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道州制に乗り遅れるな

 道州制がニュースの仲間入りをするようになった。
 なんとなく「いいんちゃうか」といった体の淡い未来の行政組織だが、橋下徹大阪市長の出現で、にわかに脚光を浴び現実化してきた。
 進化してやまない世相だが、学者や政治家は、高い視野と長期的展望に立って、国の行き先に対する指導性を持たねばならぬ。
 明治維新以来、今日までの日本の政治はいわゆる中央集権制で、その中核に官僚が存在した。中央の求心力によって鳥瞰図的に日本全土をにらみ、国土の開発と産業経済の振興、文化と国民福祉の向上を図ってきたが、21世紀に入り、国の形や国民のなりわいが急速に変化してきた。その急激な変化に即応して、新しい政治の仕組み、行政のあり方が検討され、それが議論の世界から現実の喫緊事として浮上してきた。
 政治の形や行政の仕組みが破綻しつつあり、これまでの中央集約型政治は行き詰まり、国土の疲弊と国民の不幸を招くのではないか、という反省から地方を重く見る地方分権が叫ばれるようになった。
 地方分権は必ずしも今に始まったものではなく、その思想は大平内閣のころから芽生えていた。地方が発展し、発言力を持つようになったからである。地方の発言力がどれくらい強くなったかは、東の石原都知事、西の橋下大阪市長の言動とその影響力を見れば一目瞭然である。まるで天下は、この二人の掌中にある感じで、閉塞感に充ちた、いまのいらいら政局を一刀両断にしごいて、一日も早く平成維新を実現して欲しいと、国民は願っている。
 地方の声が、なぜ大きく、強くなったのか。それが時運、時の流れというもので、その流れを決定的にしたのは、市町合併の推進だった。
 滋賀県でも多くの町が合併し、新しい市政による行政効果が期待されるようになった。それは交通、通信の近代化と情報化産業の副産物でもあるが、一歩目を転ずれば、急激に訪れた少子高齢化社会の到来による。加えて、人口の都市集中化現象が、大都市を核としての府県の枠を超えた広域行政の出現が期待されるようになった。分かりやすく言えば、新しい市町村合併にふさわしい、新しい容れもの(地方行政)、すなわち、地方の統治機構の再編成が望まれるようになった。
 その行き着くところが、道州制であり、府県の壁をなくすることである。例えば、関西を関西州としてまとめるか、名前の通っている大阪州にするようなもので、北海道全土の行政を北海道知事の下、道庁が取り仕切っているのと同じで、大阪も京都も奈良も和歌山も滋賀も府や県はなくなり、長浜市の上に関西州が存在するようなものである。
 あっという間に月に旅行できたり、2、3時間で韓国や中国へゆける時代を背景に、われわれの声は顔をも含めて一瞬のうちに世界と交流できる時代なのである。
 無駄な屋上屋ともいえる府県や庁舎などの旧制を改める方がスピード時代の地方の活性化に役立つのではないか。これは止めようとしても止められない時の流れであり、乗り遅れるものはバカを見る。【押谷盛利】

2012年02月24日 16:16 |


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