった、と感謝しながら長寿を全うしたい、と思うのではなかろうか。【押谷盛利】

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2012年08月03日

メダル至上主義への警告(見聞録)

 大津市出身の垣岩令佳選手が藤井瑞希選手とペアを組んで臨んだロンドン五輪バドミントン競技。日本時間のきょう3日未明の準決勝でカナダのペアを破り、決勝への進出を決めた。決勝は日本時間のあす4日午後11時45分から。
 バドミントン競技は中国や韓国など極東アジア勢の独擅場となっているが、今大会では予選リーグ戦で「無気力試合」を行った4ペアが失格となった。すでに決勝トーナメント進出を決定しているペアが対戦相手を調整するためにわざと試合に負け、リーグ戦を2位通過しようと画策したものだった。
 試合のようすを配信した動画をインターネットで見たが、「無気力試合」との言葉では形容しきれない程の酷いプレーだった。サーブをわざとネットに引っ掛けて失点するなど故意のミスで、打ち合いをまったく行わない。観客からはブーイングが巻き起こり、審判も注意・警告を出し、試合は何度も中断されたが、選手が無気力プレーを改めることはなかった。世界中のバドミントンプレーヤーを代表して五輪の舞台に立っている使命感などみじんも感じられなかった。
 ただし、これは選手の自主的判断ではなく、監督や上層部の指示によるものだ。
 結局、世界バドミントン連盟は選手行動規定の「勝利のための全力プレーを怠ること」「競技に対する明らかな不正、もしくは有害な行動」にあてはまるとして4ペア8選手を失格処分とした。
 これら強豪が一斉に消えたことで日本ペアの対戦相手が急きょ格下のカナダのペアになり、勝利を収めることができた。
 一方、女子サッカー「なでしこ」は、予選リーグの最終試合の南アフリカ戦(7月31日)を0対0で引き分けたが、終盤は監督の「引き分け」指示により、前線への鋭いパスは身を潜め、パス回しで時間を消費。見ている者をイライラさせた。この引き分けにより日本は予選を2位で通過した。
 予選を1位通過すると次の決勝トーナメントの試合会場が遠方に移るため、移動に伴う選手の疲労を回避するのが、引き分けによる2位通過の狙いだった。
 バドミントンしかり、サッカーしかり、正々堂々と互いに最善を尽くして対戦して勝敗を決めるからこそ、観客や国民が熱狂し、応援するのではないか。五輪で自国の選手にメダルを獲得して欲しいと願うのは国民の思いだが、フェアプレー精神を捨てるようなメダル至上主義は五輪の舞台にふさわしくない。
 今回の「なでしこ」の引き分け指示は処分対象とはならないが、こういう行為がエスカレートすればバドミントンのように五輪を汚す無気力試合につながりはしまいかと危惧する。
 将来の日本代表を夢見て、睡魔と戦いながらスポーツの祭典に目を輝かせる子ども達に、選手は試合を通してどんなメッセージを送るべきなのか。メダル獲得だけでなく、そこへの過程も注目されるべきだろう。

