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電子レンジ、国産半世紀(見聞録)

 学生時代から20年連れ添った電子レンジが2日前から動かなくなった。一人暮らしの時代から我が食卓の強い味方だった。ご飯や惣菜を温めたり、パンをトーストしたりと、使わない日はなかった。
 購入して2年目、阪神大震災で棚から落ちて以来、計器が狂ったのだろうか、自動加熱では、食品を温めすぎ、トーストを真っ黒にしてしまう。お酒の「燗」はアルコールが蒸発するまで温めるので、震災以降は食品の温まり具合を確認しながらの、手を焼かせる相棒として付き合ってきた。
 それが2日前からいっこうに温まらない。冷凍御飯を温めるのにわざわざ蒸し器を使う破目に。親を亡くして初めて親の恩を知るのと同様、電子レンジが動かなくなって初めて、そのありがたみに気付く。
 日本中のどこの家庭でも電子レンジは不可欠な調理器具となっているだろう。その原理は、レンジが照射するマイクロ波が食品中の水分子を振動させることで摩擦熱を起こし、食品を内部から温めるというもの。
 今年は電子レンジの国産デビューから、ちょうど50年を迎えるという。社団法人「家庭電気文化会」によると、国産第1号が発売されたのは1962年(昭和37)だった。業務用で、料理の温め直しに使用した。価格は54万円。当時の大卒の初任給が1万7000円だったから、今の貨幣価値で600万円、700万円という代物だった。2年後には新幹線の食堂車に整備され、話題になった。
 一般家庭に普及するのは76年に6万円という手の届く価格で発売されてから。従来のレンジは食品の種類や分量に応じて加熱時間を手動でセットしていたが、温度センサーを付けたことで自動加熱が可能になり、その使いやすさから家庭に浸透した。その後はオーブンやグリル、トースター、メニューキー、音声ガイダンスなどを付加し、その機能を進化してきた。
 今では蒸気で食品を温めるスチーム機能がついた製品が、ラップ無しでも料理を温められる手軽さに加え、食品からにじみ出る油分を水蒸気でカットできるとして、ヘルシー志向の現代人に注目されている。「石釜ドーム」と呼ばれるオーブン機能を強化した製品も現れた。
 さて、2代目の電子レンジ。機能よりも地震にも負けない耐久性を重視したいが、省エネも見逃せない。

2012年07月04日 16:25 |


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