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出会いの季節、笑顔を大切に(見聞録)

 歯磨き製品の大手メーカー「ライオン」が卒園式・入学式シーズンを前に、子どもを持つ20、30代の女性400人に第一印象に関するアンケート調査を実施したところ、身なりよりも、「笑顔の素敵な人」に好印象を抱いていることが分かった。
 「第一印象が良い人の条件」(複数回答)の1位は「笑顔の素敵な人」(89・0%)で、以下、「身なりの整った人」(66・8%)、「言葉遣いがきれいな人」(62・0%)、「受け答えがハッキリしている人」(45・3%)、「オシャレな人」(41・5%)と続いた。
 また、「笑顔の印象を決める顔のパーツはどこだと思いますか?」(複数回答)との質問には「口元」(73・3%)、「目元」(71・0%)、「瞳」(42・3%)と続いた。
 このアンケートの興味深いところは、ファッションにうるさい若い女性でも、第一印象は笑顔がポイントになると考えていること。人と人との交流での表情の大切さを示す材料となったが、人が他人の表情を観察する行為は、猿からの進化の過程で培ったようだ。
 21日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズは、京大の研究グループがチンパンジーとの比較実験で、人が他人の表情に注目して行動パターンを学習していることを突き止めたと紹介している。
 研究グループは、乳児30人、成人15人、チンパンジー6頭に、女性がコップにジュースを注ぐ映像を見せ、視線検出装置で、どこを見ているのかを調べた。
 チンパンジーには、あらかじめジュースを注ぐ様子を見せて学習させたところ、注ぐ前に動きを予測して視線をコップに集中させた。
 一方、乳児は動きを予測できず女性の顔とコップを交互に追う特徴があった。成人の多くは女性の顔を見ながら、ジュースを注ぐ行為を予測してコップに視線を移した。
 別の映像に置き換えても、人間は表情に、チンパンジーは物の動きに注目する傾向があった。
 研究を行った大学院教育学研究科・明和政子准教授(発達科学)は、他人の表情を観察する行為について「人間が進化の過程で独自に得た学習能力と考えられる」とし、「複雑な社会環境に適応するため、他者の表情から次の展開を予測する能力を身につけたのではないか」と分析している。
 若い子育てママにとって、これから迎える入園、入学、公園デビューは「複雑な社会環境」であり、第一印象のポイントを笑顔とするのも、進化の過程で培った能力かもしれない。
 アンケート調査やチンパンジーの比較研究を行うまでもなく、笑顔は人間関係をスムーズにさせる。
 春は出会いの季節、笑顔を大切にしたいものだ。

2012年02月23日 16:01 |


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