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2012年08月02日

政治不信と国民の眼力

 自民党の長老で、元首相の森喜朗氏(75)が、今期限りで引退すると発表したが、党内はもちろん、国民の間からも惜しむ声が出ない。古い型のボスはさっさと消えて新旧交代、新しい世代で政治の若返りこそ望ましい、との国民の声かもしれない。
 ところで、その森氏が、9月に行われる自民党の総裁選で、現職の谷垣禎一総裁を支持する意向を示したというので、肝心の森派が動揺している。森派には町村信孝氏(68)という北海道5区出身の実力者が夢を描いているからである。ここにきて、政局は解散騒ぎから一転して与野党の党首選に話題が移った。
 与党の民主党は小沢一派の離党や、菅、鳩山の地盤沈下で9月の代表選は野田現総理で決まりという感じが100%確実である。
 対する自民党は谷垣氏の再選願望、前記、町村氏のほか、京都出身の伊吹文明元労相(74)、石原伸晃幹事長(55)、石破茂元防衛庁長官(55)、林芳正参院議員(51)らの名が上がっている。
 いずれ候補者はしぼられてゆくが、谷垣氏が再選されようが、他のだれかに落ち着こうが、先行きは明るくない。
 民主党にしても、自民党にしても9月の改選期で代表(総裁)になった人を陣頭に立てて、解散後の総選挙に臨むわけだから言わば総選挙の顔である。
 民主党は前回の選挙で大ウソが成功して政権を奪ったが、国民はそのウソの正体を知り尽くし、立腹と不信感をつのらせているから大負けするのは必定である。その反動で、自民党は躍進すると、欲深な希望的観測をしているが、どっこい、そうは問屋が許さない。
 国民は今の政局の閉塞感に半ばサジを投げて、新しい第3極の政治勢力で、日本の危機と混迷を脱してほしいと願っている。その国民の声に今の自民党は全く答えていない。答えていないどころか、国民に不信と怒りをかっている民主党政権に手を貸して助けているのが今の自民党である。
 谷垣総裁以下、現執行部は、かつて河野洋平総裁が野党時代、社会党、さきがけと手を組んで、社、さ、自民の連立内閣を立ち上げた歴史を再現すべく、民、自連立内閣を目論んでいる。
 これはヒサシを貸して母屋を奪る戦略だが、こういうのを政権欲の恥知らずという。なにがなんでも政権にへばりつきたいという深謀は、国家国民のためではなく、野党ぼけから日当たりに出たいとする利権願望であり、その方程式は20年、30年前の古き汚れた自民党流の再現でしかない。情けないのは、今の自民党のカビの生えた無気力である。
 陣営を立て直して新進気鋭の魂の入った保守本流の政治家による旧弊、旧悪刷新の改革推進こそ望まれる。
 それなくして、国の独立も防衛も教育改革も経済の発展も真の福祉もあり得ない。【押谷盛利】

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2012年08月01日

花火ボランティア、たった2人(見聞録)

 一度は中止が決まりながらも、主催者を変更して再開が決まった長浜の花火大会。6日夜、長浜港沖で打ちあがる。
 これまでは長浜港内から打ち上げていたが、狭い港湾に観覧客が殺到し、完全管理が難しいことから、昨夏を最後に中止することが決まっていた。
 関係者の間で存続を模索した結果、新しく実行委員会を立ち上げて、花火の打ち上げ場所を変更するなどして再開にこぎつけた。観覧客の入場を制限するため、長浜港一帯への入場を有料化し(シート席500円、イス席1000円)、観覧客に一定の負担をお願いすることで、開催資金にもあてる。
 一方で、港湾一帯の有料ゾーンで会場整理する大量のスタッフが必要になる。すべてをアルバイトで賄っていては経費がかかることから、実行委員会ではスタッフの一部を市民ボランティアにお願いすることにし、総勢155人を募集している。
 花火大会まで1週間を切った昨31日、担当者に「ボランティアはどれくらい集まっていますか?」と問い合わせたところ、「2人です」との返答。耳を疑うような少なさだ。
 開催日が月曜のため会社勤めの市民がボランティアに参加するのは難しいだろうが、これほどまでに少ない原因は何なのか。ボランティアを募集していること自体を市民が知らないのか、皆が花火を楽しんでいる時間帯にボランティアに汗するのは馬鹿らしいことなのか。せっかく継続が決まった花火大会への思い入れが市民の間で意外と少ないのか。
 花火大会翌日の港湾清掃には多くの市民が集うことから、ボランティア意識が低いとの理由は当てはまらない。
 果たして、このままで大会当日の会場整理は安全に行えるのだろうか。実行委員会では会場警備はガードマンと市職員らで対応するが、有料ゾーンの会場整理が人手不足で心配だという。現在、長浜バイオ大学の学生らに応援を打診している。
 なお、ボランティアは随時、募集しているので、「我こそは」と思う方は参加して欲しい。対象は高校生以上。募集日時と定員は①4日午前9時〜午後5時、10人②5日午前9時〜午後5時、10人③6日午前9時〜午後4時、15人④6日午後4時〜10時、100人⑤7日午前7時〜午後4時、20人。申し込みは実行委員会事務局☎(65)6521へ。

